第1回パワーレベリング中
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父たちの班は、父、兄、弟、辺境伯ご長男、辺境伯ご次男、辺境伯ご息女
辺境伯ご息女様と弟のお見合いも兼ねているらしい。ご息女様まだ6歳なんだけどね。
弟は9歳だから年齢的に釣り合ってるけど。
あとでこっそり聞いた話では、辺境伯閣下はご息女様を王家に嫁がせたくないそうだ。
わかりみが深い。
森を進むと、古びた巨大な砦があった。
その上から遠距離攻撃をするらしい。
バリスタのようなものから弩、連射弓、魔法弓等
いろいろ用意されていて自由に借りられる。
私は魔法弓を手に取る。矢を消費しないので楽だ。
全員が弓を手に取ると、砦前の空き地で香が焚かれる。
魔物寄せだ。銅鑼を叩いている辺境伯軍の兵士もいる。
香りと音で魔物を寄せるらしい。
まもなく地響きがして魔物が押し寄せてきた。
兵士さんたちは砦の上に戻る。
ここからは自由に撃っていいらしい。
母と辺境伯ご息女様は砦の中の避難室だ。
このくらいの距離なら経験値分配できるらしい。
レイラ、リンも暫く頑張っていたが、夕方砦の中に戻って行った。
私はトイレ休憩食事休憩を挟み、砦の上に戻ったら、閣下が私を見て驚いていた。
「貴女は魔力回復しないのですか?」
「私は魔力が膨大なので全然へっちゃらなのです。このことはご内密に」
日が暮れてくると、砦の上に残ってるのは、ごく数名になった。
兄は「暗いと見えない」と言いながら脱落。
弟はまだ頑張っている。閣下にいいところを見せたいらしい。
いいことだ。
私は魔力が尽きないので、まだ撃っている。
レベルが上がる感覚が病みつきになる。楽しい。
かれこれ260はレベルが上がった。
ステータスウィンドウが見えるので、いつでも確認ができる。
レベルアップのたびHP&MPが全回復するので実質無尽蔵オバケだ。
モブ君は私より先に脱落できないのか、必死に頑張っている。
可哀相にごめんね。
森の中に同じような砦が5カ所あるので、数日づつ滞在しながら移動するそうだ。
初日に飛ばしすぎるとあとあと疲れがとれなくなるかもなので夕飯休憩のあとは眠ろう。
私はレベルアップの都度、疲れが全部回復するので本当は休憩は必要ない。
でもモブ君のため休もう。
砦の中は、個室とかない雑魚寝だ。
モブ君が手招きするので、今晩は同衾だ。
ほっぺたにお休みのキスをしたら、口にキスを返された。
そしてぎゅうぎゅうに抱きしめられた。
気温は20度程度なので、暑苦しくはない。
けど親にみつかったら気まずい。




