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第五十八話 セイナは騎士たちの防具造りでもやらかす?

 セイナはシルフィから、神龍の鱗を100枚を譲り受けて、気分上々で自分の部屋に戻り、机に鱗を一枚置いて、先ずは盾を造ろうと思い立ち、デザインと機能を妄想しながら、鱗に魔力を籠めて、盾の形を形成した。


「あら、流石は神龍の鱗だわねぇ、魔力を籠めただけで、盾の形になちゃった。うふふ、結構楽しいかも」

セイナは、妄想しながら、魔力を籠めて造った盾を見て、感激をしていた。


 その様子を見ていたクインは、呆れて見ていて、口には出さないが、【いや、神龍の鱗だからでは無く、セイナの魔力が凄いのです。普通はそうは成らないのですよ、セイナ】と叫びたい心境ではあったが、せっかく楽しそうにしているので、黙って見ている事にした。


 そしてセイナは腕宛てを造ろうと、もう一枚の鱗を出して、そして、妄想しながら魔力を籠めて、腕宛てを左右セットで造り、攻撃反射と軽量化とサイズ補正を妄想ししながら、填め込み式の物を妄想して、完成をさせた。


 因みに盾の機能は、攻撃反射と軽量化に、腕を通す持ち手の金具にサイズ補正をしていて、攻撃反射には、相手の剣を圧し折る機能を追加している。


 セイナは調子に乗って、鎧、兜、肩当、上腕宛て、股宛て、肘宛て、脛宛てなどを造って、騎士が使用する防具を一通り造り、エルミナに見せて行った。


「エルミナさん、今度城の騎士達が紛争のある地域に応援に行くと聞いたので、防具を造ったので、見て下さい」

セイナはご機嫌で笑顔で、エルミナに頼んたでいた。


「あらそうなの、それじゃ、見せて貰おうかしら」

エルミナは嬉しそうにしているセイナを見て、防具を見る事にした。


「はい、それでは、出しますねぇ」

セイナは騎士の防具をアイテムボックスから、一式出してエルミナに見せた。


「ふーん、何かすごそうねぇ、因みに何の素材で造ったの」

エルミナは見た瞬間に、これは可成りヤバい代物だと感じて、セイナに尋ねた。


 エルミナはセイナが、また何かをやらかしていると思い、念の為に確認をする事にしたけど、セイナの世間知らずな処で、色々とやらかす事を常に心配をしていた。


「はい、シルフィの鱗です」

セイナは屈託のない笑顔で答えた。


「えっ、シルフィ様の鱗って、セイナ、神龍様の鱗の価値を貴方は、知っているのかしら」

エルミナは頭を抱えながら、セイナに確認をした。


 エルミナは、セイナの屈託のない笑顔を見て、全くこの世界の常識を知らない事に頭が痛く成り、困ったわと思い、この子に先ずは、この世界の常識を教えないと駄目ねぇ、と改めて想っていた。


「いいえ、全く知りませんけど、どのくらいなのですか」

セイナは知らなかったので、頭り中で?マーク浮かべて、エルミナに聞いた。


「セイナ、鱗一枚で、最低でも金貨100枚は下らないのよ、それを簡単に、人前に出して、どうするの」

エルミナは呆れながら、セイナに注意をした。


「へえ、そんなにするのですか?、金貨100枚の価値も良く分からないのですが」

セイナはこの世界の貨幣価値がイマイチ、理解できていなかった。


「ア~、そこからか、そうねぇ、王都の民の平均年収が大体ねぇ、金貨40枚から50枚位なのよ、それで、どのくらいの価値か分かるかしら」

エルミナはセイナが理解し易い様に説明をした。


「なる程、大体年収の二倍の価値と云う事ですねぇ、何となく理解しましたけど、でも、タダで貰った物なので、ぜひ、お城の騎士達に使って欲しいのですけど、造っちゃた物ですから」

セイナはせっかく造ったので、使って欲しかった。


「判ったわよ、だけどタダで上げる訳にはいかないから、売値は幾らにするのかしら」

エルミナはセイナに幾らで売りたいか尋ねた。


「売値ですか、うーん、解らないので、エルミナさんに一任します。別にお金が欲しい訳でも無いので、お願い出来ますか」

セイナは良く分らないので、エルミナに丸投げをした。


「あっ、そうなの、全く欲がない子ねぇ、それじゃ、30人分、お願いねぇ、売ったお金はセイナに渡せばいいのよねぇ」

エルミナは今回、派遣される騎士の分を頼み、代金をセイナに渡せば良いのか確認をした。


「いいえ、私は一割で良いです。残りはクラウンの運転資金にして下さい。私は街で美味しい物が食べられるくらいで、良いので」

セイナは既に報酬で、金貨30枚を貰っていて、特に欲しい物がないので、小遣い程度で良いと思っていた。


「それはありがたいけど、本当にそれで、良いのねえ」

エルミナは念の為にもう一度、セイナに確認をすると、セイナは頷いた。


 エルミナは、セイナの屈託のない笑顔で頷いたのを見て、欲も無いけど、余りにも私を信じすぎるのも如何なのよ、他人を信じすぎるのも善し悪しだし、セイナにはもう少し、慎重さも必要なことを教育しないと駄目だと改めて思った。


「分ったは私の方で、お父様と交渉してみるわねぇ」

エルミナはその防具の価値が、国宝級以上である事は直ぐに判ったので、父である国王に相談する事にした。


 セイナはその場で、複製魔法で、直ぐに30人分の防具を用意をして、エルミナのマジックバックに仕舞って貰った。


「それでは、後はお願いします」

セイナは能天気に笑いながら、エルミナに任せて、エルミナの部屋から退出していった。


「ハアー、全くあの子ったら、あんなに良い笑顔をして、気楽に頼んでくれるわよねぇ、これどうするのよ、しかし、こんなのが他国に持ち出されたら、シャレにならないわねぇ」

エルミナは溜息を吐きながら、一人愚痴を溢して、直ぐに父である国王の元へ出掛けて行った。

 

 エルミナは父である国王と直ぐに会い、何時もの応接室で対面をして、セイナの造った防具を見せて、父である国王に説明をした。


「お父様、これセイナが、シルフィ様の鱗で造った防具よ、今回遠征に出る騎士達に使って欲しいと造ったみたいなの、これは間違いなく国宝級の代物よ、幾らかで買ってあげてくれないかしら」

エルミナは、善意で造った防具を幾らかで買って欲しいと頼んだ。


「何と、セイナ様が造った物か、これまた厄介なものを造ってくれたの、これは相当魔力が籠められとるぞ、ましてや神龍様の鱗で造った物だろう、うーん、今直ぐに出せるお金は金貨1000枚じゃな」

国王エリナスは直ぐに用意出来るお金をエルミナに言って、買い取る事にした。


「まぁ、取敢えず、それで良いわよ、今回の遠征で騎士達に試してもらって、それから取り扱いを考えれば良いと思うわ、実際に使わないとセイナが拗ねるから」

エルミナは今回、実際に使ってどのくらいの能力か、確認してから、今後の取り扱いを考えると云う事で、父である国王に提案をした。


「そうじゃなぁ、実際に使って見ん事には解らんからなぁ、セイナさんに拗ねられても困るからの」

国王エリナスは娘のエルミナの提案を了承した。


 そしてエルミナは防具30人分を、父である国王に渡して、エルミナは代金を受け取り、二人でその防具を見て、溜息を吐きながら苦笑いをしていた。


 それから、国王エリナスは今回派遣される騎士達を呼び、セイナが造った防具を一人ずつに渡して、試着して感想を知らせるように伝えて、試着する為に騎士達は一旦下がった。


 それから暫くして、騎士達は防具を着けて、国王の居る応接室に来て、着けた感想を国王エリナスに述べていた。


「とても軽く、身体に合うようにサイズ補正がされているので、着け心地が良いです」

騎士達の評価は、好評で、全員の騎士達が軽くて動きやすいと喜んでいた。


 その頃、セイナは自室で、コハクとモフモフタイムでベッドでゴロゴロしながら癒されて、明日は何をしようかと考えていた。

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