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第七十九話 聖女アイラナは婚姻する

 セイナ達は早速、新しく出来た王城の中に入り、広い玄関ホールに入ると、その豪華さと絢爛さに全員が見とれていた。


「セイナや、流石じゃなぁ、これはまた妄想魔法のなせる業じゃなぁ」

シルフィはセイナに微笑みながら、一応褒めていた。


 その後は割と平凡なつくりになっていたので、そんなに驚く事は無かったが、使われている魔道具がすべて、最新式の物に成っていて、慣れると便利なものばかりであった。


 セイナは城の最上階に王家のプライベイトスペースを造り、国王と聖女アイラナの寝室に可成り妄想力を注ぎ、豪華絢爛でムード満点な寝室の作りになっていて、新国王のアザシンとアイラナは顔を赤く染めていた。


「セイナや、お主は性欲が溜まっておるのではないのかの、これはやりすぎじゃ」

シルフィはセイナを呆れた表情で見つめて、苦笑いをした。


 その部屋は天井がガラス張りで空が見れるようになっていて、隣にガラス張りのお風呂があり、ベッドの周りの壁は鏡張りになっていて、照明器具はベッドの両脇にスタンド照明が置いてあった。


「そうかなぁ、でも、お二人には幸せに成って貰いたいから、ちょっと派手になちゃったかなぁ」

セイナは此処まで派手にする心算は無かったけどなっちゃったから、仕方が無いと思っていた。


「セイナはセーブする事を覚えた方が良いようじゃなぁ」

シルフィは呆れた様にセイナに告げた。


 新国王のアザシンは聖女アイラナと顔を見合わせてから、お互いの顔が真っ赤になっている事に気付き、少し距離を置き、熱いのが冷めるまで、互いに見ないようにしていた。


「アザシン、アイラナ、二人とも中庭にある教会に行って、我の立会で婚姻の儀をするのじゃ、そして今晩から子作りに励むのじゃ、良いな」

シルフィは照れている二人に向けて、兼ねてからの約束を実行することにした。


「えっ、あっ、はい、シルフィ様。聖女アイラナ、俺の妻に成ってくれるかい」

アザシンは聖女アイラナにプロポーズをした。


「はい、謹んでお受けします」

聖女アイラナは目に涙を浮かべながら返事をした。


 そしてシルフィはセイナを伴い、中庭に建てられた小さいメルリス教の教会に行き、女神像の前に国王アザシンと聖女アイラナの二人を立たせて、シルフィが立会いもと、婚姻の儀が行われた。


 シルフィはアザシンとアイラナの婚姻の儀を済ませた後に、国王であるアザシンに向けて、激励と注意事項を告げた。


「聞くのじゃ、アザシン、聖女アイラナを幸せにする事は当然じゃが、此処の城内に聖霊樹を植えてある。それを死守する事じゃ、それと他に四本の聖霊樹を植える予定じゃ、それらを信頼のおける者に守らせるのじゃ、そうすればこの国は栄えるはずじゃ、良いな」


「八ッ、分かりましたシルフィ様、必ず聖霊樹を死守します」

新国王のアザシンはシルフィにはっきりとした返事を返した。


「そうじゃなぁ、それと植えるポイントの打合せをするのじゃ、できれば水辺のある処が良いのじぇが何所かに在るかの、なければ造るがの」

シルフィはセイナの頭を撫ぜながら、アザシンに聞いた。


 シルフィとアザシンは教会から、六階建ての城の三階に在る国王の執務室に場所を移して、聖霊樹の植える場所を検討を始めて、セイナとアイラナは邪魔にならない様に執務室の隣にある応接室でお茶を飲んで、会話を楽しんでいた。


「セイナさん、素敵なお城を建てて貰いありがとう、何だか夢を見ているみたいです。明日からは王妃として、民達の幸せを祈りながら、アザシン様を支えて行きますわ、そしてセイナさんから貰った種を国の発展の為に有効に使わせて頂きますわ」

聖女アイラナは穏やかな表情で、セイナにお礼を言った。


「はい、聖女アイラナ様、如何か幸せな人生を送れるように、私も祈っていますよ、何かあれば連絡を下さいねぇ」

セイナは微笑みながら、聖女アイラナに幸せに成る事を願い、気持ちを伝えた。


「セイナさんは、サディオス様の事は、やはりダメなのですか、私はお似合いのカップルだと思うのですが」

聖女アイラナは如何しても、二人の事が気になって、セイナに尋ねた。


「うーん、今は良く分からないわ、周りで盛り上がっているみたいだけど、他に良い人が見つかるかもしれないし、今は仕事の事で頭がいっぱいだから、落ち着いたら、考えるかもしれませんけどねぇ」

セイナは正直な気持ちを聖女アイラナに話した。


「そうですよねぇ、セイナさんは忙しい方ですから、でも、いつかは心の支えとなる殿方が必要な時がきますから、素敵な出会いがある事を私は祈っていますわ、私もセイナさんに幸せに成って貰いたいと思っていますから」

聖女アイラナはセイナにお世話になっているので、真剣にセイナの幸せを祈っていた。


「セイナや、そろそろ行くのじゃ、聖女アイラナ、我達はこれで失礼するの、アザシンと仲良くなぁ、早く世継ぎが出来る事を願っておるのじゃ、もし子が生まれたら、その時はセイナを連れて見に来るのじゃ」

シルフィは聖女アイラナに別れを告げた。


「聖女アイラナ様、それではお元気で、シルフィが言ったように、子が産まれたら、伺わせてもらいますねぇ」

セイナも聖女アイラナに別れの挨拶をした。


 シルフィは、セイナを連れて、王城の玄関を出て、広い庭に出て、神龍に変身して、セイナを乗せて空へ飛び立った。


「セイナや、とりあえず今から、四本の聖霊樹を植えてから、帰るのじゃ、頼んだぞ」

シルフィは背に乗っているセイナに頼んだ。


 それから、セイナはシルフィが指定した場所に聖霊樹を植え付けて成木にして、四か所に植えてから、クラウンの屋敷に戻った。

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