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第十八話 お風呂の為に給湯器を作る決意をする

 セイナはお風呂に入りたいと云う、強い願望を抱き意地でもと思い、何とか浴槽にお湯を張りを張る事ができて、エルミナが湯加減を確認した。


「セイナ、流石ですわねぇ、湯加減は最高よ、それじゃ、先に女性陣で、お風呂に入りましょうか、私が呼んで来るから、セイナはクイン達と先に入ってて好いわよ」

エルミナは、嬉しそうにセイナに言って、女性のメンバー達を呼びに行った。


「うふふ、やっとお風呂に入れるわよ、さぁ、クイン、コハク、お風呂に入るわよ、クインには少し熱いかしら、後でクインに確認して貰おうかしら」

セイナは脱衣室で素早く衣類を脱いで、クインとコハクを連れて浴室に入った。


 セイナは先にクインに湯加減を確認すると、別に問題無いと云う事で、其のままの湯加減で、クインの身体を洗い、そして、別の大きめの木桶にクイン用にお湯を張り、クインには其処に入って貰い、クインも気持ち良さそうにお湯に浸かっていた。


 セイナは続いて、コハクの身体を洗い、コハクは最初は嫌そうにしていたけど、途中から目を瞑り、気持ち良さそうにして、いつの間にか眠っていたので、セイナは湯桶にコハクを入れて冷めないように湯船に浮かべていた。


「もうコハクったら、気持ち良すぎて、寝てるじゃない、まぁ、可愛いから許すけど」

セイナは湯船に浮かんで、寝ているコハクを見て癒されていた。


 セイナは今度は自分の身体を洗い、湯船に浸かった処で、エルミナ達女性メンバーが嬉しそうに浴室に入って来て、身体を洗い出して、そしてセイナに感謝をしていた。


「セイナさん、お湯を張って頂き感謝します。ここの湯舟は大きいから、お湯を張るの大変で、私達がやると一時間くらい掛るから、中々ねぇ、セイナは数分で入れたんでしょう、エルミナさんから聞いたけど、優秀な魔術師と云うのは本当ねぇ」

ユリエラが笑顔でセイナに感謝して褒めた。


「そうでしょう、私が嘘を言う訳ないでしょう、セイナは優秀なんだから、色んな意味で、ユリエラさん、今度セイナにもポーションの作り方を、教えてやって欲しいだけど良いかしら」

エルミナはユリエラに、ポーションの作り方を教える様に頼んでいた。


「そうですねぇ、結構魔力量が多そうなので、教えれば可成りの量が作れるかもしれませんねぇ」

ユリエラはセイナに可成りの期待をした。


「ユリエラさん、量もそうだけど、質も期待出来るわよ、セイナが製作すれば、騎士団に高く売る事も可能だと、私は思っているだけどねぇ」

エルミナはセイナを見て、ウインクをして、ユリエラに自分の感じた事を話した。


 セイナが湯舟に入れたお湯は、只の水を温めたお湯では無く、聖水を温めたもので、そのお陰で、何時もより肌がすべすべになり、後で女性陣の間で話題になる。


「あのエルミナさん、魔石はまだ手許に有りますか、私、考えたんです。給湯器を作ろうかと、それが有れば、何時でも入れる様になりますから」

セイナは、お風呂に入る事に異常なまでに執着して、何時でも入れるようにする事に燃えていた。


「魔石、魔石はまだ有るけど、それをどうするの、もしお風呂にいつでも入れるようになるなら、持っている魔石を全てセイナにあげるけど」

エルミナも毎日お風呂に入れる事を期待して、セイナの考えに乗る気で提案した。


「ありがとう御座います。色々試す事になるので、沢山魔石があった方が助かります。私は暫く給湯器の開発に集中したいのですが、エルミナさん、大丈夫ですか」

セイナはヤル気満々で、エルミナに確認をした。


「まぁ、一週間は休みの予定だから、その間をフルに使えば良いじゃない、それ以降は相談する形で良いかしら」

エルミナも出来れば早く、その給湯器というものが、出来れば良いなと思って、セイナに言った。


「はい、分りました。頑張ります」

セイナは、ヤル気を満面な笑みで表現をして、エルミナに答えた。


 その後は、セイナ達はゆっくりと湯船に浸かり、湯桶の中で寝ながら、浮かんでいるコハクの可愛い寝顔を見て、女性陣の全員が癒されていた。


 セイナは、コハクとクインを連れて、先に上がり、タオルで、クインの身体を先に拭き、風魔法で身体の毛を乾かしていると、クインは気持ち良さそうな表情をして、ジッとして、セイナにブラッシングを受けていた。


 次にコハクの身体をタオルで服と、コハクは大きなあくびをして、気持ち良さそうに眼を瞑り、セイナのなすままにされていた。


 最後にセイナは自分の身体を拭き、そして髪の毛を風魔法で乾かしていると、自分の肌が何時もより、艶がある事に気が付いた。


 セイナは内心、あれ私また何かしちゃったかしら、黙ってようかなぁ、あっ、ひょっとして、水じゃなくて、聖水でお湯を沸かしちゃったのが原因かしら、私、意識しないで水魔法を使うと聖水になっちゃうのよねぇ、困ったものだわねぇ、とセイナは心うちで思い悩んでいた。


 セイナは髪の毛を乾かしていると、魔術師のメリアンとサーラが上がってきて、自分の身体をタオルで拭いている時にメリアンがセイナに話しかけた。


「セイナさん、ありがとう、とてもいいお湯加減でした。でも何時もより肌の艶が好いのだけど、何かしたのかしら、何かいい方法があるのなら教えて欲しいです」

メリアンは肌が荒れやすく、日頃から悩んでいたので、セイナに眼を輝かせて尋ねた。


「えっ、いや別に特別な事はしてないですよ、変ですねぇ」

セイナは少し顔を引き攣りながら、気ごちない回答をメリアンした。


 セイナはなんて言っていいか、返答に困り適当な事を言ってしまい、まさか聖水ですとは言えないので、内心焦っていた。


 そこへ、エルミナとユリエラが上がってきて、メリアンが、ユリエラに自分の肌の状態を見せて、ユリエラの意見を聞いていた。


「ユリエラさん、私の肌を見て下さい、荒れていた肌がすべすべになっているんですよ、セイナに聞いたら、特に何も特別な事はして無いと言うですけど、どう思います」

ユリエラはセイナの回答に納得出来ずに、ユリエラに見解を尋ねた。


「うーん、セイナさんは魔力量が大変多いようですから、お湯に何らかしらの魔力が籠められていたのではないのですか、本人は意識をしてないだけで、無意識に魔力が籠められていたと考えられますよ、魔力量の多い方にはそういう方もいますから」

ユリエラは事例を挙げて、持論をメリアンに伝えた。


「そうですねぇ、セイナの場合は魔力量が多すぎて、ただ漏れしているから、遠くに居たコハクがセイナの魔力を感じて、助けを求めに来たほどですから、それが切っ掛けで従魔になったのですよ」

エルミナがセイナの顔を見て、笑いながらメリアンに話した。


「エルミナさん、それって、私が魔力をオモラシしているみたいじゃ無いですか」

セイナはエルミナに顔を赤くしながら抗議をした。


「セイナ、でも、実際にそうでしょう、ウフフ、制御出来ていないでしょう、違う、ウフフ」

エルミナは笑いながらセイナに問質した。


「うっ、ウムムム、返す言葉が見つからない・・・・」

セイナは実際に制御が出来ていない事を、今回改めて自覚する事になった。


 その光景を見ていたユリエラ、サーラはお腹を押さえて、笑いをこらえていたが、我慢できずに笑い出して、メリアンはその魔力が何なのかをセイナを見詰めて、真剣に考え込んでいた。 

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