第二話 冒険者登録
この作品を選んで、お読で頂き、ありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて、楽しんで読んで頂きたいと思います。
セイナは深手を負った男性の傷を何とか治癒することが出来て、一安心してから、綺麗な女性の事を見て、一瞬、見惚れてから直ぐに我に返り、一言だけ言った。
「ふうー、出来たぁ、あの傷治りましたよ」
セイナは大きく一息してから、その女性に告げた。
「えっ、あっ、ありがとう、私はエルミナよ、貴方、名前は」
「あっ、はい、セイナと申します」
セイナはエルミナに名前を聞かれて、慌てて名乗った。
「セイナねぇ、宜しくねぇ、私は希望の盾と云うパーティーのリーダーをしているわ、この人、私の旦那なの、後ろの二人もメンバーよ、貴方、凄いわねぇ、無詠唱で治癒魔法を使えるなんて、もし良かったら私のパーティーに入らない。貴方なら大歓迎よ」
エルミナはセイナの肩をしっかりと押えて、微笑みながら勧誘をした。
「えっ、本当にパーティーに入れてくれるのですか、実は冒険者に成ろうか、如何か悩んでいたんです」
セイナは此の世界の人が傍に居てくれた方が助かると思い、エルミナに確認をした。
「そうなの、なら私が冒険者登録するのに付き合うわねぇ、あっそうねぇ、メンバーを紹介するわねぇ、この人が旦那のダイナスねぇ、後はルビナスにサンタナねぇ、ダイナス、大丈夫かしら」
「ありがとう、セイナさん、お陰ですっかり治っているよ、エルミナ、俺は大丈夫だよ」
ダイナスはセイナに笑みを浮かべて礼を述べた。
「本当、ならダイナスと貴方達は、先に宿舎に戻って、部屋が空いてたら、セイナの分の部屋を追加しておいてくれるかしら」
エルミナはダイナスと二人のメンバーに頼み、セイナと共に宿屋に戻るメンバー達を見送った。
エルミナはセイナの容姿を見て、何か違和感があったので、セイナにその違和感の原因を探る為にセイナに聞く事にした。
「ねぇ、セイナ、貴方の髪の色は黒なのね、それに、その服装も変わっているけど、この辺では珍しいわ、何処の出身なのかしら」
セイナはエルミナに聞かれて、本当の事を言うか如何か考えだか、下手な嘘を吐くより、大聖女である事だけ隠して、後は本当の事を話した方が後々信用を無くすより良いと判断して、周りに人が居ない事を確認して話した。
「エルミナさん、信じて貰えるか分りませんが、私は今日、城で行われた聖女召喚に巻き込まれて来た違う世界の者です。何故か、私は召喚の魔法陣から、外れて城勤めの見物人の中に放り込まれた感じになり、そこで平民と間違えられて、城の外に追い出されちゃいまして、今に至ります」
「ふ~ん、聖女召喚の噂は本当だったのねぇ、セイナを信じるわ、災難だったわね、巻き込まれるなんて、でも、貴方の能力は普通じゃないわよ、それに、その格好はチョット拙いわ」
エルミナはセイナから、納得のいく回答を得たので、先ずはセイナに容姿の事を指摘した。
「えっ、やっぱり拙いですか、如何しましょう」
セイナはエルミナから指摘され、如何するか悩んだ。
「それなら、私の外套を貸すわ、此れなら上着は隠せるわ、あとは髪の毛ね、茶色になら、私でも魔法で変えられるわ、如何するセイナ」
エルミナはセイナの意思を確認をした。
「はい、其れなら、お願いします。出来るだけ厄介事に巻き込まれたくありませんので、お任せします」
セイナはエルミナの提案を素直に受け入れた。
セイナはエルミナに外套を借りて羽織り、髪の毛の色を魔法で茶髪に染めて貰い、そして冒険者ギルドの中に入り、冒険者登録とパーティーメンバー登録をする事が、何とか出来た。
冒険者登録の際に、セイナの魔力測定をした時に余りの魔力量に受付担当者は驚き、その時にエルミナが言い訳をしてくれた。
「この子はチョット魔力過多になりやすい体質で、偶に制御できずに体外に放出する事があるから、多分それでだと思うわ、直に収まるので心配しないで」
エルミナは偶にそう云う体質の人がいる事を知っていたので、受付担当者に自信あり気に言って、受付担当者に有無も言わせず押し切り、何とかその場をやり過ごした。
不信顔の受付担当者はエルミナの迫力に押されて、そのまま手続きを続けて終わらせて、エルミナから登録手数料を受け取った後、セイナをジト目で見つめて、溜息を吐いてから、何時もの営業スマイルに変わり、次の冒険者とのやり取りを始めた。
セイナとエルミナは何とか無事に登録を終えて、冒険者ギルドから外へ出てから、二人で顔を見合わせて苦笑いをして、この事は二人だけの秘め事にした。
「ハア~、何とか無事に登録出来ました、ありがとう御座います。一時はどうなる事か思いました。私ってあんなに魔力量が多かったのですね、あっ、お借りした登録料は必ずお返しします。すいませんでした」
「えっ、いいわよ、パーティーの必要経費で落とすから、その分働いて貰えばいいわ、しかし、セイナの魔力量には、驚いたわ、測定出来ないですもの、それなら無詠唱で魔法が使える訳だわ」
エルミナは流石は異世界から来ただけの事は有ると、益々セイナに興味が湧いていた。
「あっ、そうだわ、ねぇ、セイナ、言い忘れていたけど、私達、明日には、この王都を出て、隣国のメルリラス王国に帰るのだけど、大丈夫よねぇ」
エルミナは思い出したかのように、セイナに伝えた。
「えっ、本当ですか、それなら私も喜んでお供させて貰います。別に此処に拘りは有りませんし、元の世界に帰る術も無いそうですから、ここに居る意味がありません」
セイナは喜んでエルミナと共に行く事を決めた。
「セイナ、本当に良いのねえ、なら良いわ、もう、此処じゃ稼げなくてねぇ、セイナは知らないだろうけど、瘴気から生み出された魔物は倒すと魔石に変化するのね、最初の頃は割と高値で売れたのだけど、最近は大量に売られるものだから、もうゼロに近くなってねぇ、赤字になるから戻る事にしたわ」
エルミナは一応セイナに帰る理由を教えた。
「ところで、エルミナさん、私、此処を出る前に装備を揃えたいのです。私は一応槍の心得が有るので、槍術に適した装備を買いたいのですが、値段的にどれくらいでしょうか」
「槍術か、うーん、私はこの辺の装備屋には詳しくは無いのよね、そうねぇ、王都を出る前にギルドに聞いて、寄って行きましょうか」
エルミナもセイナが冒険者として装備を揃える事は、絶対に必要な事なので、装備屋に立ち寄る事を約束した。
「あら、セイナ、あそこに装備屋があるわ、空いているみたいだから寄って行きましょう、気に入った物が有れば、私が揃えて上げるわ」
エルミナは笑顔でセイナに教えた。
「はい、お言葉に甘えて、お願いします。エルミナさん」
セイナはエルミナの誘いに快く乗って、装備屋に二人で入った。
セイナはエルミナと装備屋の店内で、槍や冒険者用の衣服と防具などを色々見て、エルミナのアドバイスを聞きながら、初心者用の装備を一通り、エルミナと二人で選んで、代金はエルミナが全額払ってくれた。
「うん、最初はこれで良いと思うわよ、装備は消耗品みたいなものだから、それに槍に関しては経験を積んでから、業物を買った方が良いと思うわ」
エルミナはセイナに冒険者の先輩としてアドバイスをした。
「はい、エルミナさんの言う通りだと思います。それに贅沢を言える立場でもありません。もし業物を買う時が来たら、自分の稼いだお金で買いたいと思います」
セイナはエルミナの言った事は常識と捉えて、自分の考えを伝えた
セイナは揃えた装備を抱えた後に、エルミナと共に装備屋を出て、メンバー達が待つ、宿屋に戻ってメンバー達と合流してから、食堂でメンバー達とセイナの歓迎会を開き、楽しい時間を過ごしていた。
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