第三節.愚者ハ異世界デ魔物ヲ滅ス
『…全くもって私の設定した通りです。安心してもらって大丈夫ですよ』
…いったい美神さんは何をさせたかったんだろ?
そんなことより、最も知りたかったことを聞く。
「…ところでよ、美神さんは何て名前なんだ?
それと何をしてるんだ?」
はっと息を呑むような音が聞こえる。
天然な美神さんマジ可愛い。
『え、ああ、すいませんっ⁉︎初めてこういう事をやったのでパニクってしまって…』
俺は慌てて、落ち込み気味な美神さんを励ます。
例えば、俺がプロデュースしたアニメが上司の手柄になったこと。
あれは思い出すだけでムカつく。
そんなくだらない話をしながら、落ち着きを取り戻した美神さんが教えてくれた。でも若干声が涙ぐんでる。
『私の名前は…く、クラウディアと言います…一応神世界の管理人やってます…』
健気な美神さん改めクラウディアさんマジ可愛い。
だが、そんなことはおくびにも出さず、会話を継続する。
「それでよ、なんで全世界で一番偉いお方が俺なんかに目をかけてくださるわけ?」
他にも見所あるやつのほうが多いだろうに。
『そ、それは…その…』
口籠ってるクラウディアさんマジ可愛い。
というか俺、彼女の形容に“マジ可愛い”しか使ってない気がする。というか実際そうか。
『…な、内緒です‼︎』
ふーん。凄ーく気になるなー?まあいいけど。
「…まあいいけど、あの小鬼どうすんの?あれこっち警戒してるよ?」
今更それに気付くクラウディアさん。天然が確定したな。
『えっ!』
なお、かなり焦っている模様。
『なんかこう攻撃してください!だいたいなにしても一般人なら倒せます!』
おいおい、もう忘れたのか?
「俺、呪文特化の魔神みたいだから、その手の物理攻撃無理そう」
ガーン‼︎という効果音が聞こえた。
『こうなると仕方ないですね…私が全系統の呪文をお教えします』
さっきから【智慧之道】が反応してたのはそういうことか。
まあ、何はともあれ教えてもらえるなら教えて貰おうじゃないか。
最高神教授中…
とりあえず、属性相性は叩き込んだ。
火→木→水→火、闇→光→闇…みたいな感じだ。
で、コボルトは、木の雑魚だから…
『火属性第一階梯・《スモーキー》!』
枝が一本燃やせるか燃やせないかぐらいの火力みたいだしなんとかなるでしょ。
と高を括ったら。
それこそ火柱と称して差し支えない火力を叩き出した。
説明と違うんですけど⁉︎
やはり見かねたと思われたクラウディアさんから注意が入った。
『いくらなんでも小鬼相手に第一13階層の《煉獄火柱》なんてかまず必要ないでしょうに…』
え?ちょい待ち。
「今俺が打ったのは《煉獄火柱》ではない。《スモーキー》だ」
クゥーッ!いってみたかったんだよな、これ‼︎
ただ、クラウディアさんからリアクションがなかったのが残念だな…
『なんですか今の⁉︎魔神でもあんな火力出せませんよ⁉︎』
いいリアクションが得られたが、俺は喜びを顔に出さず返す。
「だから言ったろ?俺は呪文特化だからな」
それに魔法解析と神眼の効果で全ての呪文と名のつくもの覚えちゃったしな。
驚いているが、それをおくびにも出さずに続きを促す。
こういうときに圧倒的無表情って役に立つな。
「ほら、続きはないのか?」
慌てながら返すクラウディアさん。
『え、あ、ああ、そうですね。もう』
こちらになりまーす。
なお、神眼と
最高神教授中…は、
ご存知東方からとっとります。
わからない方は是非ご質問ください。
(露骨なコメ稼ぎ)