未来のために
アイシアは両親と涙の再会を果たす。
だが、状況は芳しくない。
「赤髪の一族から宣戦布告を受けた」
マルシアが軍議の場で言った。
「一週間後には侵略が始まる。そうでなくても領地には二千以上の赤髪の一族が駐屯していて民との一触即発の睨み合いが続いている」
「開戦も時間の問題ね」
マルシアの言葉にレティシアは嘆息する。
「それで作戦と言うのは何なんだ? 俺たちは勝てるのか?」
「勝てないよ。だから逃げる」
「何処に?」
「船で南の地へ」
これに答えたのはガルシア。
「俺が大陸西側の軍と一緒に勝ち取った土地がある。開拓も進んで小さいながらも街が出来た。そこで暮らしていく予定だ」
「でも白髪の一族全ての民を逃がすには船が足りない。大型船は赤髪の一族に捕られたから」
「じゃあどうする。陸路で逃げるのか?」
「いや、大陸西側が大型船を連れてきてくれるらしい。それに民を乗せてトンズラさ」
マルシアが微笑む。
「それじゃあ作戦を説明するよ」
第一、白髪の一族の民全てを街に集めて戦力を纏める。
第二、赤髪の一族が占拠している街の港を制圧して海への退路を確保する。
第三、大陸西側の船が到着するまで赤髪の一族主力と戦い時間稼ぎをする。
「船はいつ到着するんだ?」
「予定は一週間後。船が先か敵が先か」
「でも私たちが頑張れば良いんでしょ」
レティシアは自分の胸を叩き、笑う。
「戦おうよ。私たちの未来のために」




