第八十三話 ダンジョン都市までの旅情
セイナは国王達の乗る馬車へ王妃エリザベスに寄り、強制的に乗せられて、王妃の隣に座りコハクはセイナの膝の上で寝ていた。
「しかし、エリは本当にセイナちゃんの事が気に入っておるの、まぁ、なんじゃ、セイナちゃんはダンジョン都市まで、我らの事を宜しく頼むよ」
国王エリナスは微笑みながらセイナに話した。
「うふふ、セイナちゃんは、私の可愛い妹ですもの当然ですわ」
王妃エリザベスはセイナに抱き着き、ご機嫌でいた。
「アハハ、宜しくお願い致します。王妃様もお手柔らかにお願いします」
セイナは苦笑いをしながら挨拶をした。
セイナの様子をシルフィは微笑みながら眺めて、そして車窓から景色を眺めて以前と比べて、花が彼方此方と咲いているのを見て、だいぶ妖精たちの動きが活発になっている事を感じて喜んでいた。
「しかし、今年は穀物の成長が良くなったと方々から報告が来て、豊作になると文官が喜んでおったが、こうしてみると、確かにその様じゃなぁ」
国王エリナスは車窓から見る畑を見て喜んでいた。
「それもセイナちゃんが、方々に聖霊樹を植えて育ててくれたお陰よ、それにあの世界樹は本当に素敵だったわよ、まるで夢でも見ているんじゃないかと思った程よ」
王妃エリザベスは世界樹を見た時の感動を思い出していた。
「アハハ、そんな事は無いですよ、民達の努力の結果ですから、ねぇ、シルフィ、そうよねぇ」
セイナは苦笑いをしながら、シルフィに話しを振った。
「我に振るのは如何なんじゃ、セイナの妄想力の成果では無いかの、セイナの妄想は天下一品じゃ」
シルフィはセイナに話しを振られて、セイナの嫌がる事を王妃達に告げ口をした。
「あっ、シルフィ、なんて事を言うのよ、何ですか天下一品って失礼ですよ、またっく」
セイナは頬を膨らませてながら、シルフィに言った。
「事実ではないか、あのダンジョン都市もセイナの妄想力のお陰で、出来たような物じゃ」
シルフィはセイナに反撃をした。
「うーんだ、シルフィの意地悪、そんな事を言わなくても良いじゃない」
セイナは更に頬を膨らませて拗ねてしまった。
「あらあら、拗ねたセイナちゃんも可愛いわねぇ、お姉さんが抱き締めてあげるわよ」
王妃エリザベスは拗ねたセイナを思いっきり抱き締めてた。
「うっぷ、うっぷ、うっ・・・・」
セイナは顔面に乳圧を加えられて、息が出来なくなっていった。
「王妃殿、そろそろセイナを解放せんと、あの世に行ってしまうのじゃ」
シルフィは苦笑いをしながら、藻搔いているセイナを見て、王妃に解放するように頼んだ。
「あら、ごめんねぇ、セイナちゃん、でも可愛いのは罪よねぇ、つい抱きしめたくなるから」
王妃エリザベスは慌ててセイナを解放した。
「ア~、意識が飛ぶ処でした。王妃様の乳圧は人を殺せますねぇ、サディオス達は良く無事に成長しましたねぇ」
セイナは、思わずサディオス達の事を口に出した。
「あら、セイナちゃん、私ねぇ、サディオスとミリアナは抱いたことは無いわよ、頭を撫ぜる程度かしらねぇ、エディちゃんとエルミナちゃんに止められていたから」
王妃エリザベスは微笑みながら、セイナに伝えた。
「ホオオ、そうなんじゃ、昔な、エディとエルミナがの、エリの乳は危険と云っての、抱かせて貰えんかったのじゃ」
国王エリナスが思い出し笑いをして、セイナに昔の事を話した。
「ア~、エルミナさんが言ってましたねぇ、何度も死にかけたと、王妃様の乳は本当に危険だからと」
セイナはエルミナの言った事を思い出した。
「うーん、別に好きで、こんなに大きくなった訳じゃないのにねぇ」
王妃エリザベスは自分の胸を触り愚痴を溢した。
「まぁ、ある意味羨ましいですけどねぇ、私は小さいですから」
セイナは自分の胸を触り、王妃と比較をした。
セイナはこちらの世界に来る前はAカップくらいで、此方に来てからシルフィ達と従魔契約をした時にCカップくらいに大きくなった
「なんじゃ、セイナはもっとお乳が大きい方が良いのか、なら、大きくして上げてもの良いのじゃ」
シルフィはニヤニヤしながらセイナに言った。
「うー、何かシルフィが怖い、遠慮します。大きくしてから、何かあったら困るから」
セイナはやけにニコニコしているシルフィに恐れをなして遠慮した。
「なんじゃ、つまらんの、男を引き寄せる呪文でも刻んで於こうと思ったのにの」
シルフィは残念そうにセイナに話した。
「シルフィ、それだけは辞めてねぇ、色んな男に声を掛けられるのは、面戸くさいから」
「何故じゃ、モテモテで良いのではないか、今のままでは貰い手はサディオスだけじゃぞ」
シルフィは意地悪な事をセイナに話した。
「別に貰って貰わなくても結構です。今のままでも幸せですから」
セイナはまたも頬を膨らませて、拗ねてしまった。
そんな話をしているうちに、今日の宿泊地に到着して、馬車は街の中をゆっくりと進み、泊まる宿の前に止まり、馬車の扉が開いて、騎士が丁寧にエスコートをしてくれた。
王太子エディオンが乗る馬車から、サディオスが降りてきて、兄のエディオンと仲良く会話をしている姿を見て、やっぱり兄弟なんだなぁと、改めて実感したセイナであった。
「あら、エディの馬車にサディも乗っていたのですねぇ、まぁ、ミレーナちゃんが居ないから、話し相手になったのねぇ、一人だけじゃ、詰まらないものねぇ」
王妃エリザベスは二人を見て言った。
「はい、母上、そう云う事です。他に頼む相手もいませんから、サディともご無沙汰でしたしねぇ」
王太子エディオンは王妃に、サディに話し相手に成って貰った事を話した。
それから、宿屋に入り、セイナはシルフィとコハク達と同じ部屋に泊まり、楽しい時間を過ごせたので、疲れが溜まる事は無かったけども、王妃が簡易風呂に入りに来ていた。
セイナは王妃と、お風呂上りに雑談を暫くしてから、上機嫌で自室に戻っていたと云う事はあったけども、セイナも慣れてきたのか普通に王妃様と会話をして楽しんでいた。