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第四十三話 ダンジョン都市の市街地を視察する

 聖女ミレーナ一行はダンジョン都市の中心部に向かい、ゆっくりと馬車を走らせ、向かっている最中、聖女ミレーナは街並みを見ては、セイナを見て、クスクスと笑い、セイナはそれを見て、顔を赤くして、聖女ミレーナと視線を合わせないように反らしていた。


「セイナさんは随分と乙女チックなのですねぇ、うふふ、でも街自体は素敵ですわ、本当にこんな街が他にも沢山出来れば、民達も喜ぶと思いますわよ」

聖女ミレーナはセイナを見ながら、笑顔で話した。


「本当にそうですわ、私もそう思います。それに瘴気も抑制できるのであれば尚更です。私の国にも、是非、つくって頂きたいものですわ」

聖女アイラナもセイナに笑顔で伝えた。


 セイナは二人の聖女に、色々と言われて、顔を赤らめて、穴があったら、そこに入って、隠れたい心境になり、居ても立っても居られない程に冷静さを欠いていた。


「うっ、何かとても恥ずかしいですよ、後先考えずに妄想してしまいました。これからは少し自重します」

セイナは恥ずかしさで一杯で、反省の弁を述べた。


「セイナさん、それはダメよ、反省なんかしなくて良いですわ、もっと色々とやらかして、私達を楽しませてくれませんと、いけませんわ」

聖女ミレーナはセイナはそのままで良いと、セイナに笑いながら話した。


「そうですよ、そんな素晴らしい才能を隠すのは、この世界に取って、マイナスに成ってしまいますわ、セイナさんは思いのままに妄想して、今の世の中に良い物を沢山つくって頂きたいですわ」

聖女アイラナも聖女ミレーナに同調して、セイナを励ましていた。


 そんなこんなで、二人の聖女はセイナを励まして、今のままのセイナでいて欲しいとセイナを元気つけているうちに、都市の中央に在るダンジョン入口の広場について、昼休憩を取る事になった。


 セイナは二人の聖女とシルフィにエルフィ、そしてハク達を連れて、ファミレス風のお店の中に入り、そこでお弁当を食べる事にした。


「ここのお店も素敵です。入口の扉が自動で開きましたよ、凄く驚きましたが、とても便利で、良いと思いましたわ」

聖女アイラナがセイナを見て、興奮気味にセイナに話した。


「私は、ある意味、ここに来て、良かった思いました。こんな素敵な経験が出来たのですから」

聖女アイラナはセイナに立て続けに笑顔で話した。


「ウフ、聖女アイラナ様はここに来てから、だいぶ元気に成りましたわ、良かったですわ」

聖女ミレーナは聖女アイラナが、セイナとの会話の様子を見て、聖女アイラナに伝えた。


「はい、そうですねぇ、セイナさんに元気を貰った感じですわ、セイナさんに感謝ですねぇ」

聖女アイラナは元気な笑顔で、聖女ミレーナに答えていた。


「それでは、皆さん、早くお弁当を頂いて、街の中を散策しましょうねぇ、色々と楽しそうですから」

聖女ミレーナは皆に笑顔で提案をして、早く街の中を散策したくてウズウズしていた。


 セイナはコハクを抱き、二人の聖女とシルフィとエルフィにハクとクインを連れて、昼食後にメンイ通りを散策して、ガラス張りのお店が建ち並ぶ商店街を歩き、自動で開くガラス張りのドアを開けたり閉めたりと遊んだり、街灯の柱を見て、鉄製である事に感心したり、見る物の大半が初めて見る物で、キャ、キャ、言いながら楽しんでいた。


 そして、一件の民家の中に入り、リピングを見たり、キッチンを見て、コンロのボタンを押すだけで、火が付く事に感動したり、そしてお風呂がある事に驚き、そしてボタンを押すだけで、お風呂が沸かせる事にも驚いていた。


「セイナ、ここにある物を商品化したら、世の中の人が大変便利な物を求めて、殺到するかもしれませんねぇ、ここにある物を開発しましょうねぇ」

聖女ミレーナは自分も欲しく成り、セイナに開発するようにお願いをした。


「しかし、ここが本当にダンジョンが在る都市とは思えませんわ、まるで観光する為の街ですわ」

聖女アイラナはこの街を見て、感想を聖女ミレーナ達に述べた。


「あっ、そうでしたねぇ、すっかり忘れていました。シルフィ様、ダンジョンは何時頃、活動を始めるのですか、入口が閉まってましたが」

聖女ミレーナは思い出しかようにシルフィに尋ねた。


「うーん、そうじゃなぁ、規模にも依るが、一月は掛かるのではないかの、セイナの魔力量からして可成り大規模になる可能性もあるからの、それに依っては一月以上掛かるかもしれんの」

シルフィは、大規模なダンジョンになる事を想定して、聖女ミレーナに伝えた。


「そうですか、ハッキリした時期は判らないのですねぇ、一月を目安に考えた方が良いですかねぇ」

聖女ミレーナはダンジョンが開く時期をシルフィに確認をした。


 それから、聖女ミレーナ達は、そろそろ時間なので、都市の中央の広場に戻る為に移動を始めて、セイナはコハクを抱き、恥ずかしくて無口なっていた。


 聖女ミレーナは、集合場所に着くと、サディエンス伯爵と今後の打合せと、今回のダンジョン都市の件を王家に報告するように指示をする事にした。


 聖女ミレーナがサディエンス伯爵と打合せをしている時に、ダイナスがセイナの処に来て、此の都市の感想とエルミナの事を話した。


「セイナ、この都市はセイナの妄想で造ったと、先程聞いたが、凄いなぁ、エルミナが居たら、泣いて喜びそうだよ、今度はエルミナを連れて来ようと思うよ、ダンジョンもある事だしねぇ、そうだ、ここに拠点を一つ置いても良いと思うなぁ」

ダイナスは笑顔でセイナに話した。


「アハハ、そうですねぇ、今度はエルミナさんと一緒に来たいですねぇ」

セイナは苦笑いをしながらダイナスに答えた。


 聖女ミレーナはサディエンス伯爵との打合せが終わると、ここに来た全員で宿屋のある街に戻り、明日の早朝に、次のオルディノ辺境伯爵の領地に向けて、出発することを決めた。

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