第五十四話 聖女アイラナとの憩いの場所
セイナはシルフィとエルフィが王家と手を結び、サディオスと婚姻させる計画が進行している事になっていると云う事とは、つい知らずに帰ったその日はゆっくり過ごした。
翌日になり、聖女ミレーナは聖女アイラナに会いに来て、国賓として扱う身分証を持ってきて、それを聖女アイラナに手渡した。
「聖女アイラナ様、その身分証があれば王都の出入りが自由に出来ますし、金貨100枚分、詰まり百万リラまでの買い物もできますので、使ってくださいねぇ」
聖女ミレーナは微笑みながら、国賓身分証の説明をした。
「聖女ミレーナ様、ありがとう御座います。ここまでして頂くとは恐縮致しますわ、ですが有り難く使わせて頂きます」
聖女アイラナは聖女ミレーナに礼を言って、その国賓身分証を大切にマジックバックに仕舞った。
「帰国する事が決まりましたら、ここのエルミナ様に伝えて頂き、帰りの際に、その身分証はエルミナ様にお返して頂ければ大丈夫ですので、エルミナ様も王家の者ですから、私の義理の妹に成ります」
聖女ミレーナは帰国の際と身分証の返却の方法も説明をした。
「私も、時々様子を見に会いに来ますので、その時は王都の街でも、ご一緒に散策致しましょうねぇ、多分警護にはセイナさんが就くと思いますが、私がその様に手配しますから」
聖女ミレーナは聖女アイラナに街の散策をセイナとする事を約束した。
「はい、その時を楽しみにしています」
聖女アイラナは笑顔で、聖女ミレーナに答えた。
それから少しの間だけ、セイナの話題で会話を楽しみ、それから、帰国した後も交流出来る様に、互いに連絡を取り合う様に致しましょうと、これからも友人として御付合いする約束して、聖女ミレーナは王城に戻って行った。
セイナは七日程の長期休暇の初日で、何をしようか悩んで、部屋でコハクとモフモフタイムを楽しんでいた。
セイナは聖女アイラナの事を思い、国に帰る時に何か役に立つ物をプレゼントしたいと思い、何が良いか、考え始めていた。
セイナは自然崩壊と云うキーワードをふと思い立ち、ステイタス画面で、自然崩壊を止める何か良い物が無いか調べる事にした。
「うむむ、自然崩壊を止める方法は、今の処は聖霊樹を植える他は無いですねぇ、聖霊や妖精を生み出す方法が他に無いです。困りましたねぇ、ねぇコハク何か知らない」
「クゥーン」【知る訳無いじゃん】
「そうだよねぇ、ハアー、何か無いかなぁー」
「コハク、クイン、気分転換に散歩に行こうか、ハクはまたサディオスと訓練に行っているみたいだし」
セイナはコハクを抱いて、クインと共に散歩へ出かける為に部屋を出た。
セイナは部屋を出ると、聖女アイラナが聖女ミレーナとの話が終わり、部屋に戻って来た処で会ったので、散歩に誘った。
「聖女アイラナ様、お早う御座います。私これから散歩へ行くのですが、一緒に行きますか」
セイナは挨拶をして、微笑みながら、聖女アイラナを誘った。
「お早う御座います。セイナさん、そうですねぇ、ご一緒しても宜しければ、お願い致します」
聖女アイラナも挨拶をして、セイナの誘いを受ける事にした。
聖女アイラナはそのまま、セイナ達と一緒に散歩へ行く為に、クラウンの屋敷を出て、王都の街を歩き、東の森へと向かった。
「聖女アイラナ様、コハクとクインに運動させる為に、東の森へ行きますけど大丈夫ですか」
セイナは念の為に確認をした。
「はい、先程、聖女ミレーナ様から、身分証を頂きましたので、王都から出るのも大丈夫ですよ」
聖女アイラナはマジックバックから、身分証を出してセイナに見せた。
「はい、それでは参りましょうか、朝の森も気持ち良いですよ」
セイナは笑顔で、聖女アイラナに話した。
それから、セイナはコハク抱いてクインを連れて、聖女アイラナと共に東門を出て、森の中に入ると聖女アイラナにある事を提案をした。
「そうだ、せっかくなので、この森の聖霊樹でも見に行きますか」
セイナは思い出したかのように聖女アイラナに聞いてみた。
「まあ、素敵です、ぜひ見に行きたいです」
聖女アイラナは喜んで、セイナ誘いを受けた。
「そうですか、それじゃ、遠いので、クインに乗って行きましょうか、クインお願い出来る」
セイナはクインにお願いをすると、クインは本来の姿に戻り巨大化した。
クインは本来の姿になると腰を落として、セイナ達が乗りやすい姿勢になってくれて、最初に聖女アイラナを乗せてから、セイナがコハクを抱きかかえて乗った。
「それじゃ、クイン、聖霊樹の処までお願いねぇ」
セイナがクインにお願いすると、クインは走り出して行った。
「クイン様も神獣フェンリル様だとは知っていましたが、本来はこんなに大きかったのですねぇ」
聖女アイラナはクインの本来の姿を見て、少し驚いていた。
「あっ、そうですよねぇ、聖女アイラナ様は初めて見ますものねぇ、そうなんですよ、この姿が本来の姿なのですよ」
セイナは、クインの本来の姿を初めて見た聖女アイラナに説明をした。
「ハクはクインより、二周り位は大きいですよ」
セイナは聖女アイラナにハクの事も説明をした。
聖女アイラナはハクについても、セイナから説明を受けて、少し驚いていたが、クインの走るスピードにも驚き、この速さで普通に乗っていられる事にも驚いていた。
「セイナさん、この速さで走っているのに、全然身体に何も負担なく居られる事にも驚きです」
聖女アイラナは何の負荷も無く乗っていられる事が不思議でいた。
「それはクインが、結界を張って、私達の事を守ってくれているからですよ」
セイナが聖女アイラナに簡単に説明をした。
そしてセイナ達は聖霊樹のある湖に到着して、クインの背から降りて、暫くそこで美しい自然を満喫して、コハクに運動をさせて、セイナは聖女アイラナと今までの思い出話に、聖女アイラナの国について話を聞いたりして、昼過ぎまでここで過ごしていた。