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思い返せば

ギルド長が傷一つ負っていないのをみて、昔を思い出してしまう。


あれは、5年前ーーー


私が日の本から此方の世界に転移した日の事


あの日確かに私達は、敵方の軍勢から城を攻められ

後が無いと悟った城主含め自害を果たしたのだ


享年13歳であった。


で、あったはずだったのだ


気が付けば見知らぬ森の中で目を覚まし、混乱状態の中にあった私達に、いきなり獣が大きく口を開け襲い掛かろうとしていた時には神仏の類は居ないのだと確信した。


「ぐぁーー」


「ぎゃああああ」


数人が訳の分からないまま、その毒牙にかかっていく


その場にへたり込む者。


逃げ惑う者。


武器を構え立ち上がる者。


三者三様、統率の無い我々は訳の分からない巨大な犬のような物に狩られていく。


武に覚えのある物が何とか対峙しながら抑え込んではいるが、それも時間の問題だろう。


(あぁ、私は2度も死ぬのだな)


などとぼんやりと考えていると

私の意識を無理やり引き戻すかのような炸裂音が響く


          【壱嘴】


巨大な犬の顎が揺らぐ


          【弐翼】


続いて、こめかみに肘鉄がめり込む


          【参冠】


強烈な頭突きが犬の頭部を捉え、顎が地面に着く刹那


          【肆足】


蹴りにより頭が跳ね上がる


          【極鶏】


頭が跳ね上がったその瞬間、神速の貫手が心臓を貫く


「小さいねぇ…所詮は犬っころか」


そう言って、いつの間にか右手に持っていた心臓を潰す


「ギャイン」ーーーーー


という断末魔だけが森に残り、私達はギルド長に救われた。

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