〈白の三女④〉
「すみません、荷物を持ってもらって」
「良いんだよ、これぐらい」
ダモンとアイシアは二人で街に買い出しに来ていた。
「本当はレティシアお姉ちゃんに頼むはずだったんですが、遊びに行ってしまって」
「相変わらずだな、レティシアも」
嘆息するアイシアにダモンは苦笑する。
「あれ? お父さん?」
アイシアの言葉にダモンはガルシアを探し、見つけた。
「ガルシア様、お仕事ですか?」
「ん? おう! ダモンじゃないか。今日はどうした、大荷物で?」
「ダモンさんに買い出しの荷物持ちを頼んだの」
「そうか、そうか。悪いな二人とも。今忙しいから家の手伝いが出来なくて」
「大丈夫だよ、お父さん。私が居るし、ダモンさんも手伝ってくれてるから」
「そう言ってくれると助かる。そうだ! アイシア、学校に興味あるか?」
「学校?」
アイシアは小首を傾げる。
「ああ。子供を集めて勉強を教える場所らしい。今、この街にも造ってみないかって話をしていたところなんだ」
ガルシアが手で示すと、話し相手であった金髪の男がダモンたちに恭しくお辞儀する。
「凄いね、お父さん。子供みんなが勉強出来るなんて!」
アイシアは嬉しそうに笑う。
「決定だな! 同志よ、この先に美味しい料理屋があるからそこで話を詰めよう」
アイシアの笑顔を見てガルシアは即断即決。男と一緒に通りに消えた。
「良かったな。これで勉強が捗って夢が叶う」
「はい! 学校が出来たら毎日通ってみたいです」
ダモンとアイシアは互いに笑い合う。
「そういえばダモンさんの夢って何ですか?」
「俺の?」
そう言われてダモンは言葉に窮した。
彼の目標は立派な軍人になること。だが、それが将来の夢かと訊かれれば首を傾げざるを得ない。
軍人は彼の役目、仕事だ。憧れではない。
「特に、ないな」
自分が空虚だったことに気付き、ダモンの声は沈んでいた。
「そ、それでしたら一緒に夢を探しませんか?」
「一緒に?」
緊張した声音のアイシアにダモンは首を傾げる。
「はい。私はまだ子供ですが、大きくなったら海の外に出て、色んなことを学ぼうと思っています! ダモンさんもどうですか?」
「マルシアにも似たようなことを言われたな。でも確かに海の外は魅力的だな」
ダモンは笑った。
「そういう未来も良いかもな」




