第七十二話 聖霊樹が進化して世界樹にって、なんで!
セイナは、アースリンとアイリンの能力が増えた事は、次の機会に確認する事にして、取敢えず王妃様に紹介をしたので、セイナの耳のイヤリングに戻って貰った。
「アハハ、え~と、王妃様には余り隠し事をしたくないので、アースリンとアイリンの事は、王家の方達の間だけで、止めておいて下さいねぇ」
セイナは、王家に余り隠し事をすると、変に思われと困るで、事前に王妃に知らせておく事にした。
「えぇ、勿論よ、他の者に知れると、厄介な事になるのは、理解してますからねぇ」
王妃エリザベスはセイナの気遣いに理解を示した。
セイナは、夕食の時間までは、王妃エリザベスに、この屋敷の名称をシルク工房と付けた事と、今後取り掛かる予定の物を説明をして、明日から、絹の生地作りを始める事を話した。
夕食の後に、従者たちは二階の部屋に住む様にして貰い、部屋割りは、執事のエリックに任せて、王妃の護衛騎士四人と従者二人は三階で相部屋で泊まって貰うことにした。
王妃エリザベスは、セイナの部屋に泊まりたいと言い出して、セイナともっとじっくりと話て、親睦を図りたい、姉妹に成ったのだから、良いじゃないと譲らず、セイナは仕方なく、一晩王妃と共に過ごす事になった。
セイナは王妃エリザベスと部屋に入ると、当然そこにはコハクとクインそしてハクもいるが、王妃は気にもせずに、コハクを抱かせて貰い、上機嫌でモフモフを楽しんでいた。
「ミレーナちゃんから、コハクちゃんを抱くと、モフモフがモノ凄く気持ち良いのよ、と聞いていたから、一度抱いて見たかったの、本当に良いわねぇ」
王妃エリザベスはコハクを抱いて、ご満悦であった。
コハクはセイナを困らせたく無かったので、仕方なく王妃に抱かれていたけど、王妃の抱き方が良かったのか、いつの間にか寝ていた。
セイナは王妃エリザベスに、追加の下着と肌着と赤いジャージをマジックバックに入れて、アイテムボックスから出して、マジックバックに王妃の手をあてて貰い、魔力登録を済ませてから、王妃の傍に置いた。
「王妃様、マジックバックの中に、追加の下着と肌着に、ここでの部屋着として赤いジャージを入れて置きましたので、後で着て下さいねぇ」
セイナは先程、耳打ちでお願いされていた物を王妃にプレゼントした。
「うふふ、ありがとう、セイナちゃん、ミレーナちゃんが持っていたのを見て、私も欲しくなちゃったのよ、ジャージと云う物も着心地が良いと聞いて、着てみたかっのよ」
王妃エリザベスは、セイナにお願いしていた物を貰い、笑顔で礼を述べていた。
「処で、セイナちゃん、私達はもう家族なのだから、何か困った事があったら、何時でも私の処に訪ねて来てくださいねぇ、セイナちゃんに取って王城は敷居が高いかも知れないけど、エルミナちゃんと共に一度来て貰えるかしら、お父様に一度会わせておきたいのよ」
王妃エリザベスは、セイナに一度王城に来てもえるように頼んだ。
「あっ、そうですねぇ、お父様には挨拶に行かないと拙いですねぇ、養女にして頂いた、お礼もしなければいけませんものねぇ、シルフィとエルフィも一緒に連れて行っても良いですか」
セイナは王妃の誘いを受け入れて、シルフィとエルフィの同行も確認をした。
「勿論よ、お父様も喜ぶと思いますよ」
王妃エリザベスは笑顔で、セイナの誠意を受け入れた。
「それと、聖霊樹の視察ですが、朝食後に直ぐにお連れしても良いですか」
セイナは王妃の希望で聖霊樹を見に行く時間を確認をした。
「えぇ、其れで良いですよ、明日は帰りますからねぇ、その方がゆっくりと見れて良いでしょう」
王妃エリザベスはセイナの提案を了承をした。
エリザベスは、セイナに公爵家の家族の事を話し、そして王家の事も少し話してから、コハクをベッドに寝かせて、それから一緒にお風呂に入り、その後に就寝をした。
セイナは王妃エリザベスより、早く起きて、シルフィと何時もの早朝練習をしてから、部屋に戻り、シャワーを浴びてから、着替えていると、王妃が起きてシャワーを浴びてから、侍女を呼んで、身支度を整えて、それから、セイナと一緒に食堂へ向かった。
セイナと王妃が食堂へ着くと、エルフィとハクは、サディオスを連れて特訓をする為に出掛ける処を出会って、セイナと王妃エリザベスはエルフィ達をその場で見送った。
「うふふ、サディオスも頑張っているみたいねぇ、少し男らしく成って来たわ、エルフィ様とハク様に鍛えて貰えれば、間違いないわねぇ」
王妃エリザベスは、凛々しくなってきた息子を見て微笑えんだ。
「アハハ、そうですかねぇ、まぁ、頑張っている事は認めますけどねぇ」
セイナはサディオスへ対する評価は厳しいものであった。
「セイナ、遅いぞ、早う食わんか、王妃殿も余りゆっくりしておると、聖霊樹を見る時間が無くなるのじゃ」
シルフィは朝食を食べながら、セイナと王妃に早く食べるようにと言った。
シルフィに言われて、セイナと王妃は急いで、朝食を取に行き、シルフィはセイナと王妃が食べ終わるまで、ゆっくりと寛いで、お茶を飲んでいた。
セイナは、王妃エリザベスと共に朝食を終えると、近くに居た、コハクを抱き、クインを連れて、王妃とシルフィと共に、工房の裏手に行き、先ずは絹実の畑を見せて、絹の生地の材料になる事を説明をしながら、聖霊樹のある池の畔へと向かった。
セイナが王妃に絹実から糸を作る事を説明をしながら、池の畔に辿り着き、王妃に聖霊樹を見せて、説明をしようと聖霊樹を見た瞬間にセイナは言葉を一瞬無くした。
「王妃様、あそこに在る大木が聖霊樹で、・・・・・あれ、何で、聖霊樹じゃないわよ、如何して」
セイナは驚き、如何して、聖霊樹の形状が変わっているのか、理解が出来なかった。
「あれは世界樹じゃな。おそらくの?」
シルフィは、昔あったと言われている伝説の世界樹だと思ったが、確信が無かった。
「セイナ様、セイナ様、あれは世界樹の若木ですねぇ、流石はセイナ様です。世界樹まで誕生させるとは、素敵です」
アースリンがセイナに囁くように教えた。
「王妃様、すいません、あれは聖霊樹ではなく世界樹の若木だそうです。良くは解りませんが、アースリンがそう申しておりました」
セイナは頭が混乱しながらも、王妃に世界樹の若木である事を伝えた。
その場に居合わせたシルフィも世界樹の事は、予備知識程度しか知らず、現物を見るのは、今回が初めてであった為に、セイナ達に上手く説明ができなかった。