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第三十七話 襲撃

 聖女ミレーナとセイナ達を乗せた馬車は宿屋を出発をして、ゆっくりとした速度で街の中を移動をして、暫くして、街の外へと出て、一路国境沿いの街へと向かった。


「ところで、シルフィさん、敵軍を攻撃している時に近く街は見えましたか」

聖女ミレーナは思い出したかのように、シルフィに質問をした。


「うーん、あの時か、少しか離れた処にあったの、だが我は攻撃する際は、街に対して背を向けるようにして、間違って攻撃を当てない様にしておったから、被害は無い筈じゃ」

シルフィはその時の状況は自信を持って言えた。


「そうですか、それでは、敵軍は可成り近い処まで、侵攻をしていた事になりますねぇ」

聖女ミレーナは何か嫌な予感がしてならなかった。


「如何したのですか、何か不安な事でもあるのですか、残党が残って居るとでも思っているのですか」

セイナは聖女ミレーナを見て、不安そうにしていたので、思った事を伝えた。


「そうですねぇ、可能性の話ですが、街の中にも、潜んでいる可能性があると思ったのです。例えば手引きをする者とかねぇ」

聖女ミレーナは可能性として例をあげて話をした。


「なる程、その可能性はあるかもですねぇ、シルフィはそこまでは感知出来ませんよねぇ」

セイナもあくまでも可能性の話として、確認をシルフィにした。


「うん、そうじゃなぁ、流石に街の中までは見れんから、否定は出来ない」

シルフィは、その事に関しては否定はしなかった。


「まぁ、街に入ったら、警戒を強めれば良いでしょう、悪い事を考える奴なら、気配で解るはずです」

エルフィは、街に入ったら警戒すれば良いと提案した。


「街には、多分予定より早く着くでしょうから、私達が乗っている馬車を襲う魔物は出て来ないでしょうから」

セイナは神獣のトップ3が乗っている馬車を襲う魔物は、居ないと確信していた。


 それから聖女ミレーナの一行は、昼休憩を一時程取ってからも順調に旅路を進み、セイナの予想通りに日暮れ前には、目的地の辺境の街に辿り着いた。


 セイナは街に入る前に気配探知を魔法創造でつくり、そして街に入ると悪意を持った者達が居ないか警戒を強めていた。


「アッ、いますねえ、私達が泊まる予定の宿屋の近くに潜んでいます。その数は約20人位でしょうか」

セイナは、聖女ミレーナとシルフィ達に襲撃者達が居る事を知らせた。


「そうですか、居ましたか、20人位ですねぇ、分りました」

聖女ミレーナは少し、緊張した面持ちで窓を開けた。


「騎士さん、宿屋の近くに私達を狙う者が20人程いる様です。警戒を強める様に他の警備の方達に知らせて下さい。急襲されて怪我人が出ては大変ですから」

聖女ミレーナは、近くを護衛をしている馬上の騎士に警戒を呼び掛ける様に頼んだ。


「ハッ、判りました。伝えて参ります」

騎士は返事をしてから、馬を走らせて、警備隊長に知らせに行った。


「まぁ、直ぐに襲撃するとは限らんが、警戒する分には良いであろう、寝込みを襲ってくる事も考えられるが、様子を見るしかあるまいなぁ」

ハクが襲撃が直ぐに、なされるかは、疑問だと見解を述べた。


 ハクが話した後に、シルフィとエルフィは目配せをして、宿に着いた時の対応を念話で打合せを行い、エルフィが先陣を切って、前に出る事で一致して、いざと云う時は特殊能力で、相手を捕獲する作戦を取る事にした。


「聖女殿、宿に着いたら、私とハクが先に降りますから、セイナの後に聖女殿がコハクを抱いて、降りてください、後方はシルフィとクインに任せますから、皆さん宜しいですか」

エルフィが馬車から降りる順番を皆に指示をした。


「聖女ミレーナ様、私がしっかりガードしますから、安心してくださいねぇ」

セイナは聖女ミレーナの身は、私が守ると決意を示した。


 そして聖女ミレーナ一行は宿屋の表通りは人混みがあり、一般の民まで巻き込む可能性があると見て、警備隊長の判断で、裏手の空いている通りに馬車を回して、宿屋の裏手から、宿屋に入る事にした。


「やはり、馬車の後を付いて来てます。これは間違いなく襲撃をしてきますねぇ」

セイナが気配探知で襲撃者の動向を皆に知らせた。


 そして聖女ミレーナ一行が宿屋の裏手の入口の前に止まると、直ぐにエルフィとハクが馬車から飛び降りた。


 襲撃者達が一斉に馬車の方へ襲撃を仕掛てきたが、ハクが強烈の殺気を放ち、動きを止めると、エルフィが特殊能力を使い、襲撃者達の足元に黒い円が出現すると、襲撃者達は黒い円の中に呑まれて消えて行った。


「うーん、襲撃者達の気配が消えましたよ、何をしたのです」

セイナが馬車から降りると、エルフィに質問をした。


「セイナ、それは聞かない方が良いぞ、聞くと後悔する事になる。世の中には知らない方が良い時もあるからの」

シルフィはセイナに聞かない事を奨めた。


「そうですよ、平たく言えば、私の影となり、私の手足になると云う事です」

エルフィは簡潔にセイナに教えた。


 セイナは何となく想像出来たので、成程、可成り悍ましい事になっていると思い、深く聞くと眠れなくなりそうなので、聞く事を辞める事にした。


「何となく、理解したので、ここ迄にしておきますねぇ、エルフィさん」

セイナはそれで、納得する事にした。


 その様子を見ていた護衛騎士達と希望の盾のメンバー達も、神獣の頂点の一角の不死鳥様がした事に関しては、誰もが触れない方が良いと判断をして、見て見ぬ振りを貫く事にした。


 それから、聖女ミレーナ一行は宿屋に入り、何時もの様に休む事にして、今日一日が何後も無く無事に過ごせた事を女神に感謝する事にした。

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