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第二十一話 王都近郊の森に聖霊樹を植える

 セイナはコハクを抱き、ハクの背に乗りながら、ハクの背の乗り心地に感心をして、ハクに捕まらなくても安定していて、頬には心地よい風が当たるだけで、結構早いスピードで走っているのに、その程度で済んでいる事に不思議に思った。


「セイナ殿、我の背の乗り心地はどうであるか、念の為に結界の膜をセイナ殿の周りに張っているので、落ちたりする事は無いので、安心召され」

ハクはセイナに念話を送り、知らせた。


「うん、ありがとう、凄く快適よ、あとどの位なの、結界を張る場所は」

セイナは言葉で、ハクに聞いた。


「もう少しで着く、頼みましたぞ、セイナ殿」

ハクは念話で、セイナに伝えた。


「クイン、後もう少しだって、大丈夫、最近、余り運動して無いけど」

セイナはクインを心配して確認をした。


「大丈夫ですよ、セイナ、走る事は得意なので、心配する事はないですよ」

クインは優しい感じの念話で、セイナに伝えた。


 セイナは笑顔でクインを見て、疲れていないか心配して暮れたセイナに、クインは優しい目で、セイナを見詰めてウインクをして合図をしていた。


 其れから暫く森の中を走っていると、目の前に綺麗な大きな湖が見えて来て、その畔にハクは止まり、そしてセイナに告げた。


「ここです、セイナ殿、ここに聖霊樹の種を植えて頂き、成長させて欲しいのです。ここはこの森の源と言っていい場所です。我はここを護り、瘴気に汚染されぬように見守っておりました」

ハクはセイナに説明をして、セイナに頼んだ。


「確かに、こんな美しい場所を瘴気で汚染されるのは良くないわねぇ、この国にも影響が出そうねぇ」

セイナは畔の美しい風景を見て納得をした。


 セイナは直ぐにステイタス画面で、植物生成の項目を出して、聖霊樹の種を生成して、顕現させた。


 地面に植えて、聖水をかけて、直ぐに種子成長の魔法を掛けて、一気に成長させて大木と云うくらいに成長させると、周りに美しい花々が咲き乱れて、その周り妖精が飛び交うようになった。


「ありがとう御座います。これで我が居なくても、この森はこの聖霊達が守って暮れる事でしょう」

ハクは聖霊樹の周りで飛び回る聖霊達を見て、セイナに感謝をした。


「それで、ハクも私達と共に王都に行くのでしょう、姿をクインと同じ位に変えられるの?」

セイナは念の為に、ハクに確認をした。


「無論だ、クイン同様に我もホワイトウルフとして、従魔登録すると良い、そうしなければ、セイナ殿達と一緒に居られまい」

ハクはセイナ達と共に居られるのら、何でもする積りでいた。


「とにかく、先程までいた場所に戻ろでは無いか、そこから姿を変えて王都に行こうではないか」

ハクはセイナにそう告げて、腰を降ろしてセイナに背に乗れるようにした。


 其れからセイナはコハクを抱きかかえて、ハクの背に乗り、クインと共に先程までいた場所に戻ってから、ハクは、クインより一回り程大きい背丈にまで縮小をした。


「この位なら、問題無いでだろう、セイナ殿、どうですかなぁ、他の人前では念話で話すので、その積りでいてくれ」

ハクは街に入ってからの対応をセイナに話した。


「うん、それでお願いねぇ、王都に戻ったら冒険者ギルドに行って、従魔登録しましょうねぇ」

セイナはハクの頭を撫ぜながら、ハクに話した。


 そしてセイナ達は王都の東の入場門に到着して、警備の役人にセイナは冒険者登録証を見せてから、ハクの事を説明した。


「あの、この子をまた、新たに従魔にしたので、これから冒険者ギルドに行って、従魔登録したいので、一緒に街に入っても宜しいですか」

セイナは早朝の時の役人とは違う人なので、丁寧に説明をした。


「希望の盾のメンバーの方ですねぇ、分かりました。どうぞお通りください。戦力増加に余念が無いようで、何よりです」

役人は笑顔で、セイナ達を門の中に通してくれた。


 その時セイナは、希望の盾のメンバーが優遇されている事を改めて実感をして、王女であるエルミナさんがつくった冒険者クラウンだから信用されていて、優遇されているのだと思った。


 セイナは早速、冒険者ギルドに行って、ハクを従魔登録をしてから、薬草を採取した一部を常時依頼の二回分を提出して、自分の実績として、依頼料を二回分を受け取った。


 それから、セイナはハク達を連れて、冒険者クラウン希望の盾のある屋敷に戻り、そして玄関の扉を開ける前に、一旦止まり、ハクを見てから、メンバー達に何か言われるかなと思い、少し気分が憂鬱になった。


 セイナは意を決して、玄関の扉をそ~とと開けて、中を覗いて、誰も居ない事を確認してから、中に入り、自分の部屋に向かおうとしていたら、クスクスと笑い声が聞こえて、笑い声のする方を見ると、ドアの隙間から、ユリエラとサーラがセイナの事を覗き込み、笑っていた。


「あっ、やっぱり従魔を増やしていたわねぇ、まさか本当に伝説の神獣フェンリルの今度は雄を従魔にしたのねぇ、セイナは」

ユリエラは余りに想像通りになって、笑っていた。


「うぬ、そなたは我がセイナ殿の従魔になる事を、予想していたのだなぁ」

ハクはユリエラを見て、話した。


「おっ、流石は神獣フェンリルねぇ、やっぱり喋れるのねぇ、クインも本当は喋れるのでしょう」

ユリエラはハクが喋った事に感心をして、クインを見て確認をした。


「はい、そうです。ただ、喋ると変に想われて、セイナに迷惑をかけるのでないかと思い、黙っていました」

クインはユリエラの言う事を肯定をした。


 それから、セイナはコハクを抱きながら、ユリエラの仕事場にハクとクインを連れて入り、それから、ユリエラとサーラにハクが従魔になった経緯を色々と話して聞かせた。


 ユリエラとサーラは、ハクがセイナに言った事を聞いて、余りの想像通りで腹を抱えて、セイナを指を指して笑っていた。

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