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第三十六話 空間拡張の魔法

 セイナはシルフィとエルフィを仲間に加えた翌朝の早朝稽古に、シルフィが稽古相手を申し出てくれたので、相手をして貰い、シルフィは同じ槍を使い、セイナの攻撃を完璧に交わして、見事な槍捌きをセイナに見せた。


「フウー、シルフィさん流石です。全く一本も取れる気がしません、見事な槍捌きです。とても勉強になります」

セイナは色々とフェイントを掛けたり、タイミングをずらしたりと、工夫をして攻めたけど、全て完璧に受けられてしまった。


「まぁ、伊達に長く生きて居らんからの、それなりに何でも極めてきたのじゃ、それに18歳の小娘にやられては、我の立場が無くなるではないか」

シルフィは笑顔でセイナに話した。


「だか、筋は良い、我とこれくらい打合いが出来れば、大したものだと思うぞ」

シルフィはセイナを褒めて、自分の中では、主として合格点を出していた。


 セイナは早朝稽古を終わらせて、コハクを抱きしめて、聖女ミレーナ達が居る部屋に戻り、今日の予定がどうなったか、聖女ミレーナに確認をした。


「ミレーナ様、今日の予定はどうなっているのか、連絡が来ましたか」

セイナはコハクを降ろして、汗を拭きながら、ミレーナに確認をした。


「うーん、それがまだなのよ、シルフィさん、敵軍を攻撃していた時は、どの辺を攻撃してたか、解りますか」

聖女ミレーナは連絡がこない事に不安になり、シルフィに確認をした。


「うーん、ハッキリとは解らんが、多分こちらの国の国境は超えていないと思うのだが、すまん余り自信が無い」

シルフィはその時の事を想い出しながら、ミレーナに話した。


「それもそう様ねぇ、線が引いて在る訳でもないものねぇ、国境って結構曖昧な処が在るものねぇ」

聖女ミレーナはシルフィの言った事に理解を示した。


 それから、セイナは着替えて、コハクを抱いて、聖女ミレーナ達と一緒に食堂に行き、他の騎士や希望の盾のダイナスに聞いたが、まだ何も連絡がないとの事であった。


 そして聖女ミレーナ一行の全員で朝食を摂り、今日の予定がどうなのか、心配する声が大半を占める中、ようやく遅れてサディエンス伯爵が来て、詫びを入れてから話し始めた。


「聖女ミレーナ様をはじめ皆さんに、ご心配をお掛けましたが、食事が済み次第、出発して頂きたい、連絡が遅れた事、深くお詫びいたします」

サディエンス伯爵は額の汗を拭きながら、頭を下げてお願いをした。


 セイナは食事が終わったら、出発と聞いて、先ずは一安心したが、部屋に戻ってから、馬車に乗る時の事を一瞬考えて、シルフィとエルフィをどうするかを思い出して確認をした。


「シルフィとエルフィも当然私達と一緒に行くのよねぇ、馬車は狭くて乗れないけど、どうするの」

セイナはシルフィとエルフィに確認をした。


「当然、セイナの傍におるから、馬車に乗るが、心配するな、空間拡張魔法を使えば良いのじゃ、セイナなら使えるはずじゃ」

シルフィが当然と言わんばかりにセイナに言った。


「えっ、何それ、空間拡張魔法なんて、私は使った事無いわよ」

セイナは使った事の無い魔法をどうすれば良いのか、解らなかった。


「セイナさん、貴方のスキルに魔法創造があるでしょう、その中にあるから、馬車の中を二倍くらいで充分じゃ無いかしら」

エルフィはセイナのスキルにあるから使えば大丈夫と言った。


「えっ、なんで、エルフィは私のスキルが解るの」

セイナはエルフィが自分のスキルを知っている事に不安を感じた。


「何でって、私達は従魔契約したでしょう、その時にセイナの情報は全部、私達の頭の中に入って来ているのよ、当り前でしょう」

エルフィはセイナの情報は全て把握していると言った。


「えっ、それじゃ、私のプライバシーはどうなるの」

セイナはシルフィ達に丸裸にされた感覚になった。


「大丈夫じゃ、これから先の事は解らんから、心配するなぁ、それに知られてヤバいものなんか有るのか、セイナは」

シルフィはセイナに心配するなと話し、特に問題のある事は無いとも言った。


「ウムム、別に無いです。でもでも、私にだって知られて困る事の一つや二つはありますから」

セイナはシルフィとエルフィに見栄を張った。


「無い、セイナには何も無い、見栄を張るのはよしなさい」

「無いな、セイナには知られて困ることなど、我達には全くない」

エルフィとシルフィはセイナに断言をした。


 その様子を見ていた聖女ミレーナは腹を抱えて笑い、涙を流しながら、何かを言おうとしていたが、余りにおかしな会話を聞いて、笑いすぎて、何を言おうとしたが忘れて、只笑っていて、収まるまで、少しの時間を要した。


「うふふ、フーフ、もう可笑しくて、何を言おうか忘れそうになったわよ、セイナさん、そろそろ行くわよ、シルフィさん、エルフィさんも行きましょうか」

聖女ミレーナは涙を拭きながらセイナ達に告げた。


 聖女ミレーナはセイナ達を連れて、宿屋を出て、馬車が到着してから、エルフィがセイナを呼び、そして空間拡張魔法の使い方を説明をして、そしてセイナに空間拡張魔法を使わせて、馬車の中を二倍の広さにして、四人とハク達か余裕で入れる広さになった。


「あら、空間拡張魔法って凄く便利ですねぇ、外観は変わらないのに、中が広くなってます。凄く経済的ですねぇ、この魔法が定着すれば、何かと安上がりに出来そうです」

聖女ミレーナは思わず主婦感覚で話していた。


 そして、聖女ミレーナは馬車に乗り込み、その後にセイナとコハクにシルフィ、エルフィと入り、最後にハクとクインが馬車の中に入り、余裕で座れて、ハクとクインも床が広がったので、丁度良いスペースが出来て喜んでいた。

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