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策士、策におぼれる?(仮)

えと、色々と創りかけの小説です(>_<)

「生きがいを見つけよう」とは違う視点を試してみたかったので、ひとまず載せたというものです。

自分にはどちらの視点があっているのか。

――う~ん、どっちだろ?(~o~)

「これで決まりよっ!」

 綺麗とまでは言えない小さな部屋の中で、女の子は大きな声と指を、椅子に座っている男の子に突き付ける。

「えぇー……そんなので本当にうまくいくのかなぁ……? 何するか知らないけどさ」

 指を突き付けられた男の子は、不服そうに抗議の声を出した。その声は、もうすっかり少年だった頃の幼さを消している。

「あったりまえよっ! 何と言ってもボクが考えたんだからね。失敗なんてするはず無いじゃない」

「……いつも失敗ばかりのくせに」

 呟くように男の子は言う。

「何か言った?」

「何か聞こえたの?」

 男の子が惚けた風に女の子を見上げた。

「……ていっ」

「あたっ。何すんだよっ」

「スキンシップ」

「………」

 頭にチョップを叩きつけられた男の子の反論に、女の子がしれっと答える。

「……ふぅ、まぁ良いけどさ。で、今度は何が目的なわけ?」

「ふふん。それを今から説明してあげるから、心して聞くよーうに」

(はぁ、普通はそれを最初に説明するべきだって。まったく……)

 勿体ぶった言い方で、「もうこれ以上は……」という不安が現れた僅かに膨らんでいるだけの胸を張った女の子に、男の子は自分だけにしか聞こえない心の声でぼやく。

「じゃあさっそく説明するわよ。いい? 今回の作戦目的、それは……ズバリ、『ウサギさんと仲良くなろう!』よ」

 今度は制服の懐から取り出したニンジンを、女の子は男の子に突き出した。

「はぁ……で、それなわけね……」

 女の子の手元にあるウサギの着ぐるみ――いや、着ぐるみと言うよりはコスプレか――を納得したと男の子は見つめる。

「そうよっ。何事もまずは形からって言うでしょ」

「確かに言うけどさ……ウサギと仲良くなるのとはあまり関係ないんじゃないかな」

「何言ってるのよ。宇宙に住む知的生命体を宇宙人と呼ぶ事で、僅かでも親しみを感じられるようになるでしょ。それと似たようなものよ。ましてや、ウサギさんほどピュアな動物よ。同じくピュアなハートを持つボクに惹かれない筈はないわ」

「ピュア、ね」

 男の子は女の子の姿を確認するように視線を動かす。

 明るい表情。元気にはねた髪。ぱっちりした瞳、瞳を守る長いまつげ。突いたら柔らかそうな頬っぺたは、自分で自分を褒めておきながら照れてでもいるのか、ほんのり紅くなっている。

(――まぁ、無邪気な子供と言えばピュアには違いないけど)

「……ん? 何よ、その眼。いやらしいわね」

「ふぅ、もう少し大人になってほしいよなぁ……ったた」

「誰が子供よっ!」

(っ~~、そんな事言ってないだろ。ったく、痛たた……)

 ニンジンで往復ビンタされた頬を擦りながら、男の子は女の子から離れる。

「あ、こらっ、逃げるつもりっ? そうはさせないわよ。秘技――キャロケット!」

「うあわっ!」

 部屋を出て行こうとした男の子の足と足の間に、女の子の投げたニンジンが挟まる。男の子が派手に転んだ。

「ふふ、ボクから逃げようなどと思ったのがイケないのよ」

「くうっ、ウサギさんと仲良くなるとか言っておきながら、ウサギさんの大好物であるニンジンを粗末に扱うとは……お前にウサギさんと仲良くなる資格など無いっ!」

「うるさいわよっ、黙りなさい!」

「ぶふぅ……!」

 倒れたまま顔だけ振り返った男の子の頬に、リユースされたニンジンが思いっきり叩き込まれる。折れたニンジンの破片が吹っ飛んで行く男の子の口に入った。

(――ニンジンって、こんなに苦かったっけ)

「うっぅぅ……」

「な、何よ。そんな目で見たって、ボクは謝ったりしないわよ」

「ううっぅ……鬼だ。ウサギの皮を被ろうとしている鬼が今此処に……ぐはぅ」

「はいはい、もう出て行きなさいよ。鬼はー外ーー!」

「――って、どう考えても鬼はそっちだろっーー!」

 扉の前で倒れている男の子を、部屋の扉を開けた女の子が外へと投げ出した。次いで鍵のかかる音。

(まったく、ボク逆らうからよ。いい気味だわ)

 男の子が居なくなり一人になった部屋の中で、女の子はウサギに生まれ変わる為の準備として胸のボタンを外し、制服を脱いでいく。

「……って、ああっ! しまったぁ……自分で逃がすチャンスを与えてどうするのよ。ボクのばかっ」

 自分の失態に気づいて、女の子は額にコツンと握りこぶしを当てた。


「ほ~ら、お食べ」

 ウサギに変身した女の子は学内にあるウサギ小屋に着くと、中に入り、ニンジンをウサギたちの見える処へ置く。

 すると、少し警戒した様子を見せた後、ウサギたちが寄ってきてニンジンを食べ始めた。

「ほら、見てみなさいよ。ウサギさんたち、もうボクにメロメロじゃない」

「いや、お前にじゃなくニンジンにだろ、どう見ても」

「う、うるさいわね……ま、まあ、さっき逃げなかった事だけは褒めてあげるわ」

「別に逃げようと思ってなんて無かったさ。お前が着替えてる間に図書室に寄って行こうと思っただけだ。ったく、勘違いして殴りやがって……」

 そう言うと、男の子は手に持った「ウサギさんとの接し方」という本を女の子に渡す。

「何これ?」

「何って……見れば分かるだろう? 動物は生き物なんだ。ちゃんとしたやり方で相手をしてやらなきゃ可哀想だろうが」

 そう真剣な眼差しで言う男の子からは、小さなもの達に対する優しさが感じられた。

「へぇ、なかなか良いところあるじゃない?」

「お前は考えが甘いからな。それをサポートするのに慣れてしまっただけだよ」

 淡々と言って、男の子はニンジンを食べているウサギ達に目をおとす。その横顔に隠れている照れを女の子は見つけた。

(くすっ、素直じゃないというか、ホントあまのじゃくよね)

「まあ、そうね。それじゃあせっかくだし参考にさせてもらうわ。んーと……」

(ふ~ん、最初はウサギたちの関心を惹こう、か)

 女の子が最初のページを捲ると、そこには「まずは自分から心を開く事」と書いてあった。

(――なぁんだ、それならもう出来てるじゃない。さすがはボク、誰に教わるでもなくすでにウサギさんと仲良しになるスキルを持っていたとは……ピュアっ娘、ここに顕在ねっ)

 得意げな表情になった女の子の視線に気づいたのか、ウサギ達は一瞬女の子に見えないように表情を歪めた。

「ん? なぁ、今なんかウサギが変な顔しなかったか?」

「はあ? ウサギさんが変な顔なんてするわけ無いじゃない。ウサギさんに対する言いがかりよっ! ウサギさんに謝りなさい!」

「いや、でも、確かに今……」

「謝りなさいって言ってるのよっ!」

「……なあ、今お前達変な顔……」

 しゃがみ込み、ウサギ達にそこまで言ったところで男の子は言葉を止める。

『余計な事言うんじゃねぇよ』

 地面に書かれた文字と共に、ウサギ達が不良顔で男の子を見上げていた。

 言葉を無くした男の子は、この事を伝えようとウサギ達から女の子に視線を移す――よりも早く、その中の一匹が女の子の足元へと駆けて行く。

「やぁ、ちょっと急にどうしたのよ。ふふ、もうそんなに足スリスリしたら、くすぐったいよぅ」

「……おい」

 急に駆け寄ってきたウサギの愛らしい仕草に夢中になった女の子は、後ろで黒い笑みを浮かべているウサギ達には気づくはずも無かった。頭に付けたウサ耳がぴょこぴょこ揺れている。

「……はぁ……あ、ほら、あそこにも一匹居るぞ」

 男の子が声を向けた途端、ウサギ達は笑みを消し、再びニンジンを食べだした。

「あ、ホントだ。じゃ、あの子にもニンジンあげないとね」

 ウサギ達が集まる小屋の中。その中の一匹、集まって女の子の持ってきたニンジンを食べている他のウサギたちとは違い、離れた場所で小屋の外を眺めているウサギが居た。そのウサギの元に、今度はお尻に付けたウサしっぽを揺らして女の子は近づいて行く。

「はい、ニンジン。おいしいよ」

 笑いかけ、ウサギにニンジンを差し出す女の子。しかし、ウサギは反応しない。

「ほらほら、お食べー」

 女の子は注意を惹こうと、ニンジンをウサギの頬に擦りつける。

『……ああ?』

 そんな言葉が聞こえてきそうな表情で振り返ったウサギは、壁を蹴ったかと思うと反動を利用して高くジャンプした。

「え……?」

 その勢いのまま天井を蹴り、ウサギは白い稲妻となって女の子に降り落ちる。

「ふにゃぁっ!」

 間をおかず、見事な稲妻キックが女の子の顔面に直撃した。女の子の体がゆっくりと倒れて行く。

『オレに話しかけんじゃねぇよ、メスウサが……!』

 眼光鋭く女の子を見下ろすウサギが、そう喋っているように見えた。ニンジンを食べていたウサギ達が、慌てたように女の子を見下ろしているウサギに詰め寄る。

『なっ……何勝手な事してやがる。俺達の作戦が台無しだろうが!』

『……ふん、そんな事知るかよ。オレに指図するんじゃねぇ、兎詐欺師共がよ』

『んだと、てめぇ……!』

 睨み合っているウサギ達からは、街角でそんな風に言い争っているゴロツキ達みたいな想像ができた。

「うぅぅ……どうして? ウサギさんと仲良しスキルを持っているはずのボクに……両想いだと思ってたのにぃ……!」

 悲しみに明け暮れた様子で涙を流す女の子。涙で目が曇っているのか、女の子の瞳にウサギ達は映っていなかった。

 そんな女の子に冷ややかな視線を浴びせていた男の子が、額と額をぶつけ合っているウサギ達に疑問の目を向ける。

(――にしても、このウサギ達……ここは、一先ず退散した方が良いかもな)

「行くぞ、今日はここまでだ」

「ぅく、ウサギさぁ~ん……ボク、ボクの事嫌いじゃないよね? ねぇ、そうだと言ってよぉぅ……」

 男の子に引きずられ、女の子は離れて行く小屋を見つめて嘆き声を残した。


読んでくださった方には申し訳ないのですが、この作品(あ、いえ、まだ作品にもなっていないのですが)は、後々ちゃんと改稿する予定です。キャラの名前とか決めないとですし。

なので、感想などありましたら是非柔らかめに? お願いしますですm(__)m

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