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最強の最底辺魔導士〜どうやらGは伝説の方だったらしい〜  作者: SSS


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第41話 一件落着


鬼気迫る勢いでベヒーモスの元へ駆けていくハンナ。


「このバカ龍! 今すぐ吐けぇ!!」

『ほれはむいらそうらんら』


殺気だったハンナの手を難なくすり抜けるベヒーモス。


一瞬困惑してしまったが、とち狂ったベヒーモスの行動も不思議とそこまで危機感は抱かなかった。


一度エイビーズを呼びだし意思疎通できたからだろうか。


「もういい分かった。私の命と引き換えにしてでも・・・」


ハンナの身体の内側中心にマナが集まりその濃度を増していく。


「落ち着くんだハンナ!」

「離してください! このままじゃヘンリーがっ!!」


背後から抱え込み、必死に手を伸ばすハンナを宥める。


「見た目によらず短気じゃのぅ。まあよい。穢化(えか)の元は大体食えたのではないか?」


ダニエラに促され、ベヒーモスは勢いよくヘンリーを吐き出した。


『やれやれ。時間が短かったから腐った部分しか食えなかったぞ。もう少しサービスしてやろうと思ったのだが』

「サービス?」


投げ出され虹色の水たまりに横たわっていたヘンリーはゆっくりと起き上がった。


明らかに血色がいい。


先ほどまでとは別人だ。


「ヘンリー!!」


ハンナはいち早くヘンリーに駆け寄り抱きしめた。


「あ、姉上?」

「うわぁ〜ん!! 良かったよぅ!! ヘンリー!!」


なりふり構わず泣き喚く姉にヘンリーは困ったように微笑んでいる。


間に合って良かった。


「良かった。穢化(えか)は治ったみたいだな」

「あ、あの。何があったのですか? 『大聖典』の警備の任務についたところまでは覚えているんですけど記憶が曖昧で。 それにここは・・・」

「君は星護教団によってオンディーヌの『大聖典』の中に捉えられていた。その影響で君の身体は穢化(えか)しかかっていたんだ。それを治すためにノームズへやってきた」

「そ、そうだったのですか。僕なんかのためにそんな労力を。 感謝してもしきれません」

「礼には及ばないさ。俺たちはハンナの友達として当然のことをしたまでだ」


フランやローズも大きく頷いている。


「命に別状なくて良かったです。ヘンリーさん」

「ビアンカ様までお力添えを?! も、申し訳ありません。僕が油断したばかりにこんな事になってしまって・・・」

「あなたのせいではありませんよ。どれだけ用心していてもイレギュラーは起こります。それが戦場というもの。肝要なのは想定外の事象が起きた時どうするか、です」

「ビアンカ様・・・」


とにかく本当に無事で良かった。


ダニエラ様とチビ龍に感謝だな。


「・・・って。そろそろ離してあげたらどうだ、ハンナ?」

「だっでぇ〜。ほんどうにゔれじぐでぇ〜〜」


ガラガラ声で何を言っているのか分からない。


滝のような涙と鼻水でヘンリーの身体はすっかりびちゃびちゃだ。


起きがけにこれはさすがに気の毒だ。


「わはは! これにて一件落着じゃな!」

「あ、あなたはもしかして・・・」

「うむ。ダニエラじゃ」

「やはり!! 伝説の五大賢者様の中でも『放界の導き手(コネクタ)』ことダニエラ様は僕の憧れだったんです! お会いできるなんて何たる幸運!!」

「ムフフ。そうじゃろうそうじゃろう♪」


ヘンリー。騙されてはいけない。


この人のダメ人間っぷりも大概なんだ。


「あれ・・・? どうして二千年前のダニエラ様が生きていらっしゃるのですか?」

「そこはあれじゃ。大賢者の偉大なる力のおかげじゃな」

「ですよね!! 五大賢者様に出来ないことなんてないですよね!!」


どうしてそうなる?!


憧れというのは人の目を盲目にさせてしまう。


ヘンリーには俺のような思いはして欲しくないんだ。


「どしたの? 顔が真っ青だよ?」

「べ、別に」


目覚めたばかりのヘンリーの夢を壊してまた倒れられても困る。


今は黙っておこう・・・


『ゲップ・・・ それにしても『大聖典』のマナは格別だな。自然に発生した穢化(えか)マナよりも重たいわ』

「わはは! 寝起きでいきなり肉にかぶりつくようなものじゃからなぁ」

『これ以上マナを吸収してしまえば本体が目覚めてしまう』

「それはいかんよ。まだその段階ではない。それが分かっておったから、此奴を途中で吐き出したのじゃろ」

『フン。思いの外不味かっただけだ』

「その割にはしっかり味わっておったぞ」


本体? 何の話をしているんだ。


それにチビ龍の発した息。


どこかで見たマナのような・・・


「何じゃお主。此奴の吐く息をまじまじ見つめて。そんなにいい匂いか?」

「俺はそんな変態じゃありませんっ!!」


フランたちの冷ややかな視線。


「ヴィンセントって結構な変態よね?」

「そうですわねぇ。ま、わたくしとしてはどんなプレイも大歓迎ですけれど♪」

「私もですぅ!」


シルヴァーナは激しく首を縦に振っている。


俺、そんなに変なの?


俺からしたら皆の方が余程変態に見えるのだが。


「プ、プレイって・・・ このバトルビッチ!!」

「痛ってぇ?!」


なんで毎回俺?!


「だ、大丈夫ですか?」

「全然・・・」


頬をさする俺を気遣うビアンカもチビ龍の吐いた息を注視する。


「う〜ん。このマナどこかで見たような気がするんですよね」


髪を耳にかける仕草が何とも・・・


って、いかんいかん。


また引っ叩かれるのは勘弁だ。


「やっぱりビアンカも気になるか?」

「はい。何故かは分からないのですが」

「この息さ、虚構の狭間(ヴォイド・ベルト)の障壁に似てるよな」


ビアンカはハッとしたように大きな瞳を見開いた。


「それです!!」


ベヒーモスと戦っている時には気にもならなかったが、よくよく見てみれば息だけでなくコイツの持つマナはどこか虚構の狭間(ヴォイド・ベルト)のそれを感じさせる。


どういうことだ?


「あぁ。お主らは『原初の海』を超えてここまで来たんじゃったな。忘れておったわ」

「本当ですよ全く。あなたが想像する以上に大変だったんですよ? 虚構の狭間(ヴォイド・ベルト)の障壁を一枚一枚相殺させて来たんですから。もう一度やれと言われたら絶対嫌です」


ダニエラは急に腹を抱えて笑い出した。


「あっはっは! そりゃ申し訳ないことをしたのぅ! のう、ベヒーモスよ!」

「笑い事じゃないですよ!! 本当に大変だったんですよ?!」

「すまんすまん! あっはっはっ!」


まったく。俺たちの苦労も知らずに・・・


「ふぅ〜。お主らが呼ぶその虚構の狭間とやらの正体が何か知っておるか?」

「知ってるも何も外界とノームズを隔てるマナの障壁じゃないですか」

「え〜とじゃな。その障壁は此奴のゲップじゃ」

「え?」

「障壁は此奴のゲップじゃ」


ダニエラの指差す先。


そこにはゴロゴロと喉を鳴らし気持ちよさそうにフランの腕に抱かれるチビ龍の姿があった。

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