村で
「ここに居たのか」
アイシアが誘拐されてから一週間後。
ダモンは白髪の一族の領地を探し回り、ある小さな村で彼女を発見した。
「見つかっちゃいましたね」
アイシアは苦笑する。
「無事で良かった。今からでも第二皇子のもとへ嫁ぐ気はあるか?」
「それは……」
ダモン本人からの一言にアイシアは衝撃を受け、辛そうに顔を逸らす。
「連れていかせないわ」
ダモンの背に剣を向ける気配。
「やっぱりお前が誘拐犯だったんだな、レティシア」
「久しぶりって言った方が良いのかしら、ダモン?」
レティシアは不敵に笑う。
「お前たちがアイシアを誘拐したせいで第二皇子は大騒ぎだ。俺も責任をとらされて一人で彼女を捜させられる始末」
「それは災難だったわね。それで私と戦うの?」
背後からの殺気。それをダモンは笑った。
「いや、俺はもう好きな奴を渡したりしない。一度は諦めたんだ。二度目はない」
ダモンの言葉にレティシアはフッと微笑んだ。
「あなたを好きになって良かったわ」
「何か言ったか?」
「言ってないわよ」
告白の言葉は彼には伝わらない。
いや、伝わってはいけないのだ。
大好きな彼は最愛の妹が好きなのだから。
「だけど不味いことになった。アイシアが発見出来なかった場合、第二皇子は軍を率いて白髪の一族を攻める」
「それなら何とかなるわよ、マルシアが策をたてているから」
ならば二人が幸せに笑う未来を作ってやることが自分の使命だとレティシアは決める
「帰りましょう、私たちの家に」




