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第四十八話 セイナの妄想炸裂、広大な野菜畑を作る?

 聖女ミレーナ一行は、池のある森の入口から、徒歩で向かう事になり、装備を整えてから、森の中を歩いて進み、セイナも魔装化した槍を手に持ち、二人の聖女の傍を護衛するように歩いていた。


 聖女ミレーナは何故かコハクを抱き、コハクのモフモフを味わいながら、微笑みご機嫌で、その隣に聖女アイラナが歩き、その付近をクインとハクが護衛をして、シルフィとエルフィはその後方をセイナを見守るように歩いていた。


 センナはサーチ魔法で周辺を警戒していたが、わずかに反応した魔物達は何故か遠ざかるように、サーチの圏外へと逃げ出していた。


「ウム、何故か、わずかに居た魔物達は遠ざかって行きますねぇ、私の槍術の腕前を聖女様に披露する事が、これでは出来ません、残念です」

セイナは少し残念そうにして、聖女ミレーナに伝えた。


「うふふ、大丈夫ですよ、セイナさんの槍術の腕前はシルフィ様からお聞きしていますから、可成りの腕前で、上級クラスだと聞いてますよ」

聖女ミレーナはセイナに微笑みながら伝えた。


 それから、半時ほど森の中を歩いていると、開けた所に出て、少し先に確かに、湖と云う程では無いが大きな池が見えていた。


 しかしもその周辺は、草木が枯れ気味で、疎らになっていて、瘴気の影響と云う物ではなく、周りは黒ずんでは無く、自然にそうなった感じで、これが自然崩壊の兆しと云うものであった。


「うーん、これはまさしく、自然崩壊の兆しですねぇ、瘴気によるものでは無いです」

エルフィはこの状況を見て、聖女ミレーナに告げた。


 そして池の水を見ると、少し濁り透明感が無く淀んでおり、決して綺麗な水質とは言い難いもので、生物がいる気配もない状態であった。


 聖女ミレーナは警備隊長に周辺の警戒を命じて、そして後半時程したら、交代で休憩を取るように指示を出して、それからシルフィとエルフィにどの様に対応するか相談をした。


「思った以上に深刻な状態の様ですが、どの様に対処したら良いのでしょうか」

聖女ミレーナは初めての事なので、シルフィとエルフィに対処方を尋ねた。


「基本的には、先ずは池の水質を綺麗にしなければ成るまい、浄化するしかないの」

シルフィは聖女ミレーナに水質を綺麗にすることからと話した。


「そうですねぇ、水質が悪いと聖霊樹が育ちませんからねぇ」

エルフィもシルフィの言う事を肯定した。


「しかし、これだけの池の水を浄化する事は、私には無理です」

聖女ミレーナは流石に、これだけの量の水を浄化する事は出来なかった。


「案ずるな、聖女ミレーナ殿、我も手伝うから、自分のできる範囲をすれば良い」

ハクが聖女ミレーナに手伝うと進言した。


 ハクは自分の能力の様に聖女ミレーナに話しているが、実際はセイナの浄化の魔力を放出するだけで、セイナ一人の魔力があれば、簡単に浄化する事が出来るけど、セイナの正体を明かす訳にはいかないので、この様な方法をとる事にした。


「あの、私もお手伝いしますよ、聖女ミレーナ様、私はお世話になりぱっなしですから、ここで少しでも、恩をお返しさせてください」

聖女アイラナは、聖女ミレーナにお手伝いすると伝えた。


「聖女アイラナ様、助かります。こ協力お願い致します。それでは、浄化を始めたいと思います」

聖女ミレーナは聖女アイラナと共に、池の畔に歩み、ハクも一緒に畔へと歩いて行った。


 そして二人の聖女は池の畔に立ち、浄化魔法の呪文を詠唱して、浄化魔法を池の水面に放ち、ハクもそれに合わせて、セイナの魔力を解き放った。


 セイナの浄化の魔力は白銀色の光を放ち、瞬く間に池の水面を覆い、二人の聖女まで巻き込んでいき、二人の聖女は自分の身体にも魔力が入り込んでくる感覚に襲われて、何やら、身体の奥底から変化の兆しを感じていた。


 そして暫くするとパァーと光り輝き、そして収まると池の水面は綺麗に輝き、生き生きしている様に見えていた。


 そして二人の聖女は自分の身体から、魔力が溢れ出る感覚に襲われて、自分のステイタスを確認して、驚いていた。


 聖女ミレーナは自分の魔力が二倍に増えていて驚き、聖女アイラナに至っては三倍に増えていて、驚き過ぎて唖然としていた。


「ハク様、私の魔力量が何故か二倍に成ってますが、これはハク様の魔力の影響を受けたと云う事でしょうか」

聖女ミレーナは直ぐにハクに確認をした。


「うーん、ウン、そう云う事にして暮れんか、我も良く判らんのでなぁ、今まで人と交流した事が無いのでなぁ」

ハクはセイナの魔力の所為だと言えずに、曖昧に誤魔化した。


「そうなんですか、私は三倍に成ってますが、こんな事が実際にあるのですねぇ、私はこの国に来てから不思議な体験をする事が多くて、興奮ばかりしている気がします」

聖女アイラナは、少し興奮気味に聖女ミレーナに話していた。


 そしてこれから、大御所の出番がきて、事前にシルフィはセイナから聖霊樹の種を預かっており、預かった種をシルフィは、池の畔に植えて、セイナに手順を教えている様に見せかけて、セイナに任せていた。


 セイナはいつもの様に聖水を種を植えた処に蒔き、そして。種子育成魔法を掛ける時に、先程の平原に色んな野菜が実る事を妄想しながら魔力を放出して、それが帰りに実現している事とは、セイナは知らずに後でまた後悔する事になる。


 しかし聖霊樹は、セイナの種子育成魔法のお陰で瞬く間に成長をして、それと同時に周辺に綺麗な花々が咲き広がって行った。


 その光景を護衛騎士や希望の盾のメンバー達も見惚れるように其の光景を眺めて、二人の聖女も、うっとりとしながら、その美しい光景を眺めていた。


 そして聖霊樹の周りには色んな色の玉の様に発行する玉が無数に飛び回り、聖霊樹から聖霊と妖精が産まれている事を物語っていた。


「ウン、上手く行ったようじゃ、これで徐々に、この領の土壌も改善されて行くのじゃ、聖女ミレーナ殿、聖女アイラナ殿、お疲れ様じゃ、戻るとするかの」

シルフィは美しい光景に見惚れていた二人の聖女に声を掛けて、戻る事を提案をした。


 聖女ミレーナはシルフィに、もう少しこの景色を眺めたいので、ここでお昼休憩を取ってから、戻る事にしたいとお願いをして、シルフィは仕方が無いと思い、聖女ミレーナの希望の通りにした。

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