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始まりの朝
ーーーーーおはよう諸君‼︎
そう言いながら手を後ろに組み、大きな声で左右に闊歩する少年。
彼こそが今回の依頼人で
名前をヴァルツ・シュバインという。
身体に似合わない装備を全身にしており、特に身の丈に合わない長剣を帯刀し左右に歩くたび、地面を少し打ちながら歩くその様は中々に道化じみている。
コホンッーーーー
「であるからして」
まだ、講釈は続いていたようだ
正直誰も聞いてはいないが形だけでも取っておかないと、どうなるか分からない思いから皆、耳だけは傾けているようだ。
そんな、地獄のような時間に救世主が現れる
「じゃあソロソロ準備も出来たし行くかね」
ギルド長のレディ・ジャワだ。
今の今まで、私が持って来た道具の確認と指揮系統の統一をしていたらしく
いつものダラシないギルド長はそこに無く、正直カッコいいと思ってしまう。
そんなギルド長を、少しぽっーと眺めていると
ツカツカとギルド長が寄ってきて
「少年、私に惚れるなよ」
と、肩に手を当ててボソッと呟くと私の前を進んでいく
うんーーー変わらないな。
最初に出会ったのが10年前でそれからずっとそばにいるが、何一つ彼女は変わっていない。
そう、何一つだ。




