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第九十四話 シルフィの実力は凄い!

 セイナはミノタウロスとの戦いで、痺れた手の回復を待って、休憩を取っている間、ルビーはセイナの傍に行き、セイナの手をペロペロと舐めて、回復の手助けをしていた。


「う~ん、ルビー、ありがとう、もう大丈夫よ、サディオスは如何、行けそう」


「ああ、もう大丈夫だぁ、そろそろ行こうか」

サディオスも何とか、手の痺れが収まり、グウ、パー、グウ、パーをして、手の感触を確かめていた。


 セイナはサディオスの具合を確認して、立ち上がり、また、探索を続ける為に洞窟の中を進み始めてから、ミノタウロスの戦い方を如何するか、話ながら進んでいた。


「セイナ、とにかく、真面に攻撃を受けるとあのパーワに押し負ける。攻撃を上手く交わしながら、攻撃をしないと危ないと思う、二体相手にするなら尚更だ」


「そうねぇ、交わすしか方法は無いわねぇ、でも、交わすにしても、あのスピードを交わすのは難しいわ」

セイナはあのスピード力を何とか封じないと、ダメージを如何しても受けてしまう事に悩んでいた。


「ねぇ、コハク、今度ミノタウロスが現れたら、魔法攻撃で先制をして、コハクは後方で魔法攻撃に集中して、私達を援護して貰えるかなぁ」


「クウーン」


「うん、ありがとう、コハク、期待しているわ」


「セイナ様、私達も援護しますよ、こう云う時は私達も使ってください」

守護聖霊のアイリンがセイナに呼び掛けた。


「あっ、そうねぇ、その手があったわ、うん、宜しくねぇ、アイリン」

セイナはアイリン達の存在をスッカリ忘れていた。


「セイナ様、私達の存在を忘れていたでしょう」

アースリンが、セイナに抗議をする様に訴えた。


「えへ、ゴメン、忘れてたわ」

セイナ、笑って誤魔化す様にしたが、素直に謝った。


「まぁ、良いですわ、私達はセイナ様の守護聖霊ですから、セイナ様をお守りしますわ」

アイリンは、そんなセイナでも、絶対に守護すべき主なので、役目を果たすだけであった。


 その後の探索は、守護聖霊のアースリンとアイリンも参加して、魔法攻撃メインの魔物討伐が始まり、ミノタウロス一体だけなら、魔法攻撃のみで倒す事が出来た。


 48階層まで順調に探索が進んだセイナ達は、今度は新たにトロール二体と対峙して、魔法攻撃で牽制をしながら、セイナは如何倒すか思案をしていた。


「うむむ、中々頑丈ですねぇ、コハクのファイアランスを弾き返しましたよ、皮膚が丈夫なのかしら、アイリンはアイスランスで、コハクはファイアーランスで、同じ処を交互に攻撃してください」

セイナはコハクとアイリンに指示をしてトロール一体に魔法で攻撃を続けた。


 もう一体はサディオスとハクが応戦をして、ハクがトロールを上手く攻撃を交わしながら、爪でトロールを切りつけて、ダメージを与えてスキをつくり、サディオスが魔剣に炎を纏い攻撃を加えて、ダメージを確実に与えていた。


 コハクとアイリンはトロルの右太腿に一点集中攻撃を仕掛けて、ふら付いた隙を突いて、セイナが後方から首筋目掛けて、槍を突き刺して止めを刺して倒した。


 サディオスとハクもほぼ同時に、ハクの一撃で膝を付いたトロルの首に、サディオスが止めに一撃で首を切り落として決着を付けていた。


「フウー、流石に此処まで来ると、強敵が増えてきますねぇ、シルフィはまだ、攻撃に参加する気は無いですか、私も流石に疲れてきたのですが」

セイナは疲れから、シルフィに弱音を吐いていた。


「そうじゃなぁ、此処まで、結構時間も係ってるおるからの、我も参加するかの」

シルフィは、やれやれと云う感じで、セイナに答えた。


「本当! 助かるわ、お願いねぇ、シルフィ、期待しているわ」

セイナはシルフィの参加の意思を聞いて、素直に喜んだ。


「やれやれじゃなぁ、其れなら少し本気を出すかの、サディオス、我の戦いを良く見ているのだぞ」

シルフィは右腕を左上から右下に、斜めに腕を振り落とすと、右手に長剣が現れ、握っていた。


 シルフィは先頭を行き、どんどん進み、現れた魔物達を一振りで素早く倒していき、スカイがドンドンと収納して行きながら、あっという間に50階層のボス部屋に辿り着いた。


「流石はシルフィです。カッコ好かったですよ、お陰でボス部屋まで、辿り着きました」

セイナはシルフィに抱き付いて、喜んでいた。


「当り前じゃ、我を誰だと思っておるのじゃ、セイナは」


「えっ、其れは、神龍のシルフィですよ、私の保護者ですよ」

セイナは笑顔で、甘える様に、シルフィに答えた。


「うん、そうじゃ、分かっておれば、それで良いのじゃ」

シルフィはセイナの答えに、満足して、笑いながら言って、セイナの頭を撫ぜていた。


「処で、此処のボス部屋の魔物は如何戦う心算なのじゃ」

シルフィはセイナの頭を撫ぜながら、聞いた。


 セイナはシルフィに質問されて、シルフィから一旦、離れてから、背を向けて暫く考え込んでから、シルフィに向き合い、真面目に答えた。


「うん、やっぱり今回は、全員で総攻撃を仕掛けていきたいです。今回は流石にシルフィの力を借りないと、全員無事で、勝てる気がしません」

セイナは今回のボス部屋の魔物は、トロールクラス以上の魔物の可能性が高いと考えていた。


「そうじゃなぁ、セイナの考えは正しいの、恐らくトロール以上の魔物の可能性が高いのじゃ」

シルフィはセイナの考えを肯定をして言った。


「はい、私もそう思います。詰らない意地を張って、怪我人が出るのも嫌ですからねぇ、慎重に行きたいと、思います。皆、此れから15分程、休んでから挑みます」

セイナは全員無事で、この探索を終わらせる為に、最善と思う方法を選択した。


 セイナ達は、休憩を入れてから、ボス部屋へ挑む事を伝えて、疲れを取る事に専念をして、此れから挑むボス部屋の魔物がなんであるか予想をしながら、喉の渇きを潤していた。

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