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第二十八話 聖女様の護衛任務を受ける

 セイナは給湯器を完成させて、先ずはやりたい事の一つをクリアをして、次に下着の生地を作る為に、種子生成の項目で、絹の様な繊維が取れる植物の種子をつくる事に集中をしていた。


 そしてゴムの木の種子も併せてつくり、これはセイナの元居た世界にもあった物なので、割と簡単にできたので、セイナは絹の繊維の他に、コットンの実が生る植物も併せて種子をつくる事も決めた。


 しかし、セイナが次につくる物の準備に取り掛かっていた頃に、王城では西の隣国より、聖女の応援要請が入り、どうするか、国王エリナスと王太子エディオンに西の隣国との国境沿いに領地を持つ二人の貴族カイサス・オルディノ辺境伯爵とルーザス・サディエンス伯爵が対応を協議をしていた。


「陛下、西の隣国、サベラス王国は瘴気の異常発生で穢れの魔物が異常発生して、聖女一人では対応が出来ない、そこへ安定している我が国に聖女の応援要請が来た訳ですが、いかがしますか」

カイサス・オルディノ辺境伯爵が国王エリナスにお伺いを立てていた。


「聖女の応援要請か、うーん、難しいの、応援に行かせて、我が国の聖女に何かあれば、我が国に聖女が居なくなってしまうからの」

国王エリナスはセイナの存在はあるが、公に出来ないので、居ない事として対応する心算で考えていた。


「しかし、このまま放置も出来ません、我が領にも影響が出始めています」

ルーザス・サディエンス伯爵はもう他人事ではない状況になっていた。


「しかし、仮に我妻を派遣するにしても、警護の兵士を多数つける事は難しいです。多くても12名までです。それを超えると宣戦布告と捉えられかねません、先方に警護の増員の許可を取って貰え無いと派遣は出来ません」

王太子エディオンは妻の派遣の条件を出した。


「それが、警備の兵士の増員は難しいです。冒険者での対応を言って来てますねぇ、兵士寄り手慣れた冒険者の方が戦力になると、あちらの国王が申しております」

カイサス辺境伯爵は隣国の国王の言い分を苦々しく話した。


「亜奴め、この期に及んで、まだそんな事を申すのか、国のメンツを保つより、滅びの道でも行く気か、それとも我が国を道連れにでも考えておるのか」

国王エリナスは隣国の王に対して苦々しい思いを告げた。


「取敢えず、護衛の兵士の増員を認めなければ派遣は出来ないと、隣国の国王に伝えましょう、先ずは国内の影響のある地域に我妻を派遣しましょう、他国は二の次でいいでしょう」

王太子エディオンは国内を優先的に対応する事を提案をした。


「うん、そうじゃなぁ、メンツを取る国の要請など受ける義務はない。我儘を言うてるうちは余裕があるのだろう、エディオンの提案を採用する。其れと希望の盾にも護衛の依頼を出す。これで良いな」

国王エリナスは二人の貴族に確認をした。


「ハッ、聖女様に我が領に来て貰えるのなら、民達も安心するでしょう、宜しくお願いします」

ルーザス伯爵は笑顔で、この提案を受けた。


「私の領も、念の為にお願いします。今はまだ出ておりませんが、瘴気が近づいている事は確かなので、ぜひ、お越し頂きたい」

カイサス辺境伯爵も提案を了承した。


 そうして、聖女派遣は国内の影響のある領地を優先で派遣する事が決まり、希望の盾の代表代理のダイナスに聖女護衛の依頼が届けられた。


「エルミナ、聖女派遣の護衛依頼が届いたが、メンバーにセイナと従魔たちを加えて良いよな、サディオス君も参加させるがねぇ、君は今回はお留守番だからねぇ」

ダイナスはエルミナに確認をした。


「まぁ、私は今回は仕方が無いでしょうけど、セイナには余り無茶はさせないでねぇ、正体がバレると厄介な事になるから」

エルミナはセイナの正体がバレる事を恐れていた。


「あぁ、その辺は従魔のハク様に相談する事にするよ、長寿の神獣フェンリル様の知識は伊達じゃないからねぇ」

ダイナスはセイナの取り扱いには、ハクの知恵を借りる事を決めた。


 其れからダイナスはセイナと従魔のハク達を呼んで、打合せをする事を決めて、早速セイナとハク、それにクインを執務室に呼んだ。


「やぁ、セイナさん、実は聖女様の護衛依頼が入ってねぇ、今回はセイナさんと従魔のハク様、クイン様、後はコハク君も参加してもらうのだけど、セイナさんには、何か事を起こす時は必ずハク様に意見を聞いてから、私に相談して欲しいのだが、良いかなぁ」

ダイナスはセイナの行動には、ハクに相談して事を成す様に頼み、その事を確認をした。


「なる程の、セイナ殿の正体がバレないようにする為じゃなぁ」

ハクはダイナスの言いたい事を直ぐに理解を示した。


「アハハ、流石はハク様ですなぁ、その通りです。あんまり派手に動かれると隠しきれないからねぇ」

ダイナスは笑ってハクの博識に感心をした。


「ところで、どこへ行くのじゃ、西の方はチートばかり、やばいんじゃが」

ハクは西側へ行く事は避けたいと思い確認をした。


「えっ、それが西側なんだけど、何がヤバいんですか」

ダイナスは一瞬、冷たいものを感じた。


「いや、別に身の危険が及ぶ事は無いじゃがなぁ、厄介な物に絡まれるかも知れんのでなぁ、主にセイナ殿が」

ハクはセイナを見て、ダイナスに伝えた。


「えっ、私がですか、ハク、何に絡まれるのか教えなさい」

セイナは自分が何に絡まれるのか、少し不安になり、ハクに教える様に命令をした。


「うーん、言いて良いのか、悩むが、あくまでも可能性の話じゃ、神龍だなぁ、あ奴は西側に今は生息しているはずだから、多分だが、セイナの存在は既に把握していると思った方が良いだろう」

ハクがセイナに爆弾発言をした。


「神龍って、なんで私に絡むのよ、理由が解らないわよ」

セイナは神龍と聞いて、ビビりながら、ハクに聞いた。


「理由か、あ奴も我と同じだからじゃ、特に今は暇を弄んでいるからの、我と同じで、一時の暇つぶしにセイナ殿に絡むと云う事じゃ、従魔契約を求められるかもなぁ」

ハクは更なる爆弾発言をセイナに告げた。


「ハッ、従魔契約、神龍と私が、そんなのあり得ないですよ、そんな事をして、私、大丈夫なの?」

セイナはハクとの従魔契約でも、魔力を相当消費しているのに、神龍となると枯れてしまうのではないかと心配をした。


「それが、大丈夫なんだなぁ、セイナ殿の場合は、女神の加護持ちだからの」

ハクはセイナに更にもう一発、爆弾発言をお見舞いをした。


 セイナはハクの爆弾発言を聞いて、もし神龍が従魔契約を求められたら、断れない事を悟り、神龍を傍に侍らせて、街で過ごせるのだろうかと不安になった。

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