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最強の最底辺魔導士〜どうやらGは伝説の方だったらしい〜  作者: SSS


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第16話 共通点


城下町に出ると、人々は我先にと城へと流れ込んでいた。


俺たちは町人と逆方向へと駆け急いで町の外へ出た。


「すごい数だな」


兵士の報告が大袈裟なものだと少し期待していたが、どうやら考えが甘かったらしい。


地平線を埋め尽くすほどの魔物の数がこちらに向かい歩を進めている。


「魔物があんなに?! 気持ち悪っ」

「こうしていても何も解決しませんわ。とにかく迎え撃たないと」


フランとローズは魔導書(グリモワール)を顕現させ戦闘体制に入る。


「ひえぇっ?! な、何ですかあのでかい魔物はぁ?!」


群れの後ろに一体だけ恐ろしく大きな蜘蛛のような魔物の姿が見えた。


あれが群れのボスか。


ウェンディが静かに俺たちの前に躍り出た。


「ふむ。想定よりも数が少ないな」


これ以上を想像していたっていうのか。


さすがレギオン『円卓の騎士(ラウンド・テーブル)』のリーダー。


頼もしい。


「ここは私にお任せを」


ウェンディが手をかざすと、金色に透き通る魔導書(グリモワール)が姿を現した。


水のように澄んだ美しさに釘付けになる。


彼女の漆黒の長髪が徐々に紫を帯びた銀髪へ変わっていく。


同時に、魔導書(グリモワール)はとてつもなく長く大きい金色の鎌へ変形していき静かにその手に握られた。


「これが『聖化(しょうか)』・・・」

「す、すごい」


俺もフランも、彼女のその圧倒的ともいえる存在感に心を奪われた。


「ああ・・・ なんて神々しいお姿」


ローズはうっとりした様子でウェンディに羨望の眼差しを向けている。


「生き残った奴と遊んでやろう」


ウェンディは金色に輝く長鎌をゆっくりと水平に構える。


「『帚月(しゅうげつ)』」


彼女のつぶやきと共に振り抜かれ金鎌から発生した薄い一筋の線が、強く激しい金色の閃光となって魔物に向かい一気に加速する。


金色の一閃が群れを通り抜けた瞬間、爆発にも似た強烈な斬撃音が俺たちの耳打った。


同時に半身が粉々に消し飛ぶ魔物たちの姿が飛び込み、温かい風が頬を震わせる。


「うそ・・・ あの数の魔物を一瞬で」


口を開け呆けたままフランと顔を見合わせた。


「生き残りは居ない、か。残念だ」


破壊の化身とでも言うべき絶大な力。


間違いなく魔導士の中でもトップを争う実力者だ。


ドクン・・・


心臓が一際強く鼓動を打った。


心の奥底から何かが湧き上がる。


ウェンディの魔法を目の当たりにして、まるで泉のように頭の中にイメージが流れ込んでくる。


まただ。


何故だろう。


とても高揚感がある。


やがて金色の長鎌は姿を消し、ウェンディの月光のように輝く銀髪は漆黒の艶やかな髪に戻っていった。


「・・・・・・」


彼女は念じるように瞑っていた瞳をゆっくりと開いた。


「念のため『大聖域(セラフィックフォース)』まで探知してみましたがひとまず魔物の気配はありませんね」


大聖域(セラフィックフォース)』までって。


ゲイル山脈の向こうだぞ。


「魔法も使わずに気配を感知できるなんてヴィンセントみたい」

「『聖化(しょうか)』した魔導士と比べるなって。地力が違いすぎる」


実際に魔法を見て理解した。


ウェンディにはその辺の魔導士が束になっても敵わないだろう。


たとえ『聖化(しょうか)』していなくとも。


それくらいずば抜けた個人としての能力値の高さ。


あまりに圧倒的だ。


「驚きました。ヴィンセント様も気配感知ができるのですか?」

「ふふっ! それだけじゃないんだよ! ヴィンセントは魔導書(グリモワール)も使わずに魔法が使える凄いヤツなんだから!」

(タイプ)にも縛られないのですぅ!」


フランとハンナは興奮気味にウェンディに顔を近づける。


魔導書(グリモワール)を使わずに、ですか? それも型の枠を越えて・・・」

「頭に浮かんだイメージをそのまま具現化しているだけなんだけどな」


ウェンディはしばらく何かを考えているようだった。


「もしかしたら、あなた様は彼の大賢者ガブリエル様に選ばれた存在かもしれませんね」


ウェンディの発言にフランの瞳がキラリと輝く。


「ほーら言った通りじゃない! やっぱり私の目に狂いはなかったのよ♪」


だからどうしてお前が得意気なんだ。


「文献によれば賢者ガブリエルは四つの型を自由に渡ることのできる唯一の魔導士だったようです。そして彼が魔導書(グリモワール)を使用したという記述も見つかっておりません」

「ん? でも魔王ゼフィールを封印する時には魔導書(グリモワール)を使ったんじゃ」

「それはあくまで仲間の魔導書(グリモワール)を使い封印したのであって、賢者ガブリエル自身の持つ魔導書(グリモワール)を使用したという記録は残っていないのです」


ウェンディの視線が左頬に向けられる。


「そして、賢者ガブリエルの左頬にも痣があったといいます」


ウェンディにならい皆の期待の視線が頬に集中する。


確かに彼女の話から共通点が多い気もする。


作り話にしては出来過ぎだ。


まさか、本当に・・・?


「とはいえ、あくまで二千年前の伝承であってその真偽を確かめる術は我々にはありません。ヴィンセント様はヴィンセント様です。あまり気にされなくても良いかと思います」


そこまで言われると逆に気になるんだよなぁ。


何よりこの件に関して逃げてはいけない気がする。


知らなければならない。


そう思わされる。


「さあ。ひとまず脅威は取り除けました。無事に魔物を殲滅できたことをノーランド王へ報告しに参りましょう」


シルフィード城へ戻る間、俺はモヤモヤした気持ちを抱いたまま、胸の奥で生まれた炎のように揺らぐ感覚にしばらく身を預けていた。

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