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最強の最底辺魔導士〜どうやらGは伝説の方だったらしい〜  作者: SSS


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18/59

番外③〜任務〜

※別視点となりますのでご注意ください。


とある孤島ーーー。


肩につかないくらいのふんわりと纏まる藤紫色の髪が軽快な足音に合わせて上下に揺れる。


早足で歩く黒いローブを羽織った女性の後ろには複数の小さな人影が見える。


子供達の頬には三本線の痣。


自我を喪失し虚な目をしたエレメントたち。


まるで迷子にならぬよう母親に寄り添う子供のように女性の後に続いている。


「戻ったぞ。ナバル」


ナバルは宙に浮く一冊の魔導書を眺めていた。


傍には虚な瞳をしたシオンの姿もある。


一般的なものとは明らかに異なるマナ、外装、そして輝きを持つ魔導書『大聖典』。


ナバルは『大聖典』を見つめたまま口を開いた。


「遂行したのだろうな?」

「ふん。この程度、任務とすら呼べないよ」

「フ。それもそうか。お前にとっては造作もないことだな。ネフィリム」


ネフィリムの眉が僅かに上がる。


「その名で呼ぶなと言ったはずだが?」

「良い名だと思うがな」

「お前の感想はどうでもいい。二度とその不快な単語を口にするな」

「覚えておく努力はしよう」


ナバルは顎で『大聖典』を指す。


「ここへ置け」


ネフィリムは不満気に鼻を鳴らし手をかざした。


すると、手の先に神聖な輝きが集約されていき次第にその強さを増していく。


しばらくすると、彼女の手に目の前に浮く『大聖典』と同じような外装の魔導書が顕現した。


まるで引き合うかのように顕現した『大聖典』は安置されたそれの横へ配置された。


「本当にこの魔導書の中に封印されているのか疑わしいね」

「心配するな。その証拠にどれだけ手を尽くしても捲れないだろう?」

「それもそうか」

「本来、魔導書は使用する本人が死滅すれば共に消滅する。だがこれらは訳が違う」

「五大賢者、だろ?」


ナバルはネフィリムの目を見つめる。


「あのお方が仰ったのだ。万に一つも間違いはあり得ない」

「分かっているさ。ただ、私は実際に起こるまでは信じられない主義なだけだ」


突然、ネフィリムの後ろで一人のエレメントが倒れた。


ネフィリムは倒れたエレメントを片手で掴み上げその顔を見る。


「ちっ」


虚だった瞳は完全に暗がりを見せ、もはや生気は感じられない。


「こいつはシルフィードで引き入れた新品のはずなんだがな」


その体から僅かにマナが漏れ出ている。


「とんだ不良品だ。元々マナ含有量が少なかったのか、それとも内部的にガタがきていたのか」


ネフィリムは持ち上げたエレメントを『大聖典』に向かって放り投げた。


すると、エレメントを構成していたマナが弾け、虹色の小さな光の玉となって周囲を照らした。


「ふん。不良品のくせにマナの質だけは一級品とは皮肉なものだね」


辺りを優しく照らしたマナの光は、やがてゆっくりと『大聖典』へと吸収されていった。


「役目を終えたエレメントに労いの言葉をかけてやれ。彼らがいなければ我らの悲願は叶わない。そういう意味では彼らの存在こそが俺たちにとって救世主なのだからな」

「はははっ! 熱心に布教活動し過ぎだよあんた。それ、本気で言っているとしたら喜劇としては良作だ」

「それはありがたい」

「ふん。相変わらず本心が読めない奴だね。ま、あんたの考えてる事なんてサッパリだし、別に気にもならない」


おどけた表情から一変、ネフィリムは真剣な表情でナバルに顔を近づける。


「どちらにせよ、あんたが一番のクズだってことに変わりはない」

「酷い言われようだ」


ネフィリムはニコッと笑いナバルから退き背を向ける。


「ま、そこがいいんだけどね。さて、すぐに次に行かなきゃいけないからこの辺で失礼するよ」

「うまく餌は撒けたか?」

「さあね。動くしかない状況にはしてやったけど、ちゃんと仕事をするかどうかはあいつ次第だ」

「フッ。お手並み拝見といこう」

「あんたは高みの見物を決めようってかい。良いご身分だ。人使いが荒いったらないね」


ナバルの笑い声が木霊する。


「任務遂行のためだ。我慢してくれ」

「アズールにもよろしく伝えといてよ」

「レイヴンはいいのか?」

「あいつはサボっているだけだろ。手抜きするヤツに言うことなんてないね」

「そう言うな。適材適所というやつだ」


ネフィリムは鼻を鳴らすと、エレメントを連れ背中を向けたまま手をひらひら振りながら消えていった。


ナバルは気配が消えた後もしばらく見送ったままだった。


「ふむ。彼女は仕事は早いが少々雑なところは玉に瑕だな。まあ遅かれ早かれ気付かれることではあるが、できればもう少しスマートに遂行して欲しいものだ。元Cランク魔導士ゆえの詰めの甘さか」


「とはいえそれを差し引いても彼女は優秀だ。思いの外、再会の日は早いかもしれんな」


ナバルは柔らかい輝きを放ち浮遊する『大聖典』を眺めながら、不気味な笑みを浮かべていた。

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