〈白の長女①〉
「ねえねえ、ダモンは強いの?」
独り身のダモンはガルシアの家に泊まっていた。
戦場から遠く離れて、ゆったりとした時間を過ごしている昼過ぎの頃、レティシアが訊いてきた。
「急だな。まあ君よりは強いだろう」
「え~本当? お父さんよりは~?」
「ガルシア様には勝てないよ」
ダモンは苦笑する。
「そんなの当たり前だよ!」
レティシアは微笑む。
「じゃあさじゃあさ、北の廃砦の悪い奴らを捕まえに行こうよ!」
「何だ? お化けでも出るのか?」
「それは知らないよ。でも周りの村から食べ物とか、お金を盗む悪い人たちが住んでるんだって!」
「盗賊か。確かにそれは対処しないとな」
「ダモンもそう思うよね!」
我が意得たり、とレティシアは頷く。
「だから行こうよ。悪者退治!」
レティシアは赤い瞳を輝かせる。
「何を言っているんだ。君はまだ子供だろ? 危ないことはするべきじゃない」
「どうして?」
「もし君が怪我をしたら家族や友達が悲しむだろ?」
「でも村の人たちはもっと悲しいよ?」
ダモンはレティシアの子供らしい純粋さに言葉を詰まらせる。
「危ないことは大人たちに任せろということだ」
「私はダメなの?」
「ダーメ」
「つまんないよ~」
溜め息吐くレティシアにダモンは苦笑するしかなかった。




