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第七十三話 世界樹って何?

 セイナは世界樹については、異世界物の小説によく出て来た物で、小説を読んで得た知識はあるけど、それが、この世界の世界樹に当てはまるのか如何か疑問であった。


「アースリン、世界樹って、どうんな物なの教えてくれるかしら」

セイナがアースリンに思わず尋ねると、アースリンは聖霊女王の姿になり説明を始めた。


「はい、セイナ様、世界樹とは、この地の瘴気を魔素に変換する能力を持っており、聖霊樹の親的な存在でもあるのですよ」

アースリンがセイナ達に簡潔に説明をした。


「アースリンや、如何して、今になって、聖霊樹から世界樹に進化したのじゃ」

シルフィは、一先にアースリンに疑問に思った事を質問をした。


「はい、世界樹にも寿命があるのです。世界樹は本来、自分の寿命が途絶える前に種をある程度、実に着けて、それを守り人が収穫をして、其の種をある一定の距離を置いて植えて貰い、聖霊樹として育ちます。寿命が尽きた時に育った聖霊樹の中から、一つが世界樹の若木に進化して、次代に繋げて行くのですよ」

アースリンは世界樹の寿命と次代への繋ぎ方をシルフィに説明をした。


「それなら、何故今まで世界樹は存在していなかったのじゃ」

シルフィは更なる疑問をアースリンに尋ねた。


「それはですねぇ、守り人たるエルフ達が、その種を独占して植えなかったからです。当時の世界樹は、それでは次代に繋ぐ事が出来ないと判断して、自力で種を飛ばして蒔き散らしたのですが、その事が原因で寿命を速めて、朽ち果ててしまったのです」

アースリンは世界樹の悲しい歴史をシルフィに教えた。


「なる程の、それで飛ばした種が成長した聖霊樹を、今度は人間が滅ぼしてしまったと云う事かの」

シルフィはその後の展開が現在に至ると仮定をした。


「はい、その通りです。ですが今回、セイナ様が植えて下さった聖霊樹の種から、世界樹の若木が復活したのでございます」

アースリンはシルフィの言った仮定を肯定をして、今回の復活劇はセイナのお陰と説明をした。


「ねぇ、アースリン、世界樹が復活した事で、何か良い事でもあるのかな」

セイナは、アースリンに世界樹の若木の復活で、何か良い事が有るのか尋ねた。


「はい、若木のうちは、その存在する場所から、150kmの範囲の瘴気は大方収まりますねぇ、成木になると、全世界の瘴気が収まるはずです」

アースリンは世界樹の若木などの良い事をセイナ達に知らせた。


「あっ、それから、現存している聖霊樹の活性化にも成ります。聖霊や妖精の育成の加速化と、聖霊樹自身が種を聖霊や妖精を使って蒔いて行く事が出来るので、自然と増えて行くでしょう、勿論セイナ様が植えても、問題ありません、むしろドンドン植えて欲しいです」

アースリンは世界樹の功能を追加で知らせた。


「まぁ、それなら我が国の瘴気は大方収まると云う事ですねぇ、そうなると、この世界樹は絶対死守しなければいけませんねぇ、セイナちゃん」

王妃エリザベスは興奮気味にセイナを抱きしめて、セイナに告げた。


「うふふ、そうなると今度の守り人の代表はセイナじゃな、なんせ、この領地の当主じゃしなぁ、勿論我らも一員じゃ」

シルフィは、笑いながら、セイナに告げた。


「ハアー、また肩書が増えた様ですねぇ、私で出来る事なんか、限られているのにねぇ」

セイナは溜息を吐きなから、ぼやくように呟いた。


「セイナや、お主は、まだ自覚が足らんようじゃなぁ、まぁ、そこがまた面白い処ではあるがの」

シルフィはセイナのボヤキを聞いて、呆れた様子で呟いていた。


「セイナちゃん、私はそろそろ帰る時間だから、此処で失礼するけど、また今度王城に来てねぇ、約束よ、シルフィ様も是非いらしてくださいねぇ」

王妃エリザベスは、セイナとシルフィに別れを告げて、連れて来た従者達を引連れて、表の庭の方へと去っていった。


 セイナとシルフィは王妃エリザベスを其の場で見送り、そして再度世界樹の若木を見上げて、今後如何すれば良いのか、セイナは正直見当もつかず憂鬱な気分になっていた。


「うーん、正直困った物じゃ、世界樹をどう云う扱いすれば良いのかの、我も経験した事がないからの、セイナも大変じゃなぁ」

シルフィは途中から、他人事のようにセイナに丸投げしようとした。


「シルフィ、途中から他人事に成っているけど、シルフィも関係者なんだから、絶対に協力して貰うからねぇ」

セイナは、シルフィが関わりたくない事を察知して、念押しをして、関わらせると宣言をした。


 そんな会話をした後で、今日、予定していた絹実の収穫をセイナとシルフィはやり始め、黙々と絹実を摘み、一時程で切り上げて、工房の一階にある絹の生地を生産する工場へと向かった。


 絹実の実は眉上に成っており、茎の部分を絹実の実から抜き取り、そこに棒を刺して、刺した棒がクルクルと回る台に設置して、解れた処から繊維を一本引っ張るように取り出して、糸巻機に外れなくなるまで巻き付けて、それからゆっくりと糸巻機を回して、糸を巻付けていった。


「良し、これ位なら、上手く巻けるわねぇ、これで、少し様子を見ましょうか」

セイナは糸巻機が順調に、糸を巻付けていく様子を近くに在った椅子に座り、眺めていた。


「なる程の、この様にこの機器は使うのじゃなぁ、案外面白いもんじゃなぁ」

シルフィはセイナの横に、椅子を持って来て座り、その様子を感心しながら、セイナと同じ様に眺めていた。


 セイナは一巻き、巻き終わると、糸巻機をアイテムボックスに一旦、収納をして、三台を複製魔法で複製をして、その三台をアイテムボックスから出して、糸巻機を三台使って、糸を巻付けていった。

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