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第四十話 隣国の聖女アイラナ

 セイナはシルフィとハクと共に宿屋に夕刻の前に戻ると、直ぐに部屋に戻り、自分の身体に、生活魔法のクリンを掛けて、身体を綺麗にしてから、ジャージに着替えて、聖女ミレーナと普段通りに会話を始めて、コハクを抱き寄せて、モフモフをしながら楽しんでいた。


 シルフィはサディエンス伯爵と暫く話してから、セイナ達の居る部屋に戻って来て、セイナの様子を見て、安心したのか、エルフィの処に行き、ひそひそと会話を始めて、セイナを見ながら、呆れた表情をしていた。


 そして、セイナ達が部屋で寛いでいると、使いの者が来て、夕食の時間を知らせに来て、聖女ミレーナとセイナ達は食堂のに向かい、そして席に着くと、そこえ、聖女ミレーナの担当医が隣国の聖女アイラナを連れて来て、聖女ミレーナに紹介をした。


「聖女ミレーナ様、こちらが隣国の聖女アイラナ様です。つい先程到着しまして、こうして、挨拶をさせて頂く事になりました」

聖女ミレーナの担当医が隣国の聖女を紹介して、到着の報告をした。


「そうですか、先ずは夕食を先に頂きましょう、空いている席に着いて下さい。聖女アイラナ様も夕食を頂いてから、ゆっくりと私の部屋でお話をしましょうか」

聖女ミレーナは優しい笑顔で、担当医と隣国の聖女に話した。


 聖女アイラナは少し、やつれては居たけど、やはり聖女と云うだけあって、聖女ミレーナ様同様にとても綺麗な女性だなとセイナは内心感じていた。


 そして聖女ミレーナは食事の間に宿屋の者に頼みベッドをもう一つ自分の部屋に運んで貰う様に頼み、聖女アイラナを自分の部屋に泊める事にした。


 そして夕食を済ませてから、聖女ミレーナは聖女アイラナとセイナ達を連れて部屋に行くと、聖女ミレーナはセイナにニコと笑って、ある事を頼んだ。


「あら、やっぱりベッドを一つ追加したけど、狭く成ってしまいました。これじゃ簡易お風呂に入れなくなっちゃうわね、セイナ、例の魔法で少し拡張してくれないかしら、広くなる分には、文句は言われないでしょうから」

聖女ミレーナはセイナに白々しく拡張魔法をお願いした。


「ハァー、聖女様、また無茶振りをしてくれますねぇ、分りました。1.5倍でいいですか、流石に2倍は拙いですから」

セイナは部屋を1.5倍に空間拡張魔法で拡張した。


「流石はセイナさんですわ、ありがとう、それでは聖女アイラナ様、そこのベッドにお座りになって、これからどうするか、お話しましょうか」

聖女ミレーナは、隣国の聖女に話しかけた。


 聖女アイラナは部屋が急に広くなった事に驚き、少し呆然としていたが、聖女ミレーナに話しかけられて、言われた通りに指定されたベッドに座った。


「聖女アイラナ様、何故今、私達の国にいるか、それから話ましょうか、こちらのエルフィ様が貴方をこの国に運んできたのです。この方は神獣の不死鳥様ですよ」

聖女ミレーナはエルフィの事を紹介して、隣国の聖女を運んで来た事を教えた。


「そして、そちらの女性がシルフィさんですわ、シルフィさんは神龍様です。神龍様の天罰でサベラス王国の王城は焼き払われて、王族を排除したそうです。その前に貴方を救出したと云う事です」

聖女ミレーナは次にシルフィを紹介して、シルフィが王族に天罰を下した事を隣国の聖女に話した。


「信じられないでしょうが、これは事実ですので、ご理解お願いします」

聖女ミレーナは、隣国の聖女に事実である事を話した。


 聖女アイラナは、聖女ミレーナの話を聞いて、ただ、呆然とするだけであったが、眼から涙を流し始めてから、そして聖女ミレーナに話し始めた。


「私は、なぜ、国王と共に天罰を下されなかったのでしょうか、例え命令されたと云っても、私も民達に酷い事をしてしまったのです。後悔してもしきれない程に、何故私は斯うして、生きているのですか、・・・・」

聖女アイラナは話の途中で泣き出してしまった。


「聖女様、お主は好いている男の命を守る為に王命に逆らえんかったのだろう、それは民達も理解しておる。悪いのは、あの国王じゃ、たが安心せい、その男は我が救い出した。そして新たな国王に我が指名したのじゃ」

シルフィは聖女アイラナに好いている男の事を話した。


「えっ、それは本当ですか、彼が新国王にですか、ですが私は彼に合わせる顔がありません、私は如何したらいいのでしょうか」

聖女アイラナは新国王に会える立場では、無いと思い込んでいた。


「簡単じゃ。新国王と番になり、民達の為に共に働けば良い、それこそが、本当の罪滅ぼしだと、我は思うぞ」

シルフィは聖女アイラナに、これから民達の為に新国王と共に尽くせば良いと話した。


「そうですねぇ、これからの人生を民達の為に尽くせば良いと、私も思いますよ、ですが、貴方も好きな方と幸せにならなければ、民達も悲しむと思います」

聖女ミレーナは、聖女アイラナに微笑みながら話した。


 聖女は国のある種の象徴であり、その象徴が不幸であれば、民達も悲しむと聖女ミレーナは心の底から思っていて、自分自身も王太子エディオンと恋に落ち、そして婚姻をした時の民の喜ぶ姿が、未だに忘れられない、良い思い出になっていた。


「私にも、幸せになる権利があるのでしょうか、私があの方と結ばれて、民達も喜んでくださるでしょうか、私は不安です。民達に許して貰えるのでしょうか」

聖女アイラナは、心の底から、自分がした事が許されることなのかと、自問自答をしていた。


「それも、これから、お主がどう行動をするかに寄る処も大きいと思うぞ、償いの意味でも、民達といかに真剣に向き合うかじゃ」

シルフィは、今後の聖女アイラナの行動いかんに係っていると、聖女アイラナに告げた。


 聖女アイラナは、シルフィに自分の本当の想いを話して、今後の事を相談して、近いうちに、国の彼の元へ戻る事を決めた。

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