sideフロランシアの母(その気温ならリンゴ植えられますよネ?)
sideフロランシアの母(その気温ならりんご植えられますよね?)
研究棟1階の応接間に私・夫・長男・長男の嫁・次男・ローレンツ4号・辺境伯閣下が顔をつき合わせている。
家族会議中だ。
ローレンツ4号が参加してて意味不明である。
辺境伯閣下は空路で来てくれた。
麦舎に飛竜を駐機している。
王都からローレンツ領は早馬で1ヶ月かかる距離だが、罷免&接収宣言より前に軍を出してると予想。
そこで辺境伯閣下が抱えている軍事行動用の携帯転移陣が効いてくる。
閣下は此度の「2家の姫既婚者作戦」の共同発案者だ。
そもそもフロランシア(12)は辺境伯家次男アラン(13)と
辺境伯家長女フェリシア(6)はローレンツ家次男ヨシュア(9)と
という計画だったのだが、フロランシアはヴシュターク家の3男を選んでしまった。
だが計画に支障はない。
逆に社交に出てこないヴシュターク家を取り込めて万々歳である。
今我々を困惑させているのはローレンツ4号が抱えている転移陣だ。
閣下が抱えている軍事用転移陣と同サイズだ。
ローレンツ4号が抱えてる転移陣の行き先がわからないのでローレンツ領の領軍長(58)が4号が持っていた転移陣に飛び込んだ。
今は領軍長の帰り待ち。
領軍長(58)が戻ってきた。
メモを読んでいる。
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全然知らない土地でだだっ広い広野。
山の裾野に森。
広野に木々がまばらに生えている。
気温は20度前後。
風は微風。
川があり澄んでいる。
水温は低い。
遠くに冠雪した山が見える。
ローレンツ領に似ているが山の配置が違う。
魔物の姿がちらほら。
兎型やいのしし型だ。
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川の水を採取してきた瓶を渡された。
無臭だ。
軽く鑑定を掛けると
「ローレンツ&ヴシュタークダンジョン1層目の川の水」
「ファッ!!!??」
思わず変な声が出た。
鑑定結果を元に急ぎ話し合い
ローレンツ1号の全個体
ローレンツ2号の全個体
ローレンツ3号の全個体
をダンジョンに押し込んだ。
領兵はダンジョンで拠点作り。
我々家族と領民は閣下の軍事用転移陣に乗った。
私・夫・長男夫婦・次男・ローレンツ4号は訓練用砦の雑魚寝部屋横の個室にいる。
長男嫁の親族と領民は客棟。
この砦凄く落ち着く。




