〈選択〉
ガイナス軍の突然の撤退に状況が見えないファラス軍は遅れて陣へと退いた。
今回の戦いは戦死者は少なかったが重傷者が五千人を超えた。そのなかに黒髪の青年騎士――アークもいた。
傷病者を集めた天幕の天井を見つめていた。痛みは熱に浮かされて鈍くなっていて身体がとてもだるい。周りでは彼と同じように傷が重い兵士たちが痛みを訴えたり、それすらできずに呻いたりしている。医者や彼らの助手が暴れる彼らを必死に押さえて治療している。重くて苦しい小さな世界だった。
「入るわよ」
彼がそう感じていたなか、緊張感のない少女の声が天幕内を揺らした。
少女は近くの医者と話すとアークを見つけて傍に腰を下ろした。
「敵に腹を貫かれたんですって?」
マリーは快活そうに笑う。笑う要素はなさそうだが……
「身体が……うごかねえ」
苦しみを伝えるアークにマリーは包帯が巻かれた彼の上半身をみて怪我の場所をつついた。
「くッ!? ――痛いだろ! なんでつついた!?」
「何よ死人みたいな顔をしてたくせに。だいぶ元気じゃない」
痛みに飛び起きたアークにクスクスとマリーは笑う。それを見てアークは脱力して再び床に横たわる。
「それで戦いは?」
「退いたわ。わたしたちが敵の陣を襲ったから大慌てよ」
「そうか。さすがだな」
「あなたとは駆けた戦場の数が違うのよ」
アークの言葉にマリーは胸を張って返す。彼女の言うとおり、三年前のファラスの継承権争いから戦っていた彼女とは違いガイナスとの戦いの半ばである一年ほど前が初陣のアークとは確かに実力や経験に差がある。だが彼も騎士になるまでなにもしなかったわけではない。毎日訓練に励んでいた。だが結果は現状だ。ユリマラには歯が立たなかった。
「二人......リーシアとルナは無事か?」
無理矢理身体を起こそうとするアークを押し止めてマリーは答える。
「安心しなさい。無理してでもここに来ようとしていたから別の天幕で休ませているわ。二人は少し打ち身だっただけ。あなたのほうが重症よ」
マリーは微笑む。それは愚図る子供をあやすように優しかった。
「マリー様、陛下が呼んでおります」
「分かったわ。すぐに行く。何かしらね。今回のことで褒められるのかしら」
部下の近衛兵に呼ばれたマリーはアークにそう言うと彼の黒髪を一撫ですると天幕を辞した。
「かっこいいな、アイツは」
アークは少しでも早く戦場へと戻るために寝ることにした。
ファラスの大天幕に騎士たちが集まる。マリーも中に入る。中では奥にメリル王と女宰相。上座から老年、中年、若年と二十人ほどが二列で両端に並んでいた。マリーは下座に空いていた床几に腰を下ろす。
座って正面を見ると紅長髪の少女騎士――リーシアが同じように彼女を見ていた。
「調子はどう?」
マリーが訊くとリーシアは苦笑する。
「まあ、深い傷はなかった。だけど」
リーシアは一度俯き、再び視線を戻す。
「アークは……どうだった?」
リーシアの絞り出すような声にマリーはいたずらっぽく笑うと悲しげに目を伏せて答えた。
「あいつは、アークはひどい傷よ。もう起きてこれないかもしれない」
そんな、とリーシアは打ちひしがれて強く両こぶしを握る。
「また、わたしが弱いせいで……彼をッ!」
リーシアは苦痛と後悔で涙を流す。
「えッ? まずった!?」
泣き出してしまったリーシアにマリーはなんとか嘘を謝罪して本当のことを伝える。
「ひ、ひどいではないか!?」
「ごめん、ごめん。許してってば」
涙を拭いながら怒り出すリーシアに手を合わせて何度も謝罪する。自分より長身で大人っぽいリーシアが子供みたいに怒るので少しカワイイと思ってしまったことはマリーだけの秘密だ。
「静粛に願います」
女宰相が告げると騒いでた騎士たちはすぐに静まる。
「集まってもらったのは他でもありません。皆さんに考えていただきたいのは今後についてです」
女宰相はマリーに視線を移す。
「マリー卿の働きにより敵は一時的にですが退きました」
「よい、働き、でした。感謝、します」
少女の王メリルの賛辞に他の騎士たちも彼女を労い感謝を述べる。
「はっ、ありがたき幸せ」
礼をしてそれらを受け止めると女宰相に言葉を返す。
「して、考えるべき今後とは?」
女宰相は一度目を伏せ答える。
「ガイナスより使者が来ています。入りなさい」
「失礼しますよ」
どよめきたつファラス騎士たちを無視して使者が天幕の幕を上げる。
「わたしはガイナス軍『帝室』直属騎士団、帝国騎士団、特殊戦士部隊、副長。という、まあ長ったらしいところに所属しています。ユリマラ・ターフェスです。以後お見知りおきを」
慇懃に口上を述べるとメリル王の前で止まり許可も得ずに胡坐をかく。そこで騎士たちの突き刺すような視線に気づきローブを脱ぎ捨てる。
「そんなに怖い顔をしないでください。ほら、武器なんて持っていません。それとも――」
ユリマラは艶めかしく体をよじらせる。
「全部脱ぎましょうか?」
ごほん、と男性騎士たちが一様に咳払いをする。それを半眼で睨む女性陣がとても怖い。すでにローブを脱いだ姿は男物の膝下ズボンに黒い布で胸を覆い隠しているだけで十分露出が多いのにこれ以上脱ぐなど冗談じゃない。
「戯れもそれまでに願いましょう」
女宰相に射竦められてユリマラは苦笑する。
「これは失礼しました」
ユリマラは笑みを消してメリル王を見据えた。
「ガイナス中部方面軍総大将に代わりお伝えします。ファラスに最後の降伏勧告を行います。夕刻までに――」
「「却下!!」」
末座からの言葉がユリマラの言葉を掻き消した。ユリマラは身体ごと振り返り声の主である二人を見据える。
「あらあら。ではあなたがたはどうすると? わたしたちガイナスに勝つつもりですか?」
嘲笑うようなユリマラに立ち上がったのはリーシアだ。
「そうだ。わたしたちは負けない。それだけの力がある!」
「精神論ですか? それとも――」
笑みを崩さないままリーシアを向く。
「何か秘策でもあるのですか?」
両の瞳は笑わずにリーシアの考えを探ろうとする。それに彼女は言葉に詰まってしまう。リオンのこと、時を逆上れることを教えるわけにはいかない。彼女は地雷を踏んだ。この時代に地雷はないけど!
「何を焦っているの?」
リーシアを問い詰めるユリマラに今度はマリーが問い詰める。
「何のことですか?」
「すごい火事だったわね。大層被害が出たんじゃないの?」
「ほう?」
ユリマラは笑みをマリーに移す。
「被害によってガイナスの継戦能力が下がった。だから慌てて従わせようとした。自分たちが飢える前に、と?」
「ええ、食料も弾薬もかなり燃やしたからね」
不敵な笑みを浮かべてそう返す。
「そうあなたが……」
速かった。
ユリマラは立ち上がり一瞬で肉薄してマリーの喉を狙った。
「動くな!」
重く言葉がユリマラに響く。
残り数センチのところでユリマラの黒き鉤爪が止まる。その彼女の背中には朱槍の穂先が突きつけられていた。
「使者としての役目を果たしてもらおうか、ユリマラ」
ゆっくりと両手を上げて再び胡坐をかいて座った。
「これは失礼を。人質を取ろうかと思ったのですが、失敗」
「よくもぬけぬけと!」
「落ち着いてリーシア。わたしは大丈夫よ」
リーシアを安心させて朱槍を下ろさせる。
「もう、皆さんイライラし過ぎですよ。ああ、牛の乳を飲むと治るらしいですよ。確か、かるしうむ――」
「使者殿」
女宰相が諌める。
「では本命を言います」
あっさりと先程までの話を切り捨てた。
「どうせ頑固なファラス人は従わないと思っていましたので事前に本命を練り直しておきました」
ユリマラは微笑んで右手の人差し指を伸ばした。
「これは交渉です。それなら納得しますよね?」
顔をうかがう女宰相にメリル王は頷く。
「申して、みよ」
「一つ、明日より三日の間、我ら中部方面軍はファラスと停戦する」
二本目の指を伸ばす。
「二つ、今回の戦場を中部方面軍、ファラス軍で等しく分け領分とし、領分内で散った勇士たちをこれも等しく葬る。このとき遺品は戦利品として獲得を許可する」
三本目の指を伸ばす。
「三つ、ファラス軍はミリタ大平原を放棄して王城まで退くこと、以上です」
ファラスの者たちは目を瞠り息をのんだ。口を開いたのは女宰相。
「最初の二つは解ります。わたしたちも望んでいたことです。ですが――」
目を細めてユリマラを睨みつける。
「三つめの王城への退却。実質のファラス軍の敗北ではないですか!」
ミリタ大平原を捨てれば王城ギルライオまで城や砦はなく一直線で侵攻される。そして大軍で包囲されてしまったら孤軍であるファラスにはガイナスに滅ぼされるほか道はない。
「ならば賢明な即決を」
そう言い残すとユリマラは大天幕を立ち去った。
天幕に残された騎士たちは唸るように考え始める。
「どうしますか?」
老年騎士が訊く。
「交戦継続か撤退か」
「決まっている。我らは戦うのだ!」
青年騎士が吼える。
「しかし三日間の猶予は大きいぞ」
これは中年騎士の言。
「リオンの力があれば、わたしたちは勝てます。」
リーシアがそう言うと、
「だからこそでしょ。三日の間に出来るだけ仲間を集めるのよ」
マリーが答える。
「な、なるほど」
リーシアが感嘆すると、他の騎士たちも同様の反応だ。
「何のためにリオンに力を借りるのよ」
呆れ返るマリーの隣に少女が立つ。
「呼びましたか?」
異彩色の髪と瞳を持つ少女――リオンは町娘の姿でそこにいた。
「これからについてね。あなたはどうしたの?」
マリーに問われたリオンは思い出したように手を叩く。
「そうでした。マリーさん、あの子が起きました」
「あの子って村人の子が目を覚ましたの!?」
マリーは喜びに立ち上がるとメリル王に向かって中座の非礼を謝罪して天幕を去る。
自らの天幕に戻ると、身体を起こした煉瓦色の髪の少女が毛布を小さな手で握り締めて怯えている。
マリーは彼女を落ち着かせるために優しげに話す。
「わたしはファラスの騎士、マリーよ。あなたは?」
「……リリル。マリーは騎士? 兵隊さんなの?」
少女の言葉にマリーはうッ、と言葉に詰まる。先程の白長髪の少女も自分を『兵隊』と呼んでいたことを思い出したのだ。
――子供にとって、わたしたちはただ戦争をする兵隊なのか。
彼女の祖母が現役として活躍していたときは騎士と言ったら民が敬い称え、憧れる存在だった。子供たちは『騎士さま、騎士さま』と言っていたものだ。民を守る名誉ある位だと彼女も思っていた。だが確かに騎士は民を守れていない。目の前にいる少女が証言者だ。
「ここはどこ?」
「ファラスの天幕よ。リリル、あなたは助かったの」
助かった? 幼い少女はマリーを見つめると顔を悲しげに歪めた。
「ママは? パパは? みんな死んじゃったの?」
幼い少女は毛布で顔を覆い泣き出す。
マリーは彼女を強く抱き締める。
「ごめんなさい。わたしは結局あなたを救えなかった。本当にごめんなさい」
「マリーさん」
革鎧を引っ張られる。
「その子を救いたいなら方法はありますよね?」
リオンは微笑んだ。
「行きましょう。過去に」
――ファラス軍 大天幕――
メリル王、女宰相、老年騎士、そしてリーシアがファラスの地図を囲っていた。
「今回の戦いで我々は三日間の猶予を使い、他の部隊の救出。可能ならば拠点の奪還をしたいと思います」
女宰相は確認をとるように一同を見回す。それに彼らは強くうなずく。
「どこに向かうのが得策でしょうか?」
リーシアが小さく挙手する。
「わたしがマリー殿と向かったイラ川の戦いに今一度向かいたい」
リーシアは地図を指し示す。
「この戦いに勝てばグタンス城を奪還、ガイナス軍をイラ川西方まで退かせることが出来ます」
「それは良い話です。ですが勝算はあるのですか?」
リーシアは黙考する。
「可能だと思います。わたしたちが救出した兵を約四千――彼らは一度経験したので大丈夫かと。それに動ける部隊を編成して合わせて七千で善戦できる……かもしれません」
最後は歯切れが悪くなる。再び地図を指し示す。
「この戦いでは伏兵が居たらしいのです。しかし検討がつかないのです」
悔しげに地図を見下ろす。
「ミリタ大平原には隠れられるような森林も広大な叢はありません。ですが確かに奇襲はあったのです」
「それを解決せねばならんか」
老年騎士の一人が唸る。
「失礼します」
大天幕にマリーとリオンが入ってきた。
「僭越ながら次の目的地を」
マリーは入ってきてすぐに地図を認めると、ある一点を指す。
「ここにしてはいただけませんか?」
一同は示された文字どおりの一点を見つめる。
「これは……なんだ?」
首をかしげるリーシアにマリーは答える。
「村よ。今はガイナスによって滅んだ場所」
地図をばしんと叩き身を乗り出す。
「救いたいんです、この村の人々を」
彼女の勢いに圧されそうになるが女宰相だけは冷静だった。
「我々の利益は?」
女宰相はマリーを見据える。今度はマリーが言葉に圧されそうになる。
「優先すべきものが他にあると思いますが? 猶予は三日間。村ひとつに時間を費やす余裕はファラスにはありません」
「わたしは騎士です! ファラスの民を救うことこそ、わたしの誇りなのです!」
感情で訴えるマリー。それを黙して見据える女宰相。お互いに意志は固い。
そこでリオンは援護する。
「利益がないわけではありません。この村を救い拠点とした後にクラム砦へ。そこから向かうのはどうでしょうか? クラム砦の周りには村が他にも点在しています。そこから補給してクラム砦で戦力を集めて、ムガノ城またはグタンス城に向かえば過去が変わります」
地図をなぞっていき戦略を説明していく。
「どういうことですか? 回り道などせずに過去に跳んだほうが早いのでは?」
女宰相の問いにリオンは答える。
「確かにそうですが何度同じ過去にいっても現場の人だけでは変えられないものがあります。それならば外部から意図的に支援すればいいのです。負けるはずの戦いでも本来なかった援軍があれば状況が大きく変わります」
どうでしょう、と問いかけてくるリオンに女宰相は逡巡していたが強くうなずく。
「良いでしょう。では明日にでも過去に向かう部隊を決めましょう」
マリーは例を述べるとリオンに感謝の意を示した。
「ありがとうリオン。あなたのおかげよ」
「いえいえ。過去を取り戻すのがわたしの役目なので。それは村の子供も例外ではありません」
二人が笑いあっているとメリル王が口を開く。
「村を、救うとき、の、周りの戦況は、分かり、ますか?」
そうなのだ。煉瓦色の髪の少女が言うには村が襲われたのは二週間以上も前らしい。そのときには現在ミリタ大平原にいるファラス軍主力は会戦に備えて王城ギルライオで準備していたのだ。この場ではクラム砦に居たマリーしか村の周辺を知らない。一週間前どこが自軍で敵軍なのかを把握できなければ作戦に必要以上の犠牲を払うことさえある。情報はそこまで大事なのだ。
「一週間前ならばクラム砦は健在よ。わたしが守っていたんだから間違いない」
自信満々に答えるが直ぐに肩を落とす。
「グタンス城は、ほとんど無傷で落ちました。王国騎士団に守備を任されていた、私を含む将兵は城を放棄して散々に逃げました」
苦しげに言葉を紡ぐマリーに女宰相から怒りの視線が向けられる。
「放棄したと!? 任されし城を独断で!」
「お待ちください!」
リーシアがマリーを庇うように前に出る。
「マリー殿たちが任を棄てたのは騎士団が彼女たちを捨て駒にしたからです。わたしは彼女と過去に跳びました。確かなことです」
前回跳んだ過去で騎士団は敗走した騎士たちをグタンス城に再配置して自分たちはミリタ大平原に陣を敷くために撤退すると言ったのだ。個のことでは騎士団員に殺されかけたが、これは言わないほうが良いだろう。
「それに過去は変わったのです。マリー殿たちは逃げたのではなく、この場に再び馳せ参じています。どうか御慈悲を」
膝をつき頭を垂れる。それに慌ててマリーも倣う。
二人の姿に口を開いたのはメリル王だった。
「もとより、卿らを咎める、意はない。だが、罪を感じるなら、ば……我にこれからも忠誠を誓って、ほしい」
二人は短く答えると心優しき少女の王に感銘した。
「では建前はこれまでで」
女宰相の表情がいつものものに戻っている。建前と言うのは命を無視した騎士を罰する必要があったのだろう。そうでなければメリル王の威厳を保てない。そして罪を許すおおらかさで、この場にいる騎士たちに威光も示すことができた。マリーは白装束の女宰相が策で演技したことに今ごろになって気づいた。
「グタンス城が無傷ということは落とすのは困難になるでしょう。それならばクラム砦からムガノ城に向かいましょう。この城について情報は?」
女宰相の問いに皆が顔を見合うが首を振った。
「ならば我が軍にムガノ城について知るものが居るか訊いて回りましょう」
そこで軍議は終わった。各々が自分の天幕に戻ろうとしたときマリーが言った。
「そういえば村の子が謎の部隊と出会ったと」
翌日、使者が参った。だがユリマラではなく知らない将だった。彼はファラスが条件を飲んだことを伝えると、すぐに自軍へと駆けていった。
数刻後には両軍で戦没者の埋葬が始まった。条件通り差別なく将兵を地に眠らせる。それが終わったのは夕刻過ぎであった。ミリタ大平原は盛られた土により広く低い台地が出来ていた。
その日は埋葬作業だけで一日を終えて、二日目の朝にファラス軍は陣払いを済ませて昼頃には王城へと向かった。
その動きに単眼鏡で眺めていたユリマラは疑問を口にした。
「何日も対陣していたのに、こんなあっさりと退くなんて何か策でもあるんでしょうか?」
「分からないがギルライオに籠城しても負けは変わらないというのに条件をファラスは飲んだ。諦めや自棄を起こしたのでなければ……時間稼ぎ、なのか?」
トオルの考えに単眼鏡から目をはずしたユリマラは今度は目を細めてファラス軍を見据える。
「援軍があるとでも言うのですか? ファラスに隣接する自治都市エマンガイアはすでにガイナスに降っています。それともガイナスの南のビンコリア帝国がファラスに協力するとでも? あそこは宗教上の理由から〈教会〉の教えを国教にしているガイナスと戦争中ですよ。余力などありません」
否定するユリマラにトオルは遠くを見つめていった。
「極東とかな」




