第四十六話 将来の伴侶?
聖女ミレーナと共にセイナはコハクを抱いて、部屋に案内をされて部屋に入ると、早速いつもの様にジャージに着替えて、ラフなカッコになると背伸びをしてから、一番角のベッドに座り、コハクを抱いてモフモフを味わいながら心身ともに癒されていた。
そんなセイナを見ながら、二人の聖女も優しい笑顔を向けながら、セイナと同じ様にジャージに着替えて、ベッドに座り寛ぎ、シルフィとエルフィも同じ様にジャージに着替えて、聖女ミレーナとこの後の事をザックバランに話し合う事にした。
「ここの領は聖霊樹を植えれば納まりそうじゃ、瘴気ではなく、自然崩壊の兆しじゃ、他の国にもその様な現象が起こっておる処もあのからの」
シルフィは、ここの領の状態を見て、そう判断をした。
「あの、私の国も大丈夫でしょうか、あれだけの瘴気が異常発生しておりますから」
聖女アイラナは自国の事が心配になって来て、シルフィに尋ねた。
「うーん、それはそれで、いずれ対処した方が良いじゃろう」
シルフィはセイナを見ながら、聖女アイラナに答えた。
「それに関して、私は貴方を帰国させる際に、セイナも同行させようかと考えていますよ、あの子なら日帰りでも、何とかしてくれるでしょうから」
エルフィはシルフィと顔を見合わせて、そしてセイナを見ながら、聖女アイラナに話した。
「そうですねぇ、隣国が落ち着いてくれないと、私達の国にも影響が出ますから、何とかしないといけませんもの」
聖女ミレーナも其の件については同じ考えでいた。
そして、聖女ミレーナと聖女アイラナはセイナを横目で、見ながらシルフィとエルフィと話合い、そして今回は、この領で他にやることが無いか検討を始めた。
聖女アイラナも自国の立て直しの参考にしたいと想い、今回の事も参考になると確信をして、何をするのが一番いいのか、聖女ミレーナと共に考え、そして協力する事にした。
「この領は元々我が国の中でも優良な穀倉地帯でしたが、最近はその陰も無く成るほど、農作物の収穫が落ち込んできています。それが自然崩壊が原因なんて、考えもしませんでした」
聖女ミレーナはシルフィの話を聞いて、深刻な表情をした。
「そうじゃなぁ、聖霊樹は聖霊や妖精を生み出すものじゃ、聖霊と妖精は自然を司る役目を負っておるのじゃ、その存在が居なく成れば、自然は崩壊の一途じゃなぁ」
シルフィは聖霊樹の役割の重要性を聖女ミレーナに話した。
「しかし、聖霊樹を植える環境が、ここの領にあるのかが問題ですねぇ、湖が在れば尚良いですが」
エルフィが聖霊樹を植える環境の事を口にした。
「そう言えば、ダンジョン都市の聖霊樹の傍に小さかったけど湖が在りましたねぇ、あれはセイナの妄想で造ったものですよねぇ」
聖女ミレーナはシルフィに確認をした。
「うん、そうじゃがなぁ、あれに関してはダンジョンコアの特殊能力によるところが大きいのじゃ、セイナ一人の能力ではないのでの、確かにセイナの魔力が元で出来ているがなぁ」
シルフィはそれに関しては、セイナの単独の能力では無い事を聖女ミレーナに伝えた。
聖女ミレーナとシルフィ達が話合っている時に、使いの者が歓迎会の用意が出来たので、食堂に来て頂きたいと扉越しに声を掛けられて、聖女ミレーナは返事を返して、みんなで食堂に行く事にした。
そして食堂へ行き、各々が案内役の物に案内された席に着き、聖女ミレーナの隣にはオルディノ辺境伯爵が座り、セイナの右隣には、久しぶりに会うサディオスが座り、そして辺境伯爵が乾杯の音頭を取って、歓迎会が始まった。
そしてセイナの左隣にシルフィが座り、その隣がエルフィが座って、その奥の席に聖女ミレーナが座って居り、その隣にオルディノ辺境伯爵が座り、その隣に聖女アイラナが座っていた。
サディオスは久しぶりに見たセイナの胸が大きくなっている事に気付き、視線が胸に自然と向いていると、セイナが、サディオスと視線を送るり、ニヤと笑い、セイナはサディオスに話しかけた。
「あら、サディオスさん、久しぶりねぇ、ちゃんと稽古はしているのかしら、さっきから私の胸に視線を感じるのだけど」
セイナは自分の胸を揉み、サディオスに嫌味をいった。
「いや、そんな事は無い、確かに胸が大きく成った事には驚いたが、そんなに見ては居ない」
サディオスはセイナに、顔を赤らめて、否定をしていた。
「まあ、そう云う事にしておきますから、余り、こちらを見ないでねぇ」
セイナはサディオスに冷たく、冷ややかに伝えた。
そんな二人の様子を見ていたシルフィとエルフィはニヤと笑い、二人を監察しながら、食事とお酒を嗜んでいた。
そしてもう一人、聖女ミレーナはセイナとサディオスの事を事前に国王と王妃から聞いていて、何とか二人が結ばれないかと、聖女ミレーナも何とかしたいと思いながら、二人を見ながら思案をしていた。
聖女ミレーナは国王と王妃が心をから慈愛の女神メルリスに祈っていた事も知っていたので、何とか成らないかしらと思いながら、二人をもう一度見詰めて考え込んでいた。
「ところで、セイナ、隣の男と知合いの様じゃが、我達に紹介するのじゃ」
シルフィはニヤと笑い、セイナに頼んだ。
「ハァー、しょうがないですねぇ、王家の第三王子で、サディオス様です。クラウンで私のパートナーになる人ですねぇ、クラウンの代表のエルミナさんから頼まれたのです」
セイナは嫌そうな表情をしながら、サディオスを紹介をした。
「そうか、そうか、サディオスと云うのじゃなぁ、王家と云う事は聖女ミレーナ殿の義理の弟になるのじゃなぁ」
シルフィはニコと笑い、サディオスに声を掛けた。
「あっ、はい、神龍様じゃなくて、シルフィ様、私は第三王子のサディオスと申します。以後顔見知り置きを頂ければ光栄です」
サディオスは緊張した趣きで、シルフィに自己紹介をした。
「そうか、そうか、機会があれば、今度はゆっくりと話合おうじゃないか」
シルフィはセイナを顔を見ながら、サディオスに告げた、
「ハッ、機会があればお願いします」
サディオスは緊張をしながら答えた。
「シルフィ、こいつはハクだけで充分よ、相手なんかしなくて結構ですよ」
セイナは冷たくサディオスのこと言い、サディオスとシルフィ達の交流を良くは思っていなかった。
そんな調子で始まった歓迎会では、あったが、それなりに、楽しい時間を過ごせたセイナは満足をしていて、ご飯も割と美味しかったことも嬉しかった。