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第二十二話 エルミナは国王と王妃にセイナの事を報告する

 エルミナはセイナが森へ散策に行っている間に、王城へいき、父である国王エリナスと義理の母の王妃エリザヘスの処へ帰国の挨拶と報告をする為に、王家の家族が過ごす為の応接室で会っていた。


「父上、母上、お久しぶりです。先日の夕刻にこちらに戻ってまいりましたので、本日帰国の挨拶と報告を兼ねて、参りました」

エルミナは背筋を伸ばして、父である国王と義母である王妃に対面して、礼儀正しく話した。


「エリナスさん、無事に帰国されて、私は嬉しいわ、怪我などしていなそうで何よりです。どうでした隣国の様子は」

義母の王妃エリザベスは嬉しそうに、エルミナに話しかけた。


「はい、母上、隣国はやはり瘴気の汚染がだいぶ進んでおりました。ですが聖女召喚は成功した様です。其れに関して、私達は面白い人物と会う事ができ、その者をメンバーに入れて連れて参りました」

エルミナは王妃と話している時に、セイナの事を思い出して笑った。


「ホォ―、その言い方だと、その聖女召喚に関わる人物のようじゃなぁ、エルミナ」

父である国王はエルミナの言い方に反応をして、エルミナに尋ねた。


「はい、そうです、父上、聖女召喚は二人召喚されていて、その一人が魔法陣から外れて見物人の中の人にぶつかる感じで現れた様で、チョット変わった服装でしたが、平民と間違えられて、城の外に追い出されたそうです。そして私達と出会いメンバーに入ったと言う事です」

エルミナは同時の事を思い出して、笑みを浮かべて話した。


「ホォ、それはまた理不尽な目に合ったの、それでその者はどういった人物で、どの様な能力を持っておったのじゃ」

国王のエリナスは興味深々に、エルミナに尋ねた。


「はい、名はセイナと申しまして、18歳の可愛い感じの女性です。ちかも慈愛の女神メルリス様の加護を持つ大聖女です。その実力は本物です。私はこの目で確認しております」

エルミナはセイナの事を想い浮かべて終始、笑顔で話した。


「なんと、伝説の大聖女なのか、随分とまぁ、凄い人物をメンバーに入れたなぁ、それで、そのセイナと云う者は、如何したいと申しておるのじゃ」

国王エリナスはセイナがどう思っているのか、エルミナに確認した。


「はい、このまま、冒険者として過ごして、稼いだら自分でポーションとか魔導具を作りたいと申しております」

エルミナはセイナの希望をそのまま国王に伝えた。


「そうか、そうか、女神の加護を持つ大聖女様が、この国に居てくれるだけでも、メリットは沢山あると言うものじゃ、そしてこの国に永住して貰える様に、出来るだけそ~としておいた方が良い、エルミナにセイナ様の事を任せよ」

国王のエリナスはセイナが、この国に永住する事を望み、それをエルミナに任せた。


「私は、出来ればサディのお嫁さんになって欲しいけど、ハァー、難しそうねぇ、あのバカ息子は何で、ア~なのかしら、困った物ねぇ、歳も同じだしねぇ、丁度良いのに勿体ないわねぇ」

義母の王妃エリザベスは溜息を吐きながら、ボヤイテいた。


「母上、それは私も同じ想いです。セイナは素直で可愛いから、私の妹にしたいくらいです。ですからサディを私の処で預かる時はセイナにパートナ―になる様に伝えてありますから、そして私の希望も本人に伝えてあります」

エルミナもその辺は残念な表情をしながら義母の王妃エリザベスに話した。


「うーん、セイナ様に何と希望をしたのじゃ、エルミナ」

国王のエリナスはエルミナに何を希望したのか興味を持ち尋ねた。


「はい、ストレートにサディの妻になって欲しいと申しましたが、あの性格ですから、正直にサディの事を話したら、せめて、女嫌いくらいは何とかしてあげたいと申してました」

エルミナは苦笑いをしながら、本当の事をそのまま、国王と王妃に話した。


「まぁ、こればかりは余り強引に話を進めるとセイナ様が気分を害して、この国を出て貰っては困るから、成り行きに任せるしかあるまい、エリよ、絶対に強引な手段などを取るでないぞ、分っておるな」

国王のエリナスは王妃エリザベスに念を押した。


「いくら私でも、そんな事はしませんよ、ただ、見守る事に徹します。縁があれば結ばれる事でしょうから、無ければそれまでです」

王妃エリザベスは流石に、無理押しをしていい相手では無い事を自覚していた。


 この時の王妃エリザベスは、無理押しをして、セイナに何かあれば、それこそ自分達自身が後で罪の大きさに後悔をする事になると、エルミナの母の事を想い出し、二度と繰り返しては成らないと自分に言い聞かせていた。


「まあ、私としても、切っ掛けはつくりますが、無理押しはする心算は有りませんから、後は二人の問題と考えております」

エルミナも飽くまでも、二人の問題だと考えて、見守る事を決めていた。


 そして三人は大きく溜息を吐きながら、王子サディオスの事を思うと、見かけは美男子であり、心根も優しいく穏やかなのに、なぜか女性を毛嫌いする傾向がある事に、ただ残念な子だと思うのであった。


 それからは、エルミナは隣国でセイナが行った事などを詳細に話し、そして神獣フェンリルの親子を従魔にした事なども併せて国王と王妃に報告を行った。


 エルミナは、セイナの性格などもエルミナが感じ取った事を詳しく、詳細に話してから、また王子のサディオスに嫁いでくれたらと、三人が女神に祈る様に念じて話していた。

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