第三十一話 簡易お風呂に入る
王都を発ってから、聖女様御一行は順調に旅を続けて、魔物の襲撃が一度も起こらず、夕刻前には宿泊予定の街に到着して、聖女ミレーナはセイナ達に感謝をした。
「思った以上に旅が順調でした。これはきっとハク様とクイン様のお陰では無いでしょうか、本来なら、此処まで来ると魔物の襲撃が少なくても一度か二度はありますから、三年前までは酷かったですけど、今回は一度も有りませんでした。ありがとう御座います」
聖女ミレーナはハクとクインを見て、お辞儀をして、礼を執って感謝をした。
「なに、礼をされる事は何もしていない、セイナのお陰だと思って欲しい、我達はセイナの従魔なのだ」
ハクは聖女ミレーナに礼を述べるのはセイナにと進言をした。
「そうですねぇ、セイナさん、貴方が居てくれて、本当に助かりました。ありがとう、セイナ」
聖女ミレーナは微笑みながら、セイナを見て、キチンと頭を下げて礼を述べた。
そして街の中をゆっくりと移動していると馬車が止まり、如何やら宿泊する宿に到着した様で、馬車の扉の向こうから騎士の声が聞こえた。
「聖女様、宿泊の宿に到着いたしましたので、どうぞ馬車からお降りください」
騎士が到着を知らせた後に扉が開いた。
「ところで、セイナさんは今晩から、部屋は私と一緒にして貰ってますから、ハク様とクイン様も当然同室なので、コハク君と共に一緒に参りましょうか」
聖女ミレーナはセイナの手を握り、馬車から降りて、部屋にそのままセイナの手を握り、ハク達を引連れて部屋に向かった。
そして聖女ミレーナはセイナ達と共に部屋に部屋に入ると、直ぐに部屋の扉を閉めて鍵を掛けて、セイナに催促するように、頼んだ品物をセイナにお願いして出して貰った。
「セイナさん、頼んでいたものは御座いますか」
聖女ミレーナはセイナに直ぐに確認をした。
「あっ、はい、御座いますが、その前に、聖女様の魔力登録をさせて下さい」
セイナは自分のマジックバックから、もう一つマジックバックを出して、テーブルの上に置いた。
「あら、此れはもしかして、マジックバックですか。まぁ、素敵です、もしかして、このバックも頂けるのですか」
聖女ミレーナは嬉しそうに、セイナにそのバックも貰えるのか、確認をした。
「はい、そうですよ、荷物が荷物ですから、聖女様も手許に合った方が安心できると思いまして、すいませんが、バックのここに手を充てて貰えますか、そして魔力を流して下さい」
セイナは聖女ミレーナにバックの側面に手を充てて貰い、そして魔力を流して貰った。
その上にセイナは自分の手を置き、そして同じ様に魔力を流して、聖女様の魔力を登録を行い、バックが一瞬光った処で登録が完了した。
「はい終わりました。この中に頼まれた品物が入っているので、ご確認お願いします」
セイナはマジックバックの魔力登録が終わっので、説明をしてから、着替える事にした。
セイナは何時もの様に部屋着のジャージに着替えていると、聖女ミレーナはセイナの部屋着を見て、不思議そうな顔をして眺めていた。
「あっ、聖女ミレーナ様、もし宜しければ、そのバックの中にも同じ物が入ってますから、着てみますか」
セイナは笑顔で聖女ミレーナに尋ねた。
「まぁ、そうなのですねぇ、動きやすそうで、快適な感じがします。ぜひ着てみたいです」
聖女ミレーナは嬉しそうにセイナに伝えた。
それから、聖女ミレーナはバックの中を確認すると肌着とジャージを見つけて、それに同色の白のブラとパンティを手に取って、着替えて、それに肌着を着て、それから白とピンクのツトンカーラーのジャージの上下を手にとり、着替えて、上着のジャックをセイナに閉めて貰った。
「まぁ、このジャックと云う物は便利ですねぇ、簡単に前を閉める事ができますのねぇ」
聖女ミレーナはジャックに感動をして、何度も閉めたり、外したりして練習をしていた。
「アハハ、気に行って貰えて何よりです」
セイナは聖女ミレーナの反応に少し引き気味になりながらも、苦笑いしながら答えた。
「しかし、この下着のつけ心地は最高です。王妃様からお話は聞いていましたが、王妃様の言う通りですねぇ、それに、このジャージも着心地がいいです」
聖女ミレーナはその場でクルっと回り、そして身体を色々と動かして、その機能性を味わっていた。
そして部屋の扉がノックされて、使い者が夕食の時間なので下の食堂にお越し下さいと、扉越しに夕食の時間を知らせに来ていた。
「はい、分かりました。直ぐに参りますので、知らせて頂きありがとう御座います」
聖女ミレーナは明るく返事をしていた。
「それでは、参りましょうか、セイナさん、ハク様、クイン様も御一緒致しましょう」
聖女ミレーナはセイナ達に声を掛けた。
セイナはコハクを抱いて、ハク達を連れて、聖女ミレーナの後をついて、一階の食堂に向かい、聖女ミレーナはセイナの腕をとり、自分の隣の席へと連れられて、そこで夕食を食べる事になり、解放をして貰えず、ハク達もその傍でお肉の塊を食べていた。
セイナと聖女ミレーナは夕食が終わり、部屋に戻ると扉の鍵を閉めて、この部屋にはお風呂が無かったので、簡易お風呂をマジックバックから出して、お風呂に入る準備をセイナが始めた。
「聖女様もお風呂に入りますか、入るのなら、ご一緒致しますか」
セイナは聖女ミレーナに確認すると、即答で返事が返って来た。
「はい、ご一緒いたします。素敵ですわ、まさか此処でお風呂に入れるなんて」
聖女ミレーナは感動をしていた。
そしてセイナがお風呂の準備を終えてから、聖女ミレーナと二人でお風呂に浸かり、今日一日の疲れを取っていた。