ルールとマナー
誰だって、マイルールを持っていると思う。
コレをするのが好きだとか、
アレをするのが嫌いだとか、
コレをするときには、コレをするとか、
アレをするときには、アレはしないとか。
でも、マイルールはマイルールであって、
あくまでも自分ひとりにしか通じない。
誰にだって通じるのは、マナーだと思う。
誰かに対しては、コレをすべきとか、
誰かに対しては、アレはすべきでないとか、
コレをするときは、こうすべきとか、
アレをするときは、ああすべきでないとか。
マイルールとマナーが相容れないときもある。
ここではコレをすべきだが、こうしたくないとか、
あそこでアレはすべきでないが、ああしたいとか。
自我が存在しなければ、マイルールは生まれない。
他者が存在しなければ、マナーも生まれない。
何気ない言葉に支えられ、
何気ない行動で励まし、
ささいな言葉に傷つき、
ささいな行動で傷つける。
ヒトという生き物は、
なんと複雑で奇妙なのだろう。
もしも生まれ変われるのなら、
ルールにもマナーにも縛られない存在になりたい。
学園という小さな箱庭の中で、
私は誰もいない屋上で、天を仰いだ。
春の空は、虚しいくらいに青く澄んでいた。