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最強の最底辺魔導士〜どうやらGは伝説の方だったらしい〜  作者: SSS


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第45話 成長の証


「フラン。下がっていてくれ」

「だ、大丈夫?」

「心配はいらない。何とかするさ」


その瞬間、蒼白く輝く鋭い斬撃がフランを襲った。


「きゃあっ!! ・・・って、あれ?」


やはりフランを狙ってきたか。


本気だな。


「さすがですね。予め防御魔法で彼女を覆っていましたか」

「こうなることは予め予想していた。身内という理由で手を緩めるような性格ではないことも分かっていたしな。戦場において摘める芽は先に摘んでおくのはセオリーだろ?」

「詠唱もマナの痕跡も一切残さない。やはりヴィンセント様はとんでもないお方だ」

「そうでもないさ」


ウェンディはゆっくりと長鎌を水平に構える。


「では、これならどうです?」


金の半透明に輝く長鎌が高濃度のマナに包まれていく。


帚月(しゅうげつ)


ウェンディが鎌を薙いだ瞬間、空気を裂く研ぎ澄まされた斬撃が物凄い速さで迫ってきた。


凄まじい威力だ。だが・・・


「素手で受け止めるおつもりか?! 笑止!!」


斬撃が手に触れた瞬間、斬撃はマナの粒子に変換され弾け飛んだ。


「あ! 虚構の狭間(ヴォイド・ベルト)で使ったヤツだ!」

「ご名答。さすがフェルノスカイ家の令嬢様だ」

「ふふ。言ったじゃない。やればできるって」


虚構の狭間(ヴォイド・ベルト)で確信した。


自分自身が覚醒し魔法を扱えるようになったおかげで、元々持っていたマナ感知能力を最大限引き出すことが可能になった。


あれから感覚が更に研ぎ澄まされているのを感じる。


あらゆる魔法のマナの流れや濃さ、威力や性質が手に取るように見える。


今の俺に魔法は通じない。


「そんな・・・ 魔法が消滅?」

「まあ当然の反応だよな。同じ立場なら俺も同じ顔をしていると思う」

「原理は解ります。しかし、そのような芸当ができる魔導士などこの世に存在するはずが・・・」

「残念ながらここに居るんだ。しかも魔導書(グリモワール)を持たないというおまけ付きだ」


ウェンディは長鎌を握り直し、不適な笑みを浮かべる。


「私は嬉しくて仕方がありません。こんなにも逞しく成長なされたあなた様をこの眼で見ることが出来たのですから」

「さすがは才色兼備のアークナイト様だ。なら、もう少し成長した姿を披露しようか」


目の前で構えるウェンディと同じ構えを取り、意識を手に集中させる。


次第に透明のマナが身体中を包み込んでいく。


「百戦錬磨のウェンディでも『自分』と闘ったことはないだろ?」

「ま、まさか・・・」


やがて白く透明に輝くマナで練り上げられた一本の長鎌が目の前に出現した。


そっと鎌を握った瞬間、景色が一変した。


どこまでも真っ白な世界。


すごいな。


一切の雑念がない。


極限まで研ぎ澄まされた精神の高原。


これがウェンディの。


「これって・・・」

「そんな・・・ そんなことが・・・」


唖然とする二人の前で輝く長鎌を振って見せる。


軽い。


何も持っていないようにすら感じる。


「あり得ない。己の意志で聖化など起こせるわけがない。何が起こっているのだ・・・」

「今の俺に魔導書(グリモワール)や魔法という概念は存在しない。あるのはただ、全てを構築するマナの完全支配。それだけさ」


ウェンディの表情が驚きから確信したものに変わる。


「あなた様は魔法が使えていなかったことで本来の力が抑制されていた。しかし、卓越したマナ感知とコントロール能力があなた様の体の中で魔法発動の回路を無数に作り出したことであらゆる魔法も垣根を越え、本当の意味で覚醒を果たした」

「その通りだ」

「完全なマナコントロールができれば魔導書(グリモワール)を必要としないだけでなく、魔法の威力、速度が格段に上がる。そしてそれは感覚的に感じるだけでは不可能。流れるマナを可視化して初めて実現する。そして、その力を完全に使いこなせれば相手のマナに合わせることも容易」

「すごいな。そういうこと」



「あなた様には劣ってしまいますが私にもマナ感知は得意ですからね。ですが、だからこそ実感せずにはいられない。あなた様の、言葉ではとても表現できないことを実行されているこの世界で唯一無二の魔導士であるという凄さと、その類稀な才能を」


ウェンディは長鎌を両手で持ち腰を深く落とした。


黄金に輝く長鎌がマナに溶けるようにその姿を霧状へと変化していく。


「あなた様はマナに愛されています。ですが、私とて『円卓の騎士(ラウンド・テーブル)』のリーダーとして引くわけには参りません。あなた様が『私』として立ち塞がるというのなら、私は『私』を越えるまで」


なんて強い精神力。


天晴れだウェンディ。


君のような魔導士がサラマンドの家臣であることを誇りに思う。


「『煌月(こうげつ)』!!」


長鎌から放たれた黄金に輝くマナの衝撃波が津波のように押し寄せる。


全てを飲み込む凄まじき高濃度の魔法。


この技一つで千の軍を壊滅に追いやることができるだろう。


それほどの破壊力を秘めた一撃。


「あなたにこれを捌けますか!!」


まともに食らえば無事では済まないな。


長鎌を目の前にそっと放り宙に浮かせる。


そして、白く透明に輝く鎌を水平に広げた両手に収めるように降ろし、手を合わせる。


長鎌はみるみる短くなり、やがて手のひら大の大きさのマナの球に変化した。


手をかざし白く輝く球体を迫り来る黄金の波の中へ撃ち込む。


「『新月(しんげつ)』」


かざした手のひらを強く閉じた瞬間、見えなくなるほど小さく飲み込まれた白い球体は黄金の波の中で一気に弾け、内側から木っ端微塵に粉砕した。


砕け散った波は、数えきれない細かな斬撃となってウェンディに襲いかかる。


「きゃあーーっ!!」


白き爆発と共に無数の斬撃に飲まれたウェンディは大きく吹き飛ばされ大地を転がる。


煙が上がり激しく傷ついた大地に、長鎌が消え元の姿に戻ったウェンディが横たわっていた。


「勝負あり、だな」


一気に緊張が解け安堵の息を漏らした。

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