根回し
翌朝は、2人でノートを前に、真剣に語り合った。
私が辿るであろう悲劇予測。
1王子の婚約者にさせられる。
王子は学園在学中、男爵令嬢と恋仲になる。
学園卒業時に私は婚約破棄される。
その時謂われのない罪に問われる。
↓
1ー1斬首による処刑
1ー2国外追放
1ー3修道院送り
「それで君は急いで婚約者を決めようとしていたんだね」
「その通りです」
「ふ〜〜〜ん。僕じゃなくてもよかったんだね?」
「いいえ。生涯愛せそうな人を選びました」
「まぁいいや、今の論点はそこじゃない」
「私の好意を信じてないのですね」
「話戻すけど、なんで男爵令嬢ごときに王子殿下が言いなりになっちゃってるの?」
「男爵令嬢は魅了や洗脳のスキルを持っていたとされているわ」
「うぇぇぇ、成る程」
「そこで私は、私自身の他に家族や恋人、屋敷の者、領民をレベリングして「魔防」を上げようと考えました。都合よく辺境伯子息にお声掛け頂けましたですし」
「いいねそれ」
「男爵令嬢は男爵家の養子になるという分岐の他に、公爵家の養子になるという分岐もあります。その場合「お姉さまばかりズルイ」と言い張り公爵家令嬢の立場を奪い、公爵の寵愛を一身に受け姉から王子殿下の婚約者の地位を奪うという内容です」
「キツイなそれ」
「私は食事も満足に与えられず、後妻から体罰を受け、父親から疎まれるらしいです」
「現夫人は?」
「夭折するらしいです」
「公爵夫人のレベリングを最重要課題に指定」
「そうね。レベルが上がるとあまり死ななくなるらしいし」
「家族とお屋敷の使用人のレベリングを第1陣に」
「素直に行ってくれるかしら」
「そういう時は「根回し」」
「根回し・・・・」
「閣下にお手紙を書くんだよ」
「成る程。理解した」