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砂ノ花  作者: 葉桜 ゆず
想起
3/3

始まり

「向日葵!早く早く!!」


鈴蘭が今までに見たことがないくらいはしゃいでいた。いつも落ち着いている鈴蘭が待ちきれないというように僕を急かしてくる。

それもそのはず、今日は特性判明の儀式があるのだから。


僕たちは今日儀式のために僕たちが住む村が属する領の教会まで来ている。領に住んでいる10歳の子は皆ここに集まるのだ。

ーーこんなことを考えている僕だって浮き立っている。だって特性を上手く操れる人は国の中心部で働いているし、村で大人が特性を使っているところをみたときはかっこよくて早く使えるようになりたいって思ったから。


特性判明は調査系の特性を持つ人が国から派遣され行われる。その人達は扱いが難しい特性を持っていて、国の中心の方で働いているらしい。僕も国の中心で働けたら……なんて考えてしまう。特性を使って活躍する人をみると憧れがどんどん大きくなっていく。

そんなことを考えていたら儀式の場についていた。


その会場には黒のローブを身にまとった人がいた。

「向日葵、あの人が見届人かな?」

見届人、それが僕たちの特性を調べ見せる人。僕たちは見届人に自分の特性を調べてもらい自分の特性を知ることができる。だが儀式で判明する特性は自分にしかわからず、見届人でさえ人の特性を知ることはできないのだという。


「皆さん、準備はよろしいですか?これより特性判明の儀式を行います。…その前に改めて特性についてお話しましょう。」

見届人が儀式前の説明を始めた。その独特な雰囲気に会場は静まり返っていた。


「……この世界では、皆10歳になると自分の持っている特性を調べる儀式を受けます。それが今日の儀式です。特性とは一人一つ持つ力のことで、魔法系の特性ならば炎や水を自在にだして操ることができます。他にも、戦闘系、精神干渉系など様々な種類があり戦の最前線でその力を振るうこともあれば、人々の生活を守るために使うこともあるのです。

特性が判明したら特性技能学校に通うこととなります。あなた達の出身領の学校の場合もあれば、特性の種類によっては王都の方の学校に来ていただくことになります。学校では特性を上手く使えるように知識や技能を磨いてもらいます。…詳しい説明は入ってからですかね。

私達はあなた達の特性を知ることができません。そのため、自己申告になることが多く、隠したいと思う人もいるでしょう。しかし、皆さんが穏やかに過ごすために特性を思い通りに動かせるようになるのは大切なこと、そこを十分に考えてください。私達は全力で支えますよ……

それに、特性はわからないことがいまだ多く、特性についての研究も行われ続けています。皆さんと共に働けることを……願っていますよ………」


「向日葵、向日葵はやっぱり王都の方で働きたいの?」

「そうかな…でも、この村でいきていくのも楽しいし、冒険者なんかも面白そうだしなぁ……」

鈴蘭がどうしたいのかわからず、とりあえず選択肢をたくさんだしてしまった。王都で働きたいけれど……やっぱり鈴蘭が近くにいないと嫌だな………学校も、一緒に通いたいな………


「では、儀式を始めましょう。」

空気が変わった。

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