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第六十七話 セイナは別邸を改修する

 セイナは、池の水面を見て、浄化をする事は決めたけど、サディオスが居る処で、浄化魔法を使うのを躊躇い、シルフィとハクを呼んで相談する事にした。


「シルフィ、ハク、チョット来てもらえるかしら、相談したい事があるんだけど」


「なんじゃ、相談とわ」

シルフィはハクと共に、セイナの近くに寄り、セイナに尋ねた。


「あのねぇ、池の水を浄化したいけど、サディオスが居るから、如何しようかなぁと」

セイナは小さい声で、シルフィとハクに尋ねた。


「構わんじゃろう」


「問題無いだろうの」

シルフィとハクはセイナに隠す必要が無いと伝えた。


「セイナが気になるのなら、我から、サディオスに他言無用じゃと伝えておくから、遠慮なくするが良い、後は、聖霊樹の種を植える時にちゃんと妄想しておくのじゃ、後で笑い話になるのでのう」

シルフィはセイナに遠慮せずやれと言い、最後に余計な一言も添えて、サディオスの処へ行った。


「シルフィ、何それ、妄想なんか・・・、するわよ、思いっきりしちゃうんだから」

セイナはシルフィの最後の一言を否定しようと思ったけど、した方が後が楽だと思い、思いっきりしてやると叫んでいた。


 シルフィはセイナの声を聴いて、ニヤと笑い、サディオスの処に行くと、後方からエルフィも追いかけてきて、結局、サディオスはシルフィとエルフィに挟まれる形になり、小さく成っていた。


「良いか、サディオス、これから見た事は他言無用じゃ、これは王家の掟だと思っても良い、国王からも極秘事項と認定されている事じゃ」

シルフィはサディオスに脅しをかける程の殺気を放ち告げた。


「良いですか、サディオス、これから見る事は、何故貴方を鍛えているか、直ぐに判ります。それだけの価値があると云う事がねぇ」

エルフィはサディオスの顔を撫ぜながら告げた。


 サディオスは二人の言葉を聞いて、これは可成りヤバイ事だと知って、緊張をしながら、これから起きる事を見定める覚悟をした。


 セイナはシルフィとエルフィの方を一度見て、確認すると二人が頷いたので、池の畔に行き、そして地面に手を当てて、浄化魔法を一気に放った。


 そしてセイナから放たれた浄化の魔力が白銀色に輝き、瞬く間に池の水面を覆い、そして更に広がり屋敷全体をも覆って、そして収まった時には、池の水面はキラキラと輝く澄んだ水面に変わった。


「えっ、今のは浄化魔法ですか、聖女のとは全く違う、何て云う効力の高さなんですか、これがセイナの本来の能力という事ですか」

サディオスがセイナの浄化魔法を見て、驚いていた。


「何じゃ、今頃気付いてのか、セイナは、今まで何度も使っておったがなぁ」


「サディオス、驚くのはまだ早いですよ、面白いのがこれからなのですから」

シルフィとエルフィの話を聞いて更に緊張したサディオスであった。


「ハク、聖霊樹の種をどの辺に植えたら良いかしら」

セイナは次に聖霊樹の種を植える為に、どこに植えたら良いかをハクに尋ねた。


 ハクは周辺を見回して、小川が流れ込む、畔の処に行き、そしてセイナに前足で地面を叩き、植えるポイントを示した。


「セイナ、此処で良いだろう、ここが最適だと思う」


 セイナはハクが示した処へ行き、穴を魔法で掘り、そして種を植えて、そして聖水をかけて、種子育成魔法を使う前に、妄想をして、自分の中で一番の理想とする屋敷と畑に、そして池の周辺にゴムの木を植えるイメージも忘れずに妄想をして、遠慮せずに妄想してから、種子育成魔法を放った。


 セイナは種子育成魔法を種を植えた処に放出すると、直ぐに芽が出て、グングンと成長して、成木となり聖霊樹の大木に成長して、その聖霊樹を中心に更に魔力の輪が広がり、そして枯れはてた土地から次々と花が咲き誇り、そして枯れそうになっていた樹々がゴムの木に変化をしていた。


 そこから、魔力の輪は屋敷の方へ広がり、畑には絹実が育ち、そして屋敷も魔力の輪に呑みこまれていき、次いで庭園から門扉から外壁まで、セイナが授かった土地全てが魔力の輪に呑みこまれて、そしてパーと光り輝いてから収まった。


 それを見ていたシルフィとエルフィは拍手をしながら喜んで、サディオスは驚きの余りに呆然としていた。


「フウー、如何かなぁ、上手く行ったかしら」

セイナは周辺を見回して、見る限りではイメージ通りに出来ていると確信をした。


「うふふ、屋敷も綺麗になっておるのじゃ、これで直ぐに住めるの、中を見るのが楽しみじゃ」

シルフィは早速、屋敷の中を見る為に、屋敷の玄関の方へ向かって歩き始めた。


「それじゃ、私達も行きますよ、サディオス、惚けて無いで行きますよ」

エルフィはサディオスの腕を掴み、シルフィの後を追った。


 サディオスは屋敷の近くまで来て、古びた屋敷が真新しくなっている事にも驚き、そして屋敷の形も変わっている事にも驚いて、エルフィに腕を引っ張られて、屋敷の中へと連れられて来ていた。


 シルフィ達は屋敷の玄関から中に入ると、玄関ホールがあり、そこに、右手の工房の入口の脇に応接セットが一組置いて在り、セイナの工房と思われる施設があり、左手には、何やら変わった物が置かれて、シルフィ達には判らないものが在った。


 二階に上がる階段は左手に在り、上がっていくと左手に食堂とキッチンが在り、その隣に応接室があり、その隣から部屋が十部屋在り、部屋の中を見ると、お風呂とトイレが付いて割合と広く成っていた。


 三階は部屋だけで十二部屋が在り、後は物置があるだけであったのを見たシルフィは、余り大した物がなくて残念がっていた。


「なんじゃ、余り面白い物はなかったの、セイナの事だから、なんかあると期待したんだがの」

シルフィは何か面白い物が無いか楽しみにしていたが、肩透かしを食らった感じてあった。


「まあ、まあ、それでも立派な屋敷には違いないのですから、余り期待しすぎるのも如何かとも思いますよ、シルフィさん」

エルフィはシルフィを宥めていた。


「ですが、各部屋にお風呂とトイレが付いているだけでも、凄いと思いますが」

サディオスはそれだけでも凄いと感心をしていた。


 サディオスが自分の見た感想をシルフィとエルフィに話すと、二人がクスと笑いながら、サディオスの頭を撫ぜていた。

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