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歴史還元の亡国騎士  作者: mask
白の伝説
39/68

〈白の長女③〉

「レティシアが居ない?」

 いつも通りの朝食の時間。

「朝、起こしに行ったら何処にも姿がなくて!?」

 泣き崩れるレマ。彼女の身体を支えるのは夫のガルシア。

「大丈夫だ。あの子の性格だから早起きしすぎたから何処かに遊びに行ったんだろう。俺が捜してくるからもう泣くな」

 ガルシアはレマを慰めると、マルシアとアイシアに母と一緒に居るようにと頼んだ。

 ダモンとガルシアは街に出た。

「レティシアは何処に居ると思う?」

「昨日今日の話ですから。盗賊の居る砦だと思います」

「その可能性が高いか。よし、砦へ向かうとするか」

 二人は一度、武装を整えて街の北へと馬を走らせた。

 そこで目撃したのはーー

「あ! お父さんとダモンだ。おはよ~!」

 十数人の盗賊を縄で縛り上げているレティシアだった。

「この馬鹿娘が!」

「ぐへッ!?」

 ガルシアの拳骨がレティシアの脳天を貫く。

「朝っぱらから何、一人で危ないことしてる!? 母さんが泣いてるぞ!」

「だって~」

「だってじゃない! とっとと帰るぞ!!」

 ガルシアは涙目のレティシアに説教して彼女を馬に乗せる。

「悪い、ダモン。すぐに兵士を寄越すから盗賊どもを見張っててくれ」

「分かりました。お気をつけて」

 ダモンは馬が去っていくのを確認すると盗賊に向き直る。

「かなり手酷くやられたな」

 ダモンはレティシアにボコボコにされて顔が腫れ上がっている盗賊たちに苦笑するしかない。

「それで、これでお前たち全員か?」

「ああ、そうだよ」

 舌打ちしながら盗賊の一人が答えた。

「まだ眠っているときに襲い掛かってきやがって」

「しかもどんだけ強いんだよ、あのガキ」

「ほんとだぜ」

「全くだ」

 盗賊たちは溜め息を吐く。

「白髪の一族の土地で悪さをするからだ」

 ダモンが呆れたように言うと、キッと盗賊が彼を睨みあげる。

「赤髪の一族が土地を奪ったからだろ!」

「故郷を失った俺たちにどう生きろって言うんだ!」

「お前ら赤髪の一族なんか滅んじまえ!」

 盗賊たちの罵声にダモンは口を開けなかった。その拳が悔しげに握り締められても。

 

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