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御伽噺戦争・VR旅行記十六回目

やあ、こんにちは。御伽噺戦争(メルヒェン・クリーク)・VR(メルクリVR)の旅行記の十六回目だよ。


つ 一面に広がる水平線、対岸は見えず周囲の様子もなく水平線だけが写っている


前回の予告通り、今回は湖の紹介をするよ!

とはいっても、一枚目の写真だと湖なのか何なのかわかんないよね。


つ 上記の写真をもっと遠くから撮ったと思われる写真、若干のデコボコはあれど平原の真ん中に水平線ができている

つ 雑なレッドキャップの地図、首都の歪んだ丸の南南西に首都よりも大きな「湖」の丸がある


たぶん、メルクリの世界で二番目か三番目に大きな湖だよ。

首都のカリヴァーよりもでっかいこの湖は「サヴァンスカ湖」で、レッドキャップの水源の一部って言われてるけど、実際は違うかな。

まず、ここの歴史について説明するね。


つ 雑な地図と同じような形の、ドットで作られたと思われる地図の画像、湖の場所はぽっかりとあいていて茶色く塗られている

つ 水の中で撮影したと思われる写真、湖底と思わしき場所に崩壊したと思われる建物の残骸が転がっている

つ 水の中で撮影したと思われる写真、湖底に転がる残骸に苔が繁茂している、上記写真も含め、魚などの生物が存在している様子は見えない


レッドキャップの歴史にもなるんだけど、元々レッドキャップの首都は「聖都(せいと)サヴァンスカ」といわれていて、あの崖の場所にはなかったんだ。

名前で読者も何となくわかるかな。

そう、この湖こそがその聖都があった場所なんだよ。

レッドキャップの話はコンシューマ版をやるとよくわかるんだけど、簡潔に言えば、この湖の場所にあった聖都は、他国の宗教の理解がないテロリストに破壊されたんだ。


テロは真夜中に起こった。

その日は想定外の災害があった直後で、君主である教皇が偶然北の魔術塔(そのうち紹介するね)に出かけたばかりだった。

テロリストは教皇がいないことに気づかないでテロを決行した。

これは他国でも忌み嫌われてる事件でね。

聖都の周辺に大量の爆薬を仕込んで、聖都を沈没させたうえで当時北の鉱山のある山から流れていた川の水を流し込んだ。

真夜中で大体の人が就寝していたこと。大量の爆薬が仕込まれた場所の一部が、施療院を巻き込んだせいでそこにいた多くのけが人や病人が身動きができなくなったこと。

これによって、未曾有の大被害になった。

当時聖都に在住・滞在していた二十万人の人間のうち、水が流れ込む前に逃げ出せたのはたったの百人、水が流れ込んだ後はゼロ人。

逃げ出せたその百人も、逃げられなかった人たちを助けようと陥没崩落した聖都だった穴の中へ戻っていき、最終的に生き残ったのは、当時五歳だった少女と少年、泣き止まない赤ん坊を抱えた母親の四人だけだった。

ここまででも普通の神経をしてたらむごいと思うけど、さらに追加があるんだよ。

この時流れ込んだ川の水に、テロリストは毒を仕込んでた。だから、水に飲まれた人は誰も助からなかった。

わたしたち「星降人(プレイヤー)」はこの毒の影響を受けないって設定になってるから湖にも潜れるけど、住人はこの湖の水に触れたりしたら皮膚がかぶれるし、誤って飲んだりしたらそのまま死んでしまう。

そんな死の湖なんだ、ここは。


つ 湖の傍らに大きな石碑がある

つ 湖をバックにした石碑の写真、石碑にはメルクリ世界の文字で「テロリズムの被害者ここに眠る」と記載されており、その下に小さくびっちりと何かが彫りこまれている


魔術塔へ向かった教皇とその護衛一行は、道半ばで聖都の崩落する轟音を聞いて、この一連の流れを見ていた。

何が起きたかわからず茫然としたのは数秒で、教皇はすぐに聖都へと戻ったけれど、間に合わなかった。

水に入って助けようとした教皇の護衛の一人が、毒の影響で倒れ、救出にいけないことが分かった。

教皇には、聖都に残した妻子も、両親もいた。もちろん護衛にも。

誰の遺体も埋葬することができなかった。

この出来事は、すぐに他国にも情報が届き、あまりにも凄惨な被害に世界各国一丸となってテロリストを追い詰め、テロリストは生きたまま「不毛の地」へと追放された。

テロリストの追放までに十年。教皇は当時十五歳だったこの事件の生き残りである男の子へ教皇の座を譲り渡すと、その残りの生涯をすべて費やして、八つの石碑を作った。

この石碑のちっちゃい文字、見える?

これね、全部犠牲者の名前なんだ。

当時の教皇がね、四十年かけて一人一人彫り込んだ、犠牲者を消して風化させないための、記憶の塊(彼の後悔)

当時の教皇は、この石碑に最後の一人の名前を掘り上げて、この湖の四方八方に設置した後、「守れなくてすまなかった」と謝罪してそのままなくなったんだって。


つ 先の写真と同じ石碑、しかし先ほどと違い石碑の周りに色とりどりの花が写っている


こっちはひまわり(イリアンサ)君に撮ってもらった写真。

レッドキャップ所属だと上みたいに見えるみたい。

枢機卿から聞いた話だと、他国の人間はテロリストの可能性もあるから、石碑に触れられないように特殊な術(ワルキュレアの「守護結界」みたいなものだって)がかけられてるんだそうだよ。

ここに咲いてるのは、レッドキャップの国花の「頭巾花」だね。

ここ以外にも咲いてるらしいんだけど、かなり珍しい花だよ。


つ 水中撮影の写真、崩れた建物の姿は退廃的な美しさを感じる

つ 水中撮影の写真、おそらく聖堂だったのだろうか、大きな鐘楼とそれをつっている崩れた塔がみえる


わたしたちは問題ないから水中の写真。

地上だとしんみりするし、なんだか観光気分じゃなくなっちゃうけど、水中はこんな感じなんだ。

廃墟とか好きな人には、たぶんたまらないと思うね。


つ 水中撮影の写真、崩れた建物を近くから写している、建物には青々とした苔が繁茂している

つ 岸辺から手で水を掬い上げている、水はほんのりの青みがある


先の説明で「死の湖」って言ったけど、実際にここでテロがあったのはもう何百年も前なんだ。

まあ、そんな昔なのに毒が残ってるのはすごいやばいことなんだけど、実際に水中にもぐってみたら苔? 藻? が生きてる。

当時は星降人がいなかったし、今でも無害と確証はないから住人たちに触れてもらうことはできないけど、たぶん少しずつは無害化が進んでると思う。

いつかは、住人も星降人も関係なくこの湖を美しいといえる日がくればいいなと思うよ。


つ 遠景の湖の水平線とイリアンサがよくわからないポーズをとっている、それに見切れる右手ピース


今回はレッドキャップの歴史の話になっちゃったね。

当時のもっと悲惨な会話劇なんかは、コンシューマ版に収録されてるから、気になってる人はコンシューマ版もやってほしいな。

ちゃんとレッドキャップの歴史を読み込むとね、一作目の出鼻首ちょんぱ(みんなのトラウマ)の理由がよくわかるよ。

さて、次回はもう少し明るい話題がいいなと思うから、ちょっと遠いけどレッドキャップの港町へ行こうと思うよ。

それじゃあ次回を楽しみに待っていてくれ。

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