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第七話 初めての野営

 セイナとエルミスはオークを三体の討伐を終えて、幌馬車に乗り込み、二人は上機嫌で、ダイナスはそんな二人を見て、笑顔で二人を出迎えた。


「二人共、上機嫌だなぁ、セイナさんも中々のものだったよ、オーク二体をアッサリと倒すとは、初心者じゃ、中々ア~も見事には倒せないからね」

ダイナスは微笑みながら、セイナを褒めていた。


「えっ、そうですわ、セイナ、見事でしたよ、しかし、今度街に着いたら、セイナに何かバックでも買っておきましょうか、アイテムボックスは稀少なスキルだから、他の人に見られると、下手をすると誘拐される可能性があるわ」

エルミナはセイナを褒めた後に恐ろしい事を言った。


「えっ、なんですか誘拐って、アイテムボックスって、誘拐される程、そんなに稀少なスキルなんですか」

セイナは笑顔から、不安な表情へと変わった。


「うん、そうなんだよね、アイテムボックスを持っていたら運搬に便利でしょう、だから酷い場合は、奴隷商人に高値で売られる場合もあるから気を付けるのよ」

エルミナが、セイナにアイテムボックス持ちの悲惨な状況を教えた。


「げぇ、奴隷商人ですか、余り好いイメージが無いです、奴隷落ちだけは勘弁して欲しいです」

セイナは希望の盾のメンバー以外の人前で、アイテムボックスを使う事は自分の中で、禁止事項に定めた。


 しかし、セイナはエルミナとダイナスなど希望の盾のメンバーは、セイナの事を既に知っているので、遠慮無く使う事を決めて、早速、オークの解体をアイテムボックスのメニュー画面で始めて、そんなセイナの姿を見て、エルミナとダイナスは笑顔を向けて優しい目で見詰めていた。


 オークの襲撃以外は幌馬車での移動は特に問題無く順調で、日暮れ前には、宿営地に辿り着き、其処で野営の準備を始めた。


「へぇ、宿営地って、周りに木の柵があるんですねぇ、でも余り効果は期待できない感じですけど」

セイナは宿営地の木製の柵を見て、柵の高さがセイナの胸辺りで、つい感想をエルミナに述べた。


「うーん、そうねぇ、その辺が難しい処なのよ、余り柵を高くすると周辺が見えないでしょう、魔物達に囲まれて、知らずに宿営地を出た時に襲われたら、ひとたまりも無いでしょう、それに管理する予算とかもあるけどね」

エルミナは宿営地の現状をセイナに教えた。


 そして野営用のテントを男性陣で組立をしている間に、セイナとエルミナは夕食の準備の為に、火を起こして、其の上に大き目な鍋を置き、水を入れて温め始めた。


「セイナ、オークの肉を小さく四角の四面体で出せるかしら、ダシを取りたいのよ」

エルミナはセイナに出せるかどうか確認をした。


「え~と、少しお待ちくださいねぇ、あっ、出来ますねぇ、少しお待ちくださいね」

セイナはアイテムボックスのメニュー画面を操作して、オークの肉の四面体の小さい肉の塊を出して、エルミナに渡した。


「え~と、此れで良いですか」


「あら、凄いわねぇ、これで良いわよ本当セイナが居ると便利ねぇ、もう私の妹にしちゃおうかしら、どう、私の弟と婚姻しないかしら、そしたら、私の妹になるわよ」

エルミナは半分冗談で半分本気でセイナに言った。


「ですから、会ってから考えますから、ちゃんと紹介してくださいねぇ」

セイナはエルミナが段々本気モードになって来ている事を察知して、釘をさす為に言った。


「うーん、セイナのイケず、私は諦めないわよ、絶対セイナを私の妹にするから」

エルミナは少し目的が変わりつつあった。


 エルミナとセイナは、エルミナが本気なのか冗談なのか判別しづらい事を話しながら、簡単な夕食のオカズなどを調理して、準備が整い、男性陣を呼んで夕食を頂いた。


 そして夕食を終えてから、まず最初に見張りをする事になったのがルビナスとサンタナで、テントの表で焚火をしながら、見張りをする事になり、セイナはエルミナとダイナンスと共にテントの中で仮眠する事になった。


 そして夜半過ぎになって、ルビナスとサンタナがセイナ達を起こして、見張りの交代をして、ルビナスとサンタナは就寝をした。


「明日は幌馬車の中で仮眠するから、朝まで頑張ってねぇ、セイナ」

エルミナは初めて野営するセイナに声援を送った。


「はい、頑張ります。エルミナさん、でも今の処は大丈夫そうですね」

セイナは周りに魔物の気配が無い事に安堵していた。


「うーん、居る事は居るけどね、近寄って来ないだけだね、多分セイナさんの魔力に警戒をしていると思うよ」

ダイナスがサーチで魔物がいる事は把握していた。


「しかし、凄いねぇ、瘴気で産まれた魔物達は近寄って来ると次々と姿が消えていくよ、従来の魔物達もそれを見て、近寄って来ないだよ」

ダイナスはサーチを見ながら、エルミナとセイナに告げた。


「うふふ、流石はセイナねぇ、効果てき面ね、瘴気から産まれた魔物達は、知能がないから、本能のままに襲ってくるから、こういう時は厄介だけど、従来の魔物達は生存意識が高いから、危険と分かれば余り近寄って来ないもの」

エルミナはセイナの存在が盾になっている事が明確になり、喜んでいた。


 斯うして朝を迎えてから、セイナとエルミナは朝食の用意を始めて、昨晩は何事も無く、無事に過ごせたことで、一安心をして、魔物達も朝を迎えると森の奥に消えて行った。


「さて、セイナ、ここから先が次の街に行く為に避けては通れない難所の森よ、心しておいてねぇ」

エルミナがセイナに朝食を食べながら忠告をした。


 其れからセイナ達は、朝食を食べ終えて、野営のテントを片付け、火の始末をしてから、幌馬車に乗り込み、難所の森へ向けて出発をした。

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