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推定悪役令嬢、既婚者になれば王子の婚約者にならなくて済むでしょ。

母上に相談したところ、迅速に手配してくれた。

今日は同派閥の家の男の子を招待してのお茶会だ。

私はレイラとリンに髪を編んでもらっている。


 髪飾りはなま花にした。

それも野に咲く小花だ!!

カモミール、すずらん、ペラペラヨメナ

とかで、構成した。


 田舎臭いでしょー!

都会の流行とは正反対だけどこれはこれでいいのだ。

田舎臭さをバカにする子を、篩にかけるためだ。

私から相手に望むのは田舎を愛する私を受け入れてくれる事。

派閥は大きい。たまには田舎を受け入れてくれる子くらいいるだろー。


私はジャスミンの生け垣の陰から、参加者を確認する。

一番奥の席の彼は辺境伯のご次男さんだ。

アラン・フォード(13)

イケメン。細マッチョ。

アイスブルーの瞳に艶やかな紺髪。

モテそう。


その隣の席の彼は隣領の伯爵家長男。

 ギュンター・ベイクド(18)

畜産が盛んな領で、領主自ら牧場を経営している。

牛も豚も鶏も興味ない。

それに長男じゃ、私が家を出なきゃなんないじゃん。


生け垣の陰にモブモブしい少年がいる。

どこの子だろう。

存在が希薄だな。

何で希薄なの?

私に目をつけられたくないのかしら?

お母様に聞いたら、生け垣の方を暫く眺めて目をしばたたかせ

「ヴシュターク子爵家の3男モーブリィ・ヴシュターク(12)だと思うの」

我が家とあんまり交流がない家だそうだ。


その手前に固まってる少年は、みんな王国騎士に似せた防具着てるから

騎士を目指してるんだろうなぁ。

ああいった少年は守ってあげたくなるような女の子が好きなはずだから、

研究職を目指す私には合わない。

基本、ノータッチ。


モブ少年の服いいな。ナチュラルグリーンで、私の好み。

あのグリーン、周りの植物に埋没してる。

魔術的効果とか掛かってるのかしら?

私もあの色のドレス欲しい。

王家主催のお茶会とかで着ると目立たなくていいかも。

どこで仕立てたか聞いてこよう!!


私は生け垣の陰で姿勢を正し、しずしずと会場に進む。

目指すはモブ少年だ。

モブ少年が、私を見て糸目を見開いている。

私はニッコリして、片手を軽く挙げる。

あくまでもお上品に。

決して獲物を狩る時の目じゃない。


私とモブ少年との軌道上に人影が進入する。

私は回避軌道を取る。

回り込まれるように軌道を塞がれる。

何度も回避を繰り返して、結局数人の人影に囲まれる。

体を半身にして人影の脇の下を潜れば通り抜けられる。

が、さすがにそこまでしない。

ここはお茶会の会場であり、サッカー場ではないのだ。


私は諦めて姿勢を正し

「はじめましてフロランシア ローレンツと申します」

4人の少年に囲まれてる。

なんちゃって王国騎士団の少年たちだ。 

大勢で囲むなんて厄介だな。

私は目に力を入れ

「一度に囲まれても、固まりのA 固まりのB 固まりのC 固まりのDとしか認識できませんわ。オホホホホ。失礼」

私は護衛の方に視線を飛ばす。

護衛2人は既に私の背後にぴたっと寄ってくれていた。

さすが、公爵家の騎士たち。


固まりたちは、1列にならんだ。

ダサい。アリンコみたい。

 固まりのAはボルケーノ・ブライト(12)

ブライト子爵家の次男。ブライト子爵といえば王国騎士団団長さんだ。

団長の息子とか乙女ゲームみたいで嫌だな。

ボルケーノ君は真っ赤な髪。真っ赤な瞳で火属性の主人公ポジ?

乙女ゲーム全然詳しくないんですけど。


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