告白
「あの話、本当なのか?」
「隠せませんね」
星空の下、三姉妹と願いを言い合った丘にダモンとアイシアは立っていた。
「本当に第二皇子殿下と結婚するのか」
「はい」
アイシアは星空の見上げる。
「それが最善なんです。私が結婚すれば白髪の一族は救われます」
「君の夢は? 海に出て先生になるんだろ?」
「私の夢なんて一族の、家族のためならちっぽけなものです」
「何時なんだ」
「一週間後です。赤髪の一族からお迎えが来ます」
「そうか」
星に照らされるアイシアの横顔からダモンは顔を逸らす。
「アイシア、四年前から君は星誕祭で俺の夢が叶うようにって願ってくれたな」
「はい。それがどうしたんですか?」
不思議そうに小首を傾げるアイシア。
ダモンは顔を上げる。
「大好きだ、アイシア。結婚してくれ」
「……ずるいですよ」
アイシアが笑う。瞳に涙を湛えて。
「私も大好きです、ダモンさん!」
「やっと言えたのね」
遠くから見ていたレティシアは微笑む。
「多分ね。幸せそうに抱き合ってるから、ダモンは告白に成功したらしい」
包帯を外したマルシアが丘の上の二人を優しげに見つめる。
「その目、便利ね。私には影にしか見えないのに」
「そうだね。今日だけは役得だ」
二人はクスリと笑う。
「本当に行くのかい?」
「ええ。さっき誓ったでしょ?」
「レティシアお姉ちゃんは思いを伝えなくて良いの?」
皮肉るようにアイシアの真似をするマルシア。姉妹だから不気味なほどに似ている。
「何のことよ? 私は頭が悪いから恋愛なんて分からないわ」
レティシアは踵返す。
「嘘つき」
マルシアはレティシアの背中を悲しげに見送った。




