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第三十話 セイナは初めて聖女様の護衛任務に就く

 セイナは早朝に聖女様の護衛任務に就くメンバー達と集合場所に集まり、挨拶を交わして、今回のリーダーであるダイナスから説明を受けた。


「今回の聖女様の護衛任務に就くメンバーは私とセイナに従魔のハク、クイン、コハク、そしてルビナスとサンタナに、今回からうちのクラウンで預かっているサディオスで、今回の任務を行う、皆、此処までいいか」

ダイナスはメンバー達の顔を見て確認をした。


「そして、これから向かうのは、サディエンス伯爵領である。隣国からの瘴気の影響で、穢れた魔物達が多数出現していると云う話だ。それを今回、聖女様が穢れを払い、穢れた魔物の出現を抑えるのが第一の任務だそうだ」

ダイナスは、聖女様の第一の任務内容をメンバー達に説明をした。


「質問です。隣国から瘴気が流れ込んできているのですよねぇ、それって切りがないのでは無いでしょうか」

ルビナスがダイナスに質問をした。


「それについては、我が対策を取るので、心配するなルビナス殿」

ハクがルビナスに向けて、言葉を発した。


 ハクは瘴気の排除には、セイナの魔力を自分が調整をして解放する事で瘴気を浄化してから、聖霊樹の種を植えて成長させて、聖霊樹の妖精や聖霊の力を借りて、瘴気の浄化する事を考えており、そして自分が居た森の聖霊樹と地脈を通じて、パスを通して効果を高める方法を考えていた。


「あっ、これは初めまして、神獣ハク様、セイナから話は聞いております。これから宜しく願いします。ハク様が対策を取って頂けるのなら、お任せ致します」

ルビナスは神獣フェンリルであるハクに任せる事にした。


「ウム、任せるが良い、サンタナ殿も今回が初めて会うが、宜しく頼む。我の主が前に世話になったと聞いておる」

ハクはサンタナにも声を掛けて挨拶をした。


「これは、ハク様、恐れ入ります。私の方こそ宜しくお願い致します」

サンタナはハクに挨拶されたので、自分も礼儀として挨拶をした。


「うん、まあ、そして聖女様の第二の任務は隣のオルディノ辺境伯爵領だが、こちらは念の為に向かうと言う事だ、瘴気が直ぐ傍まで来ている様なので、その対応と云う事だ」

ダイナスが第二の任務についても説明をした。


「我々は、その任務に就く聖女様の護衛任務になるので、宜しく頼む、セイナは聖女様と馬車に乗り、従魔達と傍で護衛にあたって貰う、これは聖女様の希望でもある」

ダイナスはメンバー達に説明を終えて、セイナに聖女に乗る馬車に向かう様に指示をした。


 セイナはコハクを抱いて、ハクとクインを連れて聖女様が乗る馬車に向かい、そして馬車の扉の前にセイナ達が来ると、扉が勢いよく開き、そこから聖女であるミレーナが飛び出してセイナに抱き付き、歓迎をした。


「貴方がセイナさんねぇ、宜しくねぇ、会いたかったわよ、それにコハク君ねぇ、可愛いです」

聖女ミレーナはセイナと抱き付いた後に直ぐに離れて、コハクを見て、頭を優しく撫ぜていた。


「そして、ハク様、クイン様、宜しくお願い致します」

聖女ミレーナはコハクとの挨拶を終えてから、ハクとクインに対してキチンと礼儀を取り挨拶をした。


「うむ、こちらこそ、宜しく頼む」

ハクも聖女ミレーナに挨拶をして、クインは頭を下げて挨拶をした。


 それから、セイナは聖女ミレーナの勧めに寄り、馬車に乗り込み、聖女ミレーナの正面にセイナがコハクを抱いて座り、ハクは聖女ミレーナの隣で横になり、クインはセイナの席の隣で横になっていた。


「ハク様、クイン様、床が狭くて窮屈な想いをさせて申し訳ありませんが、暫くは我慢してください」

聖女ミレーナはハクとクインにお詫びをした。


「気にする必要は無い、横になれるのなら十分だ」

ハクは聖女ミレーナの気遣いに感謝をしつつ話した。


 そして馬車は動き出して、西のサディエンス伯爵領に向けて出発をしたので、セイナは少し窓を開けて、王都の街並みを見る事にした。


「セイナさん、貴方は今回の任務をどう思いますか、隣国は何を考えて、聖女の応援要請を出して来たのでしょうか、ちかも無理な条件で」

聖女ミレーナは何か嫌な予感がして、不安な気持ちをセイナに話した。


 聖女ミレーナは隣国サベラス王国と我が国は昔から領土の問題で、サベラス王国から侵攻を受けて来た歴史があり、今回も何か起こる可能性があると、何か嫌な予感を感じていた。


 聖女ミレーナは、現状では瘴気の異常発生が頻繁に起こり、戦争を仕掛ける余裕が無いだけで、何か理由が有れば侵攻してくる事もあり得ると考えていた。


「そうですねぇ、多分この国に揺さぶりを掻けて来ているのでしょう、瘴気の異常発生と云う事を利用してねぇ」

セイナは隣国の国王が考える事を想定して、聖女ミレーナに自分の考察を話した。


「やはり、そうなんでしょうねぇ、我が国は幸い落ち着いていますから、それはきっとハク様のお力も在るとは思うのですが」

聖女ミレーナはハクを見ながら、セイナに自分の考えを話した。


「ウム、もし仮に侵攻をしてきたら、我が全力で潰すがなぁ、この国は我の領域でもあるのでなぁ」

ハクは自信あり気に聖女ミレーナに話した。


「そうですよ、此処には私の主セイナも住んでいます、セイナの生活を脅かすもの達には、私も全力で戦いますから」

クインはセイナの為なら、全力を尽くして戦うと宣言をした。


 その時セイナは、ハクとクインが燃えるように闘志を剝き出しにした事を大変心強く思っていたけど、他に厄介事が起きる気がしてならなかった。


 セイナはコハクを抱きしめて、先日、ハクが話していた神龍の話を思い出して、気っと今回の件に絡んでいるのではないかと、そんな気がしてならい、多分私を誘き出す為に仕組んでいるのではないかと、そう想えてしょうがなかった。


 セイナは今回の依頼で、次々と、この後に起こる厄介事に頭を痛める事になるが、それはハクも予想できない程の事で、まさか、いきなり、セイナの周りに神獣のトップ3が揃うとは誰も考えが付かなかった。


 セイナはこのまま、静かに幸せな人生を送れるのでしょうか、セイナの思惑とは別の力が働いて、セイナはこれからも厄介事に付き纏われる予感がしてならなかった。

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