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歴史還元の亡国騎士  作者: mask
白の伝説
42/68

〈白の次女②〉

「弱いね、ダモン」

「だから言っただろう」

 十戦したが一度もダモンはチェスで勝てなかった。

「俺には兵を指揮する才がないのかもな」

 苦笑するダモン。マルシアは小首を傾げる。

「何言っているんだい。チェスでは本当の指揮力は計れないよ」

「指揮の練習だって言ったのは君だ」

「あくまで練習。本当の戦場は広くて天から盤上のように見下ろせない。そして人間の兵士は駒じゃないし、戦場だって変わる。ダモンなら知っていることだろ?」

「じゃあ何でチェスをしたんだ?」

 マルシアは再び小首を傾げる。

「言ったじゃないか、私が暇だからだよ」

 悪びれずに言うマルシア。

「期待には応えられたか?」

 溜め息を吐くダモンにマルシアは頷く。

「うん、楽しかったよ」

 そこでマルシアは眉間を指で押さえる。

「どうした? 気分でも悪いのか?」

「すまない。限界が来たみたいだ」

 マルシアは布を取り出すと赤い瞳を覆うように頭で縛る。

「これで大丈夫だ」

「それで生活できるのか?」

「出来ない。私は神様じゃないからね。普段はお母さんかアイシアが世話をしてくれる」

「辛いか?」

 まるで盲目の憐れな少女にダモンには見えた。

「まあ、少し引け目や負い目は感じる。だからこそ私は学ばなければならないんだ。そしてそれを次の世代に繋いでいくのが私の義務だから」

「次って大袈裟だな。君はまだ十三才。自分のことを考える年だ」

 大きな夢過ぎるとダモンはマルシアを茶化す。

 だが、マルシアは怒りも恥ずかしげに笑いもしなかった。

 ただ無表情に淡々と彼女は言った。

「白髪の一族で『天性の才』を持つ者は短命なんだよ」

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