第八十一話 生理用品の生産始まる
セイナは、生理用品のサンプルを工房で働く女性に渡して、数日が経ち、メイドのルミナが最初にセイナに感想を言った。
「これは画期的ですねぇ、下着に着けているだけで、後は定期的に交換すれば、下着は汚れずにいられます。これなら良いと思います、今までは下着が着けられませんでしたから」
メイドのルミナは、これからは恥ずかしい思いをせずに居られると、喜んでいた。
それから、工房の従業員からも使用した感想をセイナは聞き取り、何か不具合が無いか確認をすると、初めての事で、何が不具合か良く分からないと言われ、便利で良いという感想が殆どであったので、今度は自分で試す事にした。
「丁度、生理が来たから、試したけど、そんなに悪くわ無いわねぇ、シルクの生地の肌触りが良い感じだわ」
セイナは自分で試して、今まで使っているのと遜色無かったので、そのまま製品化する事にした。
翌日になって、セイナは従業員のサシャ達に、このまま製品化する事を話して、制作方法を如何するかを話し合った。
「セイナさん、此処のスペースにはまだ余裕があるので、もう一台作業台を作り、最初は五人程、追加で雇いませんか、心当たりがありますので如何ですか」
サシャはセイナに従業員の増員を提案をした。
「うーん、そうねぇ、サシャにはその辺は任せるわねぇ、増員した人は必ずエリックに面談を受けさせておいて、此処のルールの説明をして貰うからねぇ」
セイナは人員の増員を決めて、後は販売に向けて準備を進める事にした。
セイナは女性用の下着と生理用品の生産を始めて、今後の販売の推移を見て、新しくの工房を建てる事も視野に入れて、展開する事を考えていた。
なお、商会の名称は国家の機関の一部として、扱う為にメルリラス商会と決まり、代表は王妃のエリザベスが就任して、副代表にエルミナが就任することに成り、セイナの名は伏せて、代わりにバーロン・メルリラ公爵も副代表に就任する事を本人の了承を得て就任が決まった。
メルリラス商会は第一号店を王都にオープンさせて、二号店をメルリラ公爵領にそして、三号店をダンジョン都市に出す予定で、準備を始めて、一号店は近々にオープンする予定になっていた。
セイナは一号店のオープンに合わせて、下着の色を白、青、赤、黒の四色を先20着ずつを考えており、追々可愛らしい柄の物も店に出すつもりで考えていた。
それと部屋着として、ジャージもいずれ作り、店に出したいと思い、先ずはジャックの製造方法を如何するか、そして、材料の調達を如何するかもいずれ検討する事にしていた。
こうして、商会の着々と準備を進め、本店もクラウンの屋敷の隣の敷地に建てる予定で、王妃エリザベスが出入りしやすい環境を考慮して、設計を土木部の文官に頼んでいた。
こうして、セイナはメルリラス商会の一号店に出品する為の第一段階として、女性用の下着類と生理用品の商品の準備が終わり、ダンジョン都市に向かう為の準備を始めた。
その一方で、聖女アイラナと婚姻をした新国王のアザシンは国名をエイライン王国と呼称を決めて、早速国の組閣作りを行い、本格的な統治を始めた。
そして、国王アザシンは妻である聖女アイラナが世話に成った隣国のメルリラス王国と国交を結ぶ為に使者を送り、各種条約を結ぶ為に積極的に動いていた。
そして、両国の使者との話合で、サディエンス伯爵に寄り、ダンジョン都市セイナシルフィと新たに呼称が付けられたダンジョン都市で、条約締結の為の会議を行う事が決まった。
それに伴い、希望の盾も国王の護衛に参加する事になり、セイナもサディオスと共に同行する事が決まり、勿論シルフィと従魔のハク、クイン、コハクも付き従う事になった。
セイナが国王の護衛の任務の就くために王都に戻る前日に、公爵家当主バーロン・メルリラはシルク工房に到着した。
「お父様、王都より起こし頂き、ありがとうございます」
セイナは義父であるバーロン公爵に挨拶をした。
「セイナちゃん、出迎え、ありがとう、そしてシルフィ様、エルフィ様、お世話に成ります」
義父のバーロンはセイナとシルフィ、エルフィに挨拶をした。
「よいよい、我はセイナの面倒を見るのでの、エルフィが、お主の世話をする事に成っておる」
シルフィはバーロンに簡単に挨拶をした。
「バーロン、私が貴方の世話をする。これからは、私が作る薬を飲んで貰う、セイナの為にも健康を整え、元気に成って貰うわよ、良いわねぇ」
エルフィはバーロンに改めて、セイナの為に元気に成って貰うと告げた。
「はい、エルフィ様、宜しくお願いします」
バーロンは改めてエルフィにお願いをした。
それから。セイナはバーロンに工房の中を案内をして、バーロンを一旦部屋に案内をしてから、これからの事を話し合った。
「セイナちゃん、此処に世界樹の若木があるとエリザベスから聞いたよ、だから、儂はこの辺一帯を領地の第二の領都として、産業都市にする事を決めたよ、それで、世界樹を秘かに守れる街づくりを考えておるだよ」
バーロンはセイナに自分の考えの一部を伝えた。
「それで、シルフィ様、エルフィ様には、是非お知恵をお借り頂きたいのですが、お願いできますか」
バーロンはシルフィとエルフィに知恵を借りたいとお願いした。
「そうじゃなぁ、その辺の処は皆で知恵を出し合うのは、良い事じゃなぁ」
「そうですねぇ、世界樹はこの世界に絶対必要な物です。昔の様に枯らせては成りませんからねろぇ」
シルフィとエルフィはバーロンの願いに応える形で応じた。
「それでじゃ、セイナちゃんの当主就任のパーティーをいずれ開かんといかんのだが、ダンジョン都市の任務が終わってから、日程の調整を行い、開催する事にするので、セイナちゃんはその心算での」
バーロンはセイナに当主就任のパーティーの件を話した。
「うっ、それは遣らないとてダメなの」
「ダメじゃ、諦めるのじゃ」
「そうですよ、それは国内に公爵家の当主であると知らしめる大事な行事ですからねぇ」
セイナはシルフィとエルフィに窘められていた。
それからはセイナとバーロン、シルフィなエルフィは公爵家の今後の事も話合い、割と楽しい時間を過ごして、その翌朝にはセイナとシルフィはハク達と伴い、王都に向けて出発をした。