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第五話 セイナは槍の稽古に励む

 セイナは旅の初日を無事に過ごせた事を加護を与えてくれた慈愛の女神メルリスに感謝をして、天に向けてお祈りを捧げ、其れから、ゆっくりと宿屋の部屋で休んでいるとふとある事に気づき、明日から槍術の稽古をする事を決意をした。


 セイナは槍術の心得があると云っても、高校の部活を引退してから、サッパリ槍術の稽古をしていない事に気付き、このまま本番で魔物と対峙した時に槍を振るえるか不安になり、早朝訓練をする事を決めて、早く寝る事にした。


 早朝、セイナはジャージに着替えて、アイテムボックスから槍を出して、静かに外に出て、近くの広い空き地を見つけて、早速、槍の稽古にを始めて、いざ振ると以外にイメージ通りに槍を振るえて、セイナは内心ホッとして、其のまま一時間程、槍の稽古を行った。


 セイナは稽古を終えて、宿屋の部屋に戻り、ジャージを脱いで、汗をかいた身体をタオルで拭き、其れから浄化魔法で身体を綺麗にしてから、改めて冒険者様に衣服に着替えて、一階の食堂に向かった。


 そして、セイナは食堂へ行くとエルミナとダイナスが二人で朝食を摂っていて、セイナはエルミナの隣に座り、店員に朝食を頼み、食事が来るまでエルミナと会話を楽しんだ。 


「セイナは今朝は早くに槍を持って出かけたけど、稽古でもしていたの」

エルミナがセイナが早朝に槍を持って出掛けていた処を見かけて尋ねた。


「はい、実は槍術の心得があると云いましたが、考えてみたら結構長い事、稽古をしていない事に気付きまして、このままでは、いざという時に戦えないなぁ、と思いまして稽古を始めました」

セイナは正直にエルミナとダイナスに話した。


 エルミナとダイナスはセイナの話を聞いて、にこやかに笑いながら、エルミナがセイナにアドバイスをしてくれた。


「そうねぇ、稽古をする事は良い事だわねぇ、なら稽古する時は私にも声を掛けてくれる。そうすれば相手をしてあげるわよ、やはり実戦形式の方が訓練になるから、素振りだけでは実戦では上手く戦えないわよ」

エルミナが、セイナに稽古相手になると言って暮れた。


「エッ、本当ですか、ありがとう御座います。やはり相手がいた方がいいですよねぇ、その時はお願いします」

セイナは嬉しそうにエルミナに稽古相手をお願いをした。


「ところでセイナ、今日は少し遅めに出るから、次の街まで二日ほど掛かるけど、その手前にもう一つ厄介な森を抜けなくては駄目なのよ、セイナが居るから多分大丈夫だと思うけどねぇ、だからその森の手前で野営する為に時間を調整するのよ」

エルミナがセイナに旅の日程を説明をした。


「其れに、その森には従来の魔物でも結構ランクの高い魔物が居てね、それに瘴気から産まれる魔物も居るからね、その辺で縄張り争いをしていてね、運が悪いとその両方の魔物に挟まれる事もあるんだよ」

ダイナスがセイナに教えて暮れた。


「あの、時間があるなら、今からでも稽古をつけてくれますか、エルミナさんお願いします」

セイナは時間が有るならと思いエルミナにお願いをした。


「あら、早速ヤル気を出したね、いいわよ、私も身体を動かしたいから」

エルミナも快く稽古相手を引受けて暮れた。


 其れからセイナとエルミナは広い空き地に行き、稽古を始めて、エルミナはセイナの槍術の腕前が中々の物だと感心をした。


「へぇ、意外とやるわね、云う事だけの事はあるわよ、これならランクの低い魔物と戦っても大丈夫そうねぇ、只ランクの高い魔物には、まだキツイかな、一人で戦うのは止めた方が良いわねぇ」

エルミナはセイナの槍術の技量を図り、セイナに伝えた。


「そうですか、でもある程度は戦えると自信が付きました。後はこれからもエルミナさんに稽古をつけて貰い、実践経験を積む事が大事ですねぇ」

セイナは手応えを感じて、これからも稽古に励む事にした。


 其れから、セイナとエルミナは更に半時程、打合いの稽古をしてから宿屋に戻り、旅支度を整え、宿屋を幌馬車に乗って旅発った。


「フゥ、何か久しぶりに身体を動かしたから、少し筋肉痛ですねぇ、でも気分が晴れて良かったです。エルミナさん、ありがとう御座います」

セイナは馬車の中で背伸びをした後に、エルミナに礼を述べた。


「そう良かったわね、でも私も馬車に揺られて、座りぱっなしだったから、身体が解れて良かったわよ」

エルミナは笑顔でセイナに答えた。


「あっ、そうだ、セイナに少し此の世界の常識を教えて於いた方が良いわねぇ、これから此の世界で生きて行くのなら、知って於いた方が良いと思うから」

エルミナはセイナに此の世界の常識を教えていなかった事に気付き、セイナに提案をした。


「あっ、そうですねぇ、自分が居た世界とは異なる事が多いと思いますので、お願いします」

セイナもこの世界の事を何も知らない事に気付き、エルミナに教えを乞う事にした。


 其れからセイナはこの世界の常識などを色々と、教えて貰い、興味のある事には質問をしたりと、エルミナとダイナスに教えを乞う事が出来て、有意義に時間を過ごす事が出来た。


「ところでセイナは、この世界で婚姻を考えているのかしら」

エルミナはセイナが婚姻について、興味を抱き思わず尋ねた。


「えっ、婚姻ですか、そうですね、好きな人が出来れば考えますけど、前の世界に居た頃は24歳頃に出来れば良いなと思ってましたよ」

セイナは自分の婚姻に対する考えをエルミナに伝えた。


「セイナは24歳頃が婚姻の理想だったの、この世界ではかなり遅いわよ、私はダイナスと婚姻したのは16歳よ、この世界の女性は遅くても18歳か19歳なのよ」

エルミナが、この世界の女性の婚姻事情をセイナに教えた。


「えっ、それじゃ、私は今18歳だから、現時点で恋人も居ませんから、完全に行き遅れですねぇ、まぁ、仕様がないですね、婚姻については余り考えない事にします」

セイナはこの世界で、婚姻は難しいと判断をした。


「うふふ、もし良かったら、私の一歳下の弟を紹介しても好いわよ、見た目は中々の男前で、根は優しく、好い子なんだけど、如何してか、女性が苦手なのよねぇ、私は随分と可愛がったのにねぇ」

エルミナの弟への発言を聞いたダイナスは、思わず横でため息を吐いていた。


 セイナはエルミナの隣で、ダイナスが思わず溜息を吐いた処を見た時に、これはきっと本人がそう想っているだけで、実際は違うような気がして、愛情がある故に過剰な接し方をしたのだと考察をした。

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