事の経緯
ーーー「おーい」
ハッ!?
あまりの驚きにしばらくギルド長を見つめながら
回想をしてしまっていた。
「あ、戻ってきた」
ギルド長が私の前で手を振るのを辞めて、にっこりと笑う
「んんっ」
とわざとらしく咳払いをし
「すまなかった」
と殊勝にも腰を折った。
私はその様に2度驚いたが、まぁそれは良い
「で、結局あれはなんだったんですか?」
と説明を求める。
ガインの方をチラッとギルド長が見るが、ガインは首を横に振る
ため息を漏らし、観念したのかポツポツと語り始める
どうやら、ヴァルツ氏が初陣で動けない事を見越し一芝居打とうと、ガインに出発前に持ち掛けていた。
勿論ガインは了承していたが、余りにも演技が迫真過ぎて本当に死んだのかと思いあの瞬間硬直してしまったようだ。
そして、私があれほど激昂する事も想定外で黙っていた手前ギルド長も直ぐに駆けつけられなくて、危険な目に合わせてしまったと再度謝られた。
私は少し呆れたが、それでも命の恩人が生きている
それだけで他の事が馬鹿らしくなった。
「今回の件はもう良いです。その代わり、コレからは私にもちゃんと相談して下さい」
そういうと、バツの悪そうだった顔がキラキラと輝きうんうんと大袈裟に顔を縦に振る
普段のギルド長からは想像出来ない笑顔に、恩人の笑顔が見られるならこういう役回りも悪くはないなと思う事でこの話は決着した。




