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23.元人形は8歳になった




「―…であるので、そこから」



最近は、城へほぼ毎日のように連行され、夜は特訓で連行されて。私に仕えてくれている皆と過ごす時間が削がれてしまっていた。城から屋敷に帰ってきても夕食を食べればすぐに極悪侍女ルリは就寝の準備に入る。


就寝時間になれば、師匠のお迎えがあり夜の森へと連行されてしまう。正直ウバガヨイの森の生態系に狩りすぎて悪影響を及ぼしていないか心配になってきている。師匠曰く、大丈夫らしい。



「おじょう~さま~?聞いてますか!」



楽観侍女ガーベラの授業を受けている最中に少し考えすぎてしまった。少し心配そうに見てくる。



「ごめんなさい!ちゃんと聞いてますっ」


ついこの間、カルミアに騎士団魔法士団極秘視察がバレてしまい、いつもの倍で嫌味を言われてしまった。



『…由緒正しき令嬢は争いを好まず、慎ましく優雅な立ち振る舞いだと僕は認識していた。前に分相応の振る舞いを疎かにしている、と言われたことがあるけど…一体、どこの厭わしいご令嬢だったかな』


ニッコリと満面の笑みで言われたその後ろから放たれる重圧で圧迫死するのではないかと思った。だんだん、カルミアとの口喧嘩は勝てなくなってきている。



「お嬢様はすごいですね!!カルミア王子との仲も良好ですし!」


何を思ったのか、ガーベラは突然私を誉めてきた。カルミアとの仲は不仲ではない、と認識している。ただ、どちらかといえば仲が良いのはイキシアの方だった、王城では2人でおやつ食べたり本を一緒に読むこともある。私が王城に到着したときは毎回出迎えてくれて一緒に行動することが多い。

しかも最近はカルミアと私の嫌味合戦を窘めるだけじゃなく、お説教を受けてしまうようになった。


…なので、嫌味合戦は自粛中である。



「仲は…悪くないけど良好でもないわ」

「何を仰ってるんですか!お嬢様の誕生日に屋敷に来てくれたじゃないですか!!」







♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢




「…やぁ」

「カルミア様…?なぜこちらに」



当然ように屋敷内に大量に綺麗に包装されている荷物を護衛であろう方たちに運ばせている。団服を見る限りきっと視察に行ったときに既に私を認知してくれている方たちなのだろう、チラチラと視線を感じる。


「…これを届けに来た」


護衛騎士5名でも今だに運び終えられていないことを見ると一体どれだけの大量の荷物があるのか、何より気になったのはどう運んできたのかが気になった。外を見ると馬車しかないし…まさか馬車の中にぎゅうぎゅうに押し込んできた?



「あ、ありがとうございます」


大慌てでコルチカ、タツナミも荷物運びを手伝っていた。


「…はい」


手慣れない手つきで、カルミアは私にキレイに包装された小さな包みを差し出してくれた。


「…おめでとう」


小さい声だったけどはっきりと私の耳には聞こえた。



「ありがとうございます、カルミア様」


素直に受け取る、誕生日のお祝いに贈り物はとても嬉しくて、胸がとても温かくなった。その嬉しさが純粋に顔に出てしまうと、カルミアは私から顔を逸らしてしまった。



後々わかったことなのだけども。


あの大量の荷物はタイサン様とヴィオラ様からだったらしい、あれもこれもで手配した結果、途轍もない量になってしまったそうで…。開封するのに屋敷の者全員で作業しても2時間掛かってしまった。

イキシアからも本を贈り物をしてくれた、魔法学の本でとても興味深い内容で時間があるときに少しずつ読み進めていこうと思う。そして意外なことに師匠からもあったのだ、真っ黒い無地のスカーフを。


何故、黒いスカーフ?と疑問が浮かんだが、それ以前に贈り物を用意してくれたことがとても嬉しかった。そしてカルミアからは…青色の花の髪飾りだった。


フランネ、ガーベラは是非次の王子誕生会に着けていきましょう!!と意気込んでいた、髪飾りは苦手だけどもこの髪飾りはつけたい、と思えたから素直に従った。

ただ、タツナミがその髪飾りを見て、すごくにこやかな顔になったのが不思議だった。



「シレネ様は、カルミア様に大事にされている様で安心です」


???

意味が全くわからなくてタツナミに聞いてみたが、「それはわたくしからは教えられません」と返されてしまった。



「お嬢さまあぁあ!!」


コルチカに突然呼ばれて、私はコルチカの元へ向かった。





♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢




「何を仰ってるんですか!お嬢様の誕生日に屋敷に来てくれたじゃないですか!!」


ふと、タツナミが最後に言っていた言葉を思い出した。結局何も教えてくれなかったけども…。



「ねぇ、ガーベラ、あの髪飾りの意味わかる?」

「カルミア様からのですよね?そうですね…わたしにわかるのはとても高級品、てことだけですね!」



ガーベラに聞いたのが間違いだった。無駄に知識豊富なガーベラに聞けばわかるかもしれないと思ったが…



「あ!あとわかるのはあの花がアネモネだということですかね!!」


アネモネ?聞いたことがない花の名前だった。

以前にカルミアと王城内の庭園を歩いたがあの時の花がそうなのだろうか…



「茎に毒性を持つ花ですよ!触ると皮膚の炎症を引き起こしますね!」



…一体、どういうつもりだ。カルミア。

最近自粛していた嫌味合戦は今度は物でやろうということなのだろうか。





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