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第五十三話 シルフィとエルフィは王家と手を結ぶ

 セイナが眠りに就いた頃、王城では、聖女ミレーナがシルフィとエルフィを連れて、王家のプライベートスペースの応接室で国王エリナスと王妃エリザベスに帰国の報告と二人の紹介を行っていた。


「お父様、お母様、只今戻ってまいりました。役目を無事に果たしてまいりました。先に報告した通り、神龍のシルフィ様、神獣不死鳥のエルフィ様のお力をお借りして、何とか無事に出来たと思っております」

聖女ミレーナは国王と王妃に簡潔に報告をして、そして二人を紹介をした。


「これは、感謝致します。まさか神龍様と神獣不死鳥様にお会い出来るとは、光栄であります。此度の件については何とお礼を述べたら良いかと・・・」

国王エリナスは緊張した面持ちで礼を述べた。


「処でじゃ、国王はセイナの取り扱いについて、どう考えておるか、確認したくて参ったのじゃ、我達の聞かせて貰えんか」

シルフィはストレートに国王エリナスに尋ねた。


「はい、セイナ様には、基本的には永住して頂きたいと考えております。その為に王家としては、為るべくセイナ様に不快な想いをさせない様に配慮するつもりです」

国王エリナスは基本的な考えをシルフィに伝えた。


「それでセイナに関して、国王の理想の形は無いのかの」

シルフィは更にストレートに質問をした。


「理想の形ですか、あります。息子のサディオスとセイナ様が婚姻して頂き、王妃の実家の公爵家を継いで貰えば、それが一番の理想ですが、無理強いはする積りは御座いません」

国王エリナスは正直にシルフィに話した。


「はい、私もそう思っております。ですから慈愛の女神メルリス様に、毎日そうなる様に祈ってますわ」

王妃エリザベスは神に縋る思いで、毎日祈っているとシルフィ達に心境を話した。


「では、国王も王妃もサディオスとセイナ婚姻を望んでおると、考えて良いのだなぁ」

シルフィはニヤと笑い、国王と王妃に確認をした。


『はい』と国王と王妃は声を揃えて返事をした。


「ところで、公爵家には当然領地はあるのであろうなぁ」

シルフィは領地のの有無を確認をした。


「それは当然御座います。王都の隣の領地になります。領地としては国内では一番広いですわ」

王妃が直ぐにシルフィの質問に答えた。


「解った、我達もここに拠点を置くことを考えておるのじゃ、当然セイナの傍での、出来ればセイナの領地があれば尚、良いのじゃ、その話、我達も協力しよう」

シルフィはセイナとサディオスの婚姻に協力する事を、国王と王妃に明言をした。


「誠ですか、神龍様と神獣不死鳥様が、あの二人の婚姻に協力して下さると、それはありがたい。ですが、為るべく無理強いだけは避けて下さい。愛情の無い夫婦程、不幸な事は無いですからなぁ」

国王と王妃は喜んでいたが、無理強いだけは避けるように頼んでいた。


「当たり前じゃ、我達もそこまではせんよ、自然と愛し合う様に持って行く積りじゃ、そうでなくては意味がないのじゃ」

シルフィは何やら策がある様に、笑みを浮かべて国王達に告げた。


 それから、国王と王妃に聖女ミレーナも参加して、シルフィとエルフィとで、作戦会議が開かれて、その晩は宴を開いて、そこへ王太子エディオンも参加して、王家にシルフィとエルフィの連合軍が結成され、セイナとサディオスの婚姻をさせるべき鉄壁な布陣が出来上り、外堀は完全に埋まった状態になっていた。


「ところで、王家で、セイナとサディオスの婚姻を反対する者はおらんのか」

シルフィは念為に国王に尋ねた。


「おりません、エルミナもセイナ様を自分の妹にしたいと思っていますし、ミリアナはセイナ様をお姉さまと呼んでいるので、誰も居ませんぞ、むしろ歓迎一色です」

国王エリナスはセイナ様の事は王家では大歓迎だと豪語していた。


「私はもうセイナさんのファンですから、妹に成るのなら大歓迎です」

聖女ミレーナはセイナが本当に大好きであった。


「私はセイナ様の事は良くは、分かりませんが、妻のミレーナがそこまで気に入る女性なら、間違い無いと思うので、見守る事にします」

王太子エディオンは良く分からないけど、静観をして見守る事にした。


「あのセイナお姉さまと、サディオス兄さまが婚姻なさるのですか」

末娘のミリアナが参戦して来て、国王エリナスに聞いて来た。


「いや、まだ決まったわけでは無い、これからそうなる様に応援するのじゃよ」

国王エリナスは末娘のミリアナに話した。


「セイナお姉さまが、本当にお姉さまになるのねぇ」

ミリアナは、既にセイナが本当のお姉さんになる事を妄想していた。


 その頃、セイナは夕食の時間になり、食堂でメンバー達と食事を楽しんでいたけど、サディオスとは特に関わることも無く、ただセイナはクシャミを連発していたので、風邪をひいたかと思い、早くお風呂に入って寝る事を考えていた。


 その様子を見ていた、エルミナは内心穏やかでなく、これは中々難しいと思いつつ、何とか成らないかと頭を痛めて、明日にでも王城に行って、国王と王妃に相談する事を考えていた。


 翌朝、エルミナは国王と王妃を何時もの応接室に訪ねると、そこへシルフィとエルフィが居て、何やら話合いをしていたので、失礼しようかとしたら、国王エリナスに呼び留められた。


「丁度良い処に来た。エルミナ、さあ、さあ、そこに座りなさい。紹介しよう。神龍のシルフィ様と不死鳥のエルフィ様だ、話には聞いておるなぁ」

国王エリナスに紹介された、二人がセイナと契約した神龍様と神獣不死鳥様と、エルミナは直ぐに理解をした。


「はい、報告を受けているので、存じております」

エルミナは少し緊張気味に答えた。


「エルミナ、この二人が、サディオスとセイナの婚姻する為に協力してくれる事になったのじゃ」

国王エリナスは嬉しそうにエルミナに話した。


「誠ですか、それは助かりますわ、私もどうしたら良いのかと、頭を痛めていた処なので、とにかくセイナを何とかしないと難しいそうです」

エルミナは心の丈をシルフィ達に話していた。


「まあ、そう焦る出ない、セイナはサディオスを避けていると云う事は、意識をしている証拠じゃ、脈はあるのじゃ」

シルフィはエルミナに焦るなと諭していた。


 それから国王と王妃にエルミナも加わり、シルフィとエルフィとでこれからの事を話し合い、為るべく二人になる様に今後とも粘り強く仕組んで行く事に決めて、エルミナも協力する事に異議が無いので、シルフィ達の指示に従う事を約束をした。

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